創業融資は複数の金融機関へ申し込みすることが可能です。
ですが、受験や抽選のように、
「数多く申し込みをしておけば、どこか一つは融資をしてくれるかもしれない!」
なんてことは、残念ながらありません。
申込の仕方を間違えると、最悪「全滅」という結果になってしまう可能性があります。
本記事では、創業融資を複数の金融機関へ申し込みする方法と注意点について解説していきます。
1.創業融資は複数の金融機関へ申し込みが可能
創業融資は、複数の金融機関へ申し込みをすることが可能です。
複数と言っても、基本的には「日本政策金融公庫」と「銀行」の組み合わせになります。
「銀行A」と「銀行B」の組み合わせは基本的にないと考えてください。
その理由として、「保証協会」という組織の存在が関係しています。
創業融資には日本政策金融公庫の創業融資と、銀行の保証協会付き融資の2つの種類があります。
どちらも利用することが出来ますが、銀行で受ける保証協会付き融資は、名前にある通り、「保証協会」と言う組織が絡んでいます。
保証協会とは、創業間もなく信用力のない企業に対して、銀行が融資をしやすいように保証人となってくれる公的機関です。
銀行内の審査に加え、保証協会も審査をした上で、融資を実行する仕組みになっています。
この保証協会は、原則として各都道府県に一つずつ設けられています。
つまり、銀行を変えても、審査をするのは、各都道府県に1つずつ設けられている保証協会なのです。
そのため、銀行Aと銀行Bの組み合わせで創業融資を受けることは基本的にはありません。
2.同時申込は避け、順番に融資の申込をしましょう。
創業融資を、複数の金融機関へ申し込むことは可能ですが、同時申込はおすすめしません。
どちらかの融資審査に落ちると両方落ちてしまう可能性が高くなるためです。
複数の銀行に同時に融資を申し込むことを「協調融資」と言います。
日本政策金融公庫と銀行で、お互いに「お宅が融資をするならうちも融資をします。」と言ったスタンスで融資の審査を行います。
成功すれば、日本政策金融公庫と銀行の両方から融資を受けることが出来ますが、もし一方が融資しないと判断すれば、結果は全滅と言うことになります。
指摘事項を改善をしても、次に申し込む先はなく、6カ月程度の期間を空けて再申込をするしかありません。
そのため、同時申し込みはせず、一つずつ順番に申込を進めるようにしましょう。
おすすめは、「日本政策金融公庫」→「銀行」の順番です。
日本政策金融公庫に融資を申込み、その結果を待ってから次の銀行へ融資の打診をする方法です。
日本政策金融公庫へ融資希望額1,000万円で申し込みをし、満額融資が下りればそこで資金調達を終了しても問題ありません。
もし、日本政策金融公庫で融資額を減額されてしまったり、失敗してしまった場合には、銀行へ不足分の追加融資をお願いしたり、日本政策金融公庫で指摘された事項を改善してから再チャレンジをするようにしましょう。
●日本政策金融公庫の融資審査を通過したという事実は、会社が一定の信用を獲得したということなります。
銀行から見ても信頼できる会社であるとだということになり、銀行の融資審査においても有利に働くということになります。
是非、日本政策金融公庫から融資を受けることができたら、銀行の融資にもチャレンジしてみてください。
創業時は、実績なしでお金を借りることができる、最初で最後のチャンスです。
事業がスタートして、業績が悪くなったり、資金繰りが悪化してからでは銀行はお金を貸してはくれません。
創業時により多くの資金を獲得しておくことをおすすめします。
●日本政策金融公庫から受けた融資金の入金先を、これから特にお付き合いしていきたい銀行に指定しましょう!
日本政策金融公庫から融資を受けた証拠にもなりますし、メインバンクとして今後利用する予定であるという意思を示すことができ、銀行からの心証が良くなるためです。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
創業融資は、複数の金融機関へ申込が可能です。
ただし、同時に複数の金融機関に申込をすることは止めましょう。
全ての金融機関から融資を断られてしまうリスクがあります。
同時ではなく、順番に融資を申込をし着実に進めるようにしましょう。
融資の審査は、「下手な鉄砲も数撃てば当たる」なんてことはありません。
しっかりと戦略を立てて慎重に進めてきましょう。
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