債務超過でも融資は受けられる?成功するための実践対策ガイド

債務超過でも融資は受けられる?成功するための実践対策ガイド

「うちみたいな債務超過の会社に、融資なんて無理だよな…」

そう感じて、資金調達をあきらめかけていませんか?

確かに、債務超過の企業に対して金融機関の目は厳しくなりがちです。
過去の赤字や自己資本のマイナスが、融資の審査でネックになるのは事実です。

しかし、それでも、債務超過でも融資を受けられる道はあります。
本記事では、「今すぐ資金が必要」という方から、「より確実に融資を通したい」という方まで、それぞれの状況に応じた現実的な対策を具体的に解説します。

公的制度や代替手段の活用、そして経営改善の進め方まで、専門家の視点から丁寧にご紹介しますので、「うちは無理」と決めつける前に、ぜひ最後までご覧ください。


1.債務超過とは?正しく理解

債務超過とは、簡単に言うと、「借金が資産より多い状態」のことです。
たとえば、会社が持っているお金やモノの合計が1,000万円あるとします。
でも、借金が1,500万円あるとしたら、差し引きでマイナス500万円。
このとき、「債務超過」という状態になります。
つまり、会社をたたんで、全部の資産を現金に換えても、借金を返しきれない。
それが「債務超過」の会社です。

なぜ「債務超過」だと融資が難しくなるのか

金融機関は、お金を貸すときに「ちゃんと返してくれるかどうか」を一番気にします。
それに対して、「債務超過」になっているということは、過去の経営で赤字が続いていたり、借金が多かったりして、返済に不安がある状態と見られてしまうのです。

たとえば、こう思われてしまいます。

・「この会社、今あるお金だけじゃ返済できなさそうだな…」
・「資産を売っても返せないなら、貸したお金は戻ってこないかも…」
・「経営が厳しそうだから、返済途中でつぶれるリスクもあるかもしれない」

こうした理由から、債務超過の会社は、融資の審査で不利になりやすいのです。

しかし!あきらめる必要はありません。

債務超過であっても、その原因や背景をきちんと説明できること、そして今後の改善に向けた具体的な計画があることを金融機関に伝えられれば、融資の可能性は十分にあります。

対策の取り方には大きく2つの方向があります。

・「すぐにでも資金が必要だから、とにかく今チャレンジしたい」という方
・「今すぐでなくてもいいから、債務超過を解消し、確実に融資を受けたい」という方

次の章では、まず前者の方=今すぐ融資を受けたい方に向けて、スピーディーに取り組める実践的な対策を紹介します。
そして、その次の章では、後者の方=より確実な融資を目指したい方に向けて、債務超過を根本的に改善する方法を解説していきます。
どちらの方にとっても、現状を変えるためのヒントが得られる内容になっていますので、ぜひご自身の状況に照らして読み進めてみてください。


2.債務超過でもすぐに融資にチャレンジしたい人向けの対策

「急いで資金が必要…」そんな方へ

債務超過の状態でも、すぐに動かなければならない状況は少なくありません。
ここでは、スピード感をもって融資にチャレンジしたい方に向けて、今すぐ実践できる対策をわかりやすく解説します。

対策①:公的な制度融資を活用する

債務超過でも、条件を満たせば利用できる融資制度があります。

・地方自治体の制度融資
・日本政策金融公庫による融資制度

専門家からのアドバイス
民間の金融機関だけでは、難しい融資の案件も、国や地方自治体の支援制度を活用することで、融資が受けられる可能性があります。

対策②:資金の使い道と返済の見込みを明確にする

金融機関が一番知りたいのは、「このお金を何に使って、どう返すのか?」という点です。
そのため、資金の使途(使い道)はできるだけ具体的に伝えることが大切です。
たとえば、次のような内容が挙げられます。

・「広告費に30万円かけて新規顧客を獲得する」
・「仕入れ資金として運転資金に充てる」
・「新しい冷蔵ショーケースを80万円で購入し、店舗内の回転率を上げる」

このように、売上増加や業務効率化などの目的が明確な支出であることを説明できれば、金融機関も前向きに判断しやすくなります。

専門家からのアドバイス
見積書やカタログ、導入効果を示す資料などを一緒に提示できると、より説得力が増します。
たとえば、「この設備を導入すると生産量が20%増加する見込みです」といった数字や資料の裏付けがあると、融資担当者の納得度が一段と高まります。

対策③:経営改善計画書を作成して意欲を示す

債務超過の企業にとって、融資を受けるための大きなポイントは、「過去の失敗をどう受け止め、今後どう立て直すか」をしっかりと説明することです。

その際に有効なのが、経営改善計画書を作成して提出することです。

【経営改善計画書に書くべき主な内容】

1.現状分析
 売上が下がった、原価が高騰した、固定費が膨らんだなど、「なぜ赤字や債務超過になったのか」を客観的に説明します。たとえば、「コロナの影響で取引先のキャンセルが相次いだ」などの背景も明記します。

2.改善策の具体例
 改善に向けて、何をどう変えていくのかを記載します。

たとえば…
 - ネット販売の開始による新規顧客の獲得
 - 不採算部門の縮小による固定費削減
 - 外注費の見直しによる粗利改善 など

3.スケジュールと数値目標
 「いつまでに」「どのくらいの改善を目指すのか」を数値で示します。
 例:「6ヶ月以内に月商を30万円増加」「1年以内に黒字転換を実現」など。

4.責任体制とモニタリング方法
 誰が何を担当し、進捗をどうチェックしていくかを明記することで、実現可能性が高まります。

専門家からのアドバイス
計画書の作成は、専門家に相談しましょう。
税理士や中小企業診断士などの専門家と一緒に作成することで、金融機関にも通用する“信頼性の高い”資料になります。
債務超過の状態での融資の審査はかなり厳しいものになりますので、専門家に相談し、万全の状態を整えてチャレンジすることをオススメします。

対策④:ファクタリングは“最終手段”として検討を

どうしてもすぐに現金が必要で、銀行融資も間に合わない…。
そんな緊急時には、「ファクタリング」という手段があります。

ファクタリングとは、売掛金(まだ回収できていない請求金)を、専門の会社に買い取ってもらい、現金化する方法です。
たとえば、「来月入る予定の売上100万円」を、ファクタリング会社に90万円で売るようなイメージです。
これにより、1か月後の入金を“即日で”現金化できるため、資金ショートを回避することが可能になります。

専門家からのアドバイス
ただし、利用には注意も必要です!
ファクタリングは便利な反面、手数料(3%〜20%前後)が高く、繰り返し使うと資金繰りを圧迫するリスクがあります。
また、悪質な業者も一部存在するため、契約内容や手数料体系は必ず事前に確認するようにしましょう。

また、ファクタリングは、最終手段として活用しましょう。
本来、ファクタリングは「資金調達が困難なときの一時的な緊急対応」として活用すべきです。
・銀行融資を申し込んでいるが、審査に時間がかかる
・このままだと支払いが間に合わず、事業が止まってしまう
・他に現実的な資金調達手段がない

こうした場面では有効ですが、根本的な資金繰りの改善策ではないことを理解したうえで、慎重に利用を検討してください。


3.債務超過を解消し、確実に融資を受けたい人向けの対策

「とにかく早く資金が必要」というよりも、時間をかけてでも融資の確実性を高めたいという方は、まずは債務超過の状態そのものを解消、あるいは軽減することから取り組むのがおすすめです。

会社の体力(自己資本)を立て直すための対策を講じることで、金融機関からの信用をしっかり獲得し、融資の成功率を大きく高めることができます。

対策①:黒字化を目指して、地道に利益を積み上げる

債務超過を抜け出すための一番王道な方法は、「会社が毎年利益を出すこと」、つまり黒字経営の継続です。
そのためには、次のような基本的な改善策を一つずつ実行していく必要があります。

・支出の見直し:人件費・地代家賃・広告宣伝費など、不要な固定費を削減
・売上アップの工夫:新規顧客の開拓や、リピーターを増やすための施策
・経営構造の見直し:利益の出にくい商品や事業の整理、業務効率の向上

専門家からのアドバイス
「急に売上を伸ばす」のは難しくても、「無駄な支出を減らす」「利益率の高い事業に集中する」といった小さな改善の積み重ねが、やがて債務超過の解消につながります。

対策②:増資で自己資本を改善する

もう一つの大きな手段が、資本金を増やして債務超過を直接的に解消する「増資」です。

方法としては、
・経営者自身や役員が追加出資する
・第三者に新株を発行して資本を入れてもらう
・会社への借入金を資本金に振り替える(DES=デット・エクイティ・スワップ)

といったものがあります。
たとえば、以下のようなイメージです。

《ビフォー》
資産:1,000万円/負債:1,200万円 → 純資産:▲200万円(債務超過)

《アフター(500万円増資)》
資産:1,500万円/負債:1,200万円 → 純資産:+300万円(債務超過解消)

これにより、自己資本比率が改善され、金融機関からの評価が上がる可能性があります。

専門家からのアドバイス
この方法は、株主構成が変わる、新たな課税関係が発生するなどの注意点もあるため、税理士などの専門家に相談しながら進めるのが安心です。

対策③:使っていない資産を売却してキャッシュ化

会社にとって、今すぐお金を生まない資産、遊休不動産や使っていない設備などは、思い切って売却を検討するのも手です。

・「以前使っていたが、今は倉庫に眠っている機械」
・「数年前に取得したものの、使っていない土地」

こうした遊んでいる資産を現金に変えることで、借入返済に充てたり、資産のスリム化を図ったりすることができます。
売却益が出れば、純資産も増え、貸借対照表の改善につながります。

専門家からのアドバイス
帳簿価格と時価に差がある場合や、売却時の税金も関係してくるため、専門家へ相談しながら進めましょう。

対策④:専門家と一緒に進める

債務超過を解消しながら融資を目指すには、やるべきことが多く、一人で全部抱えるのは大変です。
そんなときは、税理士や中小企業診断士といった専門家のサポートを受けることをおすすめします。

たとえば…
・経営改善計画書の作成・ブラッシュアップ
・数値の根拠づけ、キャッシュフローの見える化
などを依頼することで、金融機関への信頼性をぐっと高めることができます。

専門家からのアドバイス
適切な改善策と明確な資金計画を示すことで、金融機関からの評価は大きく変わります。
大切なのは、“現状をどう打開するか”という姿勢を数字で示すこと。そのためにも、第三者である専門家の視点を取り入れた計画づくりが不可欠です。まずは一度、現状の経営状況について専門家に相談してみてください。

4.まとめ|債務超過でも融資はあきらめなくていい

債務超過の会社は、たしかに金融機関から「返済に不安がある」と見られ、融資の審査では不利になりやすいのが現実です。
しかし、それは「絶対に融資が受けられない」という意味ではありません。

この記事では、次の2つのタイプの方に向けて、実践的な対策を紹介してきました。

✅【すぐに資金が必要な方】は…

・制度融資や信用保証付き融資の活用
・資金使途・返済計画の明確化
・経営改善計画書の提出
・ファクタリングによる短期的な資金確保(最終手段)

今ある手段をフル活用し、早急な資金調達を実現する道があります。

✅【より確実に融資を通したい方】は…

・黒字化を目指した収益改善
・増資やDESによる自己資本の強化
・遊休資産の売却
・専門家と連携した計画づくり

時間をかけてでも財務体質を見直し、「融資を受けられる会社」へと根本的に立て直す道もあります。

💡あなたが取るべき次の一歩は?

📌 「すぐに資金が必要」な方へ
まずは、自治体の制度融資など、公的支援の選択肢を確認しましょう。
同時に、資金使途や返済の見通しを整理し、専門家に相談して申請書類を整えることで、融資の可能性を広げることができます。

📌 「融資の確実性を高めたい」方へ
まずは自社の財務状況を把握し、債務超過を解消し「融資を受けられる会社」へと根本的に立て直していきましょう。
税理士や中小企業診断士と連携することで、より着実に改善を進めることができ、結果として好条件での融資にもつながります。

債務超過という状態は、たしかに厳しい状況ではありますが、正しい対策をとれば抜け出すことも、資金調達を成功させることも可能です。
「債務超過だから、融資は無理」と決めつける前に、できることから一つずつ取り組んでいきましょう。
その行動が、再スタートの第一歩になります。

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