
「資金繰りが安定せず、毎日不安。」
「資金繰りを改善するにはどうしたらいいのだろう」などとお悩みなのではないでしょうか?
資金繰りは経営者にとって常に頭を悩ませる課題の一つです。
実際に、金融庁の企業アンケート調査によれば、中小企業の6割強が、「資金調達や資金繰り」に懸念を抱えていることがわかっています。
そこで今回は、資金繰り悪化の原因と、その原因別に改善方法を解説していきます。
資金繰りを改善するには、まずは資金繰り悪化の原因を見つけ原因に合った改善策を取ることが重要です。
資金が不足しているからと言って、即日資金調達が可能だからと、消費者金融やファクタリングなどを利用し資金調達するだけでは、根本の解決になりません。
気が付けは、返済と高い利息の負担でさらに資金繰りを悪化させる原因にもなります。
ご自身の事業が今、どの状況に当てはまるのか考えながら是非最後までお読みください。
目次
1. 【原因別】資金繰り改善方法
資金繰り悪化の原因には、主に次の7つと言われています。
原因1.売上の入金サイトと支払サイトのバランスの崩れ
原因2.売上の急拡大
原因3.売上の減少・コスト高騰
原因4.過剰な投資
原因6.赤字経営が続いている
原因7.資金繰りが管理できていない
それぞれ、詳しく解説していきます。
原因1.売上の入金サイトと支払サイトのバランスの崩れ
売上の入金サイトと支払サイトのバランスの崩れは、資金繰り悪化のよくある原因の一つです。
売上の回収が遅いため支払い期限に間に合わず、資金繰りに行き詰まるケースです。
下記のような状態のことを指します。
【売上の入金サイトと支払サイトのバランスが崩れている状態】
売上が入金される前に、支払いをしなければならないため現金が不足、資金繰りが悪化します。
売上の入金サイトを短く、支払いサイトを長くするよう取引先に交渉しましょう。
うまくいけば資金繰りが劇的に改善します。
ただし、相手も同じ事業主です。同様に「売上の入金サイトを短く、支払いサイトを長くしたい。」と考えています。
関係性が悪化しない程度に交渉を進める必要があります。
交渉はなるべく、新規の取引時にするようにしましょう。途中から契約の内容を変更するのは難しくなります。
原因2.売上の急拡大
売上の急拡大すると資金繰りが悪化します。
売上が大きくなれば、当然その分の仕入やコストが増加します。
数日後には大きな売上が入金になるのにも関わらず、増加した仕入代金や人件費などのコストが支払えないという状況に陥ってしまいます。
最悪の場合、「黒字倒産」となることも。
資金繰りの管理をせず、売上の数字ばかりを追っているとこのような事態に陥ってしまいます。
実は、黒字倒産の件数は以外にも多く、倒産した企業の約半分近くが売上を維持、または増加している状態で倒産していると言われています。
売上の急拡大時は、金融機関の融資等で資金調達をしましょう。
売上が急拡大していることを、試算表等で金融機関へ示すことができれば融資審査をクリアできる確率はかなり高くなります。
ただし、金融機関の融資は審査から実行まで1カ月~2ヶ月ほど時間がかかります。
予め、売上や支出を予想し、早め早めに金融機関に融資の相談ができるようにしましょう。
売上や支出の予想、管理には資金繰り表の作成がおすすめです。
資金繰り表の作成方法はこちらの記事を参考にしてください。
▶【初心者向け】経営者のための資金繰り表の作り方
原因3.売上の減少・コスト高騰
売上減少や原材料等の値上がりにより打撃を受けると資金繰りが悪化します。
販売不振による売上の減少はもちろんですが、感染症の世界的拡大や日本国外の紛争等で、想定していない急激な売上減やコスト高騰に見舞われることもあります。
固定費の見直し等に取り組みましょう。
売上が減少すれば資金繰りが悪化するのは当然です。
営業努力はすでに十分されているでしょうから、支出を抑えることに注力しましょう。
まず取り組むべきは固定費の見直しです。家賃や人件費等の固定費を削減できないか検討してください。
不採算事業を抱えているなら一度撤退することも有効です。
営業努力ではどうにもならないことが原因で、資金繰りが行き詰まることもあるため、日ごろから売上やコストの管理を怠らないようにしておきましょう。
原因4.過剰な投資
設備投資などの過剰な投資も資金繰り悪化の原因になります。
売上の増加に直接つながらないような、事務所の改装や建替えや、新商品の開発のための投資は特に注意が必要です。
売上を生む投資であれば、投資分は売上で回収できますが、売上に繋がらない投資や結果的に売上増加につながらなかった投資は、ただお金が出ていってしまっただけになりますので、資金繰りの悪化に直結します。
また、これから設備投資をする場合は、購入ではなくリースの利用も検討しましょう。
原因5.過剰在庫・不良在庫を抱えている
過剰在庫や不良在庫を抱えていると、資金繰りの悪化に繋がります。
売れなかった商品は、仕入のコストを支払っているのにも、支払った分を回収できていません。
その分の仕入れに回せる現金が少なくなり、資金繰りが悪化します。
「いつか売れる」と思い保管を続けていても、月日とともに商品の価値は下がってきますし、さらには在庫を保管するスペースにもお金がかかります。
大量の不良在庫により、管理が行き届かなくなってしまったり、新たな商品を保管するスペースがなくなるなどの不良在庫から招かれるコストが資金繰りの悪化に繋がります。
このような積み重ねが資金繰りを悪化させます。
在庫の管理を徹底しましょう。
在庫が放置されている原因は、在庫管理が徹底されていないためです。
在庫の出入りを正確に把握し、不良在庫にならないよう注意しましょう。
原因6.赤字経営が続いている
当然ですが、赤字経営が続くと、いつか手元の現金が枯渇し資金繰りが悪化します。
赤字に備えて資本金等を備えていたとしても、長引くといずれは底をつきてしまうでしょう。
具体的には「赤字事業の縮小・撤退」「経費の徹底的な削減」「生産性の向上」等です。
変化を伴わずして赤字体質から脱却する術はありません。今すぐに取り掛かりましょう。
原因7.資金繰りが管理できていない
資金繰りの管理不足が原因で気が付いたら資金繰りが悪化しているケースです。
順調に売上が伸びている間は、資金繰りを気にしなくても現金がなくなることはなかったかもしれませんが、売上が減少したり高額の出費が続いたりすると、知らぬ間に現金が枯渇してしまっている可能性があります。
資金繰り表を作成し、お金の流れを把握し具体的な資金繰り悪化の原因を見つけることから始めましょう。
資金繰り表とは、現金収支をまとめたものです。
貸借対照表や損益計算書とは違い、実際の現金の流れを表します。
資金繰り表が作成できれば、使いすぎている箇所や未回収の売掛金額といった項目が一目で分かるようになります。
資金繰りに行き詰まった原因も把握しやすくなりますので、ぜひ一度時間を取って作成してください。
資金繰り表の作成方法はこちらの記事を参考にしてください。
▶【初心者向け】経営者のための資金繰り表の作り方
2.まとめ
資金繰りの改善を実施するには、まず原因を探ることから始めましょう。
本記事で紹介したように、資金繰りが悪化する主な原因は7つのパターン分けることができます。
自社の状態がどれに当てはまるのか確認し、原因が分かったら、原因に合った改善方法を実践しましょう。
やみくもに、消費者金融や、ファクタリングなどを利用し資金調達をすることは避けてください。
資金繰りをさらに悪化させる可能性があります。
資金繰りの悪化の原因は1つとは限りません。
様々な要因が絡みあって資金繰りを悪化させている可能性もあります。
一度、専門家に相談することをおすすめします。
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