法人の銀行口座開設ロードマップ【全4フェーズ】

豚の貯金箱とお金

「法人の銀行口座開設には、審査があるらしい。」
「簡単には銀行口座の開設ができないらしい。」

なんて噂を聞いたことがあるのではないでしょうか?

確かに、近年マネーロンダリングやテロ資金供与防止のため、新規法人口座の開設を厳格化しています。
ですが、あまり心配しすぎる必要はありません。

きちんと事前の準備や銀行選びをしていれば、法人口座の開設も問題なく行えます。
今回は具体的な口座開設までの一連の流れから、審査に通すためのポイントや気を付けるべき注意点についてお伝えしていきます。

会社設立サポート

1.法人の銀行口座開設ロードマップ!【4フェーズ】

フェーズ1.口座開設を行う銀行を選ぶ

まずは、口座開設を行う銀行を選んでいきます。
法人設立時の銀行口座開設におすすめな金融機関は、「信用金庫」、「地方銀行」、「ネット銀行」です。
一方で利用を控えるべき銀行は、「メガバンク」です。

【銀行口座開設 金融機関特徴一覧】

金融機関特徴おすすめ度
信用金庫・法人口座の開設がしやすい
・地域が限られている
・融資等のサポートが充実している
地方銀行・法人口座の開設がしやすい
・地域が限られている
・店舗数が多い
・融資等のサポートが充実している
ネット銀行・法人口座が開設しやすい
・24時間365日利用可能
・窓口はない
・振込手数料が安い
・預金金利が高い
・会計ソフトと連携機能がある
メガバンク・法人口座開設の審査が厳しい
・融資の取引も難しい
・全国に支店、ATMがある
・信用力は高い
×

それぞれ詳しく解説していきます。

(1)信用金庫

法人設立時の、口座開設は「信用金庫」がおすすめです。
信用金庫は、地元での創業者には積極的に応援してくれます。
信用金庫とは、特定の地域の繁栄を図ることを目的とした協同組織の金融機関で、主な取引先は地域の中小企業や個人です。

口座の開設だけでなく、融資も積極的に取り組んでくれます。
その他にも、事業を続けていく上での様々なサポートをしてくれるため、是非お付き合いをしておきたい金融機関です。

(2)地方銀行

信用金庫の次におすすめなのは、「地方銀行」です。
地域に密着した経営方針を定めている銀行で、地方銀行の店舗数はそれなりに多くので、出店予定地の近くでも比較的見つけやすいことも特徴の1つです。

信用金庫と同様、親身になって相談にのってくれ、銀行口座開設の他、創業融資も実施しています。

(3)ネット銀行

ネット銀行での口座開設もおすすめです。
銀行窓口に出向く必要がなく、審査基準も他の銀行に比べて易しいのが特徴です。
ネット銀行は、振込手数料が割安であったり預金の金利が高いなどの特典も受けられます。
会計ソフトとの連携機能があったりと、法人設立後の経理処理などにも役立ちます。
窓口のある、信用金庫や地方銀行にプラスしてネット銀行の口座も一つ開設しておくことをおすすめします。

おすすめのネット銀行を3つ紹介します。

【おすすめのネット銀行】(2023年7月現在)

(1)SBIネット銀行
口座維持費用:無料
振込手数料(同一銀行間):無料
振込手数料(他金融機関):145円
特徴:新規口座開設する法人半数が創業間もない企業
   会計ソフト『freee』との連携サービス有り

(2)PayPay銀行
口座維持費用:無料
振込手数料(同一銀行間):55円
振込手数料(他金融機関):160円
特徴:Pay-easyマークのある税金等の支払が原則手数料無料で可能
   最大3,000件の総合振込サービスが利用可

(3)楽天銀行
口座維持費用:無料
振込手数料(同一銀行間):52円
振込手数料(他金融機関):150円~
特徴:その他の楽天サービスとの連携でお得に利用ができる。

(4)メガバンク

メガバンクでの銀行口座開設はおすすめしません。
信用金庫や地方銀行、ネット銀行に比べ審査が厳しいためです。
また、メガバンクは大企業を中心に取引をしているため、創業間もない小さな会社への関心は低いのです。
今後、融資などの取引も難しくなりますので、創業時に選ぶべき金融機関ではないと言えます。

フェーズ2.口座開設のための必要書類の準備

次に、口座開設ために必要な書類の準備をしていきます。
書類がしっかりそろっていれば、銀行口座の開設は比較的スムーズに行うことができます。

法人の銀行口座開設の為に必要な書類は以下の通りです。
ただし、金融機関によって必要な書類がことなりますので、事前に電話等で確認をしましょう。

【銀行口座開設 必要書類】
①登記簿謄本(履歴事項全部証明書)原本
②定款
③会社印
④法人の印鑑証明書
⑤代表者の実印
⑥代表者の印鑑登録証明書
⑦代表者の本人確認書類
⑧会社の運営実態のわかる書類

それぞれ詳しく解説していきます。

①登記簿謄本(履歴事項全部証明書)原本

法人の登記簿謄本とは、法人の登記情報が記載されている、法人の存在は証明する書類です。
会社設立を専門家に依頼した場合、事前に複数枚取得しています。
もし、手元にない場合は法務局の窓口で発行が可能です。
1通600円で取得できます。

②定款

定款とは、会社のルールが記載された書面です。
こちらも会社設立時に作成し、会社保管用として手元にあるはずです。
こちらの原本を持参しましょう。

③会社印

会社設立時に作成した会社印のセットを持参しましょう。
多くの場合、「会社の実印、銀行印、角印、社判」のセットで印鑑を作成しています。
法人の口座開設時には、会社の実印と銀行印、社判を使用します。

④法人の印鑑証明書

法人の印鑑証明書を持参します。(会社の実印の陰影が載っているもの)
法人の印鑑証明書は法務局の窓口で取得することができます。
「印鑑カード」が手元にある場合は、スムーズに取得することができます。
1通450円で取得できます。

⑤代表者の実印

法人の代表者個人の実印を持参します。
予め、市区町村に届け出ている必要があります。

⑥代表者の印鑑登録証明書

代表者個人の実印の印鑑登録証明書を持参します。
役所の窓口や、自治体によってはマイナンバーカードを使ってコンビニ等でも発行が可能です。
市区町村にもよりますがが、1通200~400円で取得できます。

⑦代表者の本人確認書類

代表者個人の本人確認書類を持参します。
原則顔写真付きの、免許書またはマイナンバーカードを持参します。
金融機関は、本人確認を厳格に行います。
顔写真付きの書類がない場合は、保険証や住民票の写し等複数の書類の提出を求められることがあります。
顔写真付きの書類がない場合は、あらかじめ金融機関に電話等で問い合わせるようにしましょう。

⑧会社の運営実態のわかる書類

会社の実態がわかる書類等を持参すると口座開設がスムーズになります。
金融機関は、会社の実態確認を厳格に行います。多くの場合、現地確認を行いますが、あらかじめ実態が証明できるような書類があると、口座開設がスムーズに実施されるケースがあります。

実態を証明する書類の一例は以下の通りです。

【会社の実態を証明する書類(一例)】

・オフィスの賃貸契約書
・事業計画書
・会社のHPを印刷したもの
・許認可等の証明書
・日本政策金融公庫の融資契約書
・オフィスの外観の写真(会社名、看板等が移っているもの)

銀行の通帳を確認する様子

フェーズ3.銀行口座開設の審査準備

次に、銀行口座開設の審査の準備をしていきます。
銀行口座開設の審査の基準は、明確には公開されていません。
また、金融機関によっても審査の基準は異なりますが、主に次のポイントを審査されています。

【銀行口座開設の審査基準】
・バーチャルオフィスで登記している
・法人の実態が確認できない
・資本金の額が50万円以下
・固定電話がない
・HPがない
・事業の目的が曖昧(登記簿謄本の事業目的が20以上ある)
・許認可が未取得

それぞれ詳しく開設します。

・バーチャルオフィスで登記している

バーチャルオフィスの場合、会社の実態が確認できない為、法人口座の開設を断られる可能性があります。
バーチャルオフィス等を利用した登記自体は認められていますが、法人の口座開設となると話が変わってきます。最近では、シェアオフィス、レンタルオフィスで事業をスタートする方も多いですが、これらの場合でも法人口座の開設を断られる可能性があります。
おすすめは、自宅住所で登記を行い、バーチャルオフィスやレンタルオフィス等を支店や事業所として登録する方法です。

・法人の実態が確認できない

銀行は、法人の実態を確認するために現地調査を実施します。
その際に、法人名での看板や標識がない場合、法人の実態が確認できないため、法人口座の開設を断られる可能性があります。
特に自宅で登記した場合は、忘れがちですので注意が必要です。
立派に看板を用意する必要はありません。
テプラ等のシールで自宅ポストや事務所ポストに会社名を提示しておく程度で問題ありません。

・資本金の額が50万円以下

資本金の額が50万円以下の場合、法人口座の開設を断られる可能性があります。
法人の設立は資本金1円からでもできるようになっていますが、資本金が50万円以下の場合、信用度が低く見られてしまいます。

・固定電話がない

固定電話がない場合、法人口座の開設を断られる可能性があります。
信用度が低く見られてしまうためです。

・HPがない

会社のHPがない場合、法人口座の開設を断られる可能性があります。
固定電話の有無と同様、信用度が低く見られてしまうためです。

・事業の目的が曖昧(登記簿謄本の事業目的が20以上ある)

登記簿謄本の事業目的が20種類以上あり事業目的が曖昧な場合、法人口座の開設を断られる可能性があります。

・許認可が未取得

事業を実施するための許認可等が未取得の場合、法人口座の開設を断られる可能性があります。
運送業や、介護事業など許認可が必要な事業は、許認可取得後でないと基本的に口座開設することはできません。

以上が、銀行の口座開設の審査の基準です。
銀行は、総合的に判断し口座開設の可否を判断しています。
上記の中の一つがクリアできないからと言って、絶対に口座開設ができないわけではありません。

フェーズ4.銀行口座開設のために窓口へ

必要書類の用意と審査への対策ができたら、銀行窓口に出向き窓口担当者の指示に従い書類を記載しましょう。
銀行口座の開設は、原則当日中にはできません。
書類を提出し、銀行内での審査が実施されます。(約1週間程度)
そして後日、口座開設の可否の連絡が入り、再度銀行窓口に出向き口座開設の手続きとなります。
口座開設の手続きを実施すると、原則その日のうちに通帳を受け取ることができます。
キャッシュカードは、当日発行可能なケースが後日郵送となるケースもありますので、各金融機関に確認をしてください。

会社設立サポート

2.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、法人の銀行口座の開設について開設してきました。

スムーズに銀行口座を開設するポイントは次のとおりです。

①法人の銀行口座が開設しやすい金融機関を選ぶ
 おすすめは、信用金庫、地方銀行、ネット銀行

②口座開設に必要な書類を準備しておく

③法人の銀行口座開設の審査の基準を理解し対策をしておく

近年、法人の銀行口座の開設は厳しくなってきています。
もし、口座開設を断られてしまっても1か所であきらめず、金融機関を変更してチャレンジしてみてください。

効率よく銀行口座を開設し、事業をスタートしていきましょう。

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