融資の相談を受けていると
「融資金の使い道について何か証拠の提出は必要?」
「使い道について融資後に調査されることはあるの?」
このような質問を受けることがあります。
銀行や信用金庫の場合、設備資金で融資を受けると必ず領収書等の提出が求められ、設備資金の資金使途は厳格に管理されます。
では、日本政策金融公庫の場合はどうなのでしょうか?
融資の専門家が日本政策金融公庫の融資の実態を解説していきます。
1.設備資金の融資については調査が行われる可能性あり
日本政策金融公庫の場合、必ず融資後に調査が行われるわけではありませんが、融資金は絶対に申請した通りに使用してください。
日本政策金融公庫で設備資金の融資を受けた場合、設備購入時の領収書等の証拠書類の提出は基本的には求められていません。
ですが、融資額が大きい場合等は領収書の提出や資金使途の調査が行われる可能性があります。
設備資金として借りた融資金を設備の購入以外に運転資金として使ったり、私的に流用するなど申請通りに融資金が使用されていない場合、資金使途違反になり今後融資をしてもらえなくなったり、最悪の場合一括返済の求められる可能性があります。
融資後の調査は、融資直後に行われるケースもありますが2回目の融資申し込み時に実施されるケースもあります。
ここで資金使途違反が発覚すると、当然2回目の融資は断られてしまいます。
2.融資後の調査でみられる4つのポイント
融資後の調査では、次の4点を中心に、申請通り融資金を使用しているか確認されます。
2-1.固定資産台帳
一般的に使用可能期限が1年を超え、取得価格が一定以上の金額のものは固定資産台帳への記載が必要になります。
設備資金として融資を受けるものの多くは、固定資産に該当することが考えられますので、設備資金として申請していたものを購入していないと、固定資産台帳への記載がないことから資金使途違反が発覚します。
固定資産台帳への計上の有無は、専門家に確認してください。
2-2.領収書
領収書や見積書も当然チェックされます。
領収書や見積書は、日本政策金融公庫に申請した金額で設備を購入していることの証明になります。
領収書を紛失した場合は再発行できないか業者に確認しましょう。
2-3.口座振替明細
通帳の明細から申請通りの設備資金の支払いが実施されたことを確認されます。
2-4.決算書
融資後に調査が実施される場合、必ず決算書の提出が求められます。
決算書は、見る人が見れば怪しい点はすぐにわかるからです。
怪しいお金の動きは、隠せないものです。
もし融資金が余ったら?
予定していた金額より設備の購入が安く済み、設備資金として借りた融資金が余った場合、まずは日本政策金融公庫の担当者に相談をしてください。
原則、余った分は返済になりますが、差額の程度によって対応が変わるようです。
3.まとめ
日本政策金融公庫の融資後、必ずではありませんが、申請通り融資金が使われているかの調査が入る可能性があります。
多額の設備資金を借り入れた場合、調査が行われる可能性が高くなります。
「申請通りに融資金を使う」これが大原則です。
上手くごまかそうとしても、固定資産台帳や決算書等で必ずバレてしまいます。
資金使途違反をした場合、今後融資が受けられない、最悪の場合一括返済を求められる可能性があります。
お金の貸し借りはお互いの信用の上で成り立っていることを忘れないようにしましょう。
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