
「無担保・無保証で、低金利の融資が受けられる制度がある」と聞いて、
「それって本当に使えるの?」「自分にも申し込めるの?」と気になっていませんか?
事業を始めてしばらく経ち、次のステップへ進むために資金が必要。
そんなときに注目されているのがマル経融資(小規模事業者経営改善資金)です。
この制度は、商工会議所のサポートを受けながら申請を進めることができ、低金利・無担保・無保証で最大2,000万円まで借りられるという、小規模事業者にとって非常に心強い融資制度です。
ただし、利用には6か月以上の経営指導など、一定の準備期間が必要になるため、注意点や他の融資制度との違いを事前に理解しておくことが成功のカギとなります。
この記事では、マル経融資の仕組みからメリット・デメリット、利用条件、申請の流れ、さらには他の資金調達制度との比較まで、わかりやすく丁寧に解説します。
「どの制度を使えばいいかわからない…」という方に向けて、資金調達の専門家が最適な選択をサポートいたしますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.マル経融資とは?初心者にもわかる基本解説
結論:マル経融資は「無担保・無保証」で最大2,000万円まで借りられる、商工会議所サポート付きの心強い融資制度です。
正式名称は、「小規模事業者経営改善資金」です。
これは、小規模事業者の経営を支援するために、商工会議所と日本政策金融公庫が連携して実施している制度で、全国どこでも利用できます。
マル経融資の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
利用できる人 | 商工会・商工会議所・商工会連合会の実施する経営指導を受け、商工会・商工会議所等の長の推薦を受けた方 |
融資限度額 | 最大2,000万円 |
金利 | 1.8%台(固定金利)※令和7年6月2日現在、年利% |
返済期間(うち据置期間) | 運転資金・設備資金共に、10年以内(2年以内) |
担保・保証人 | 原則不要 |
対象者 | 小規模事業者(従業員数の制限あり。) |
実施主体 | 日本政策金融公庫(申込先)+ 商工会議所(推薦) |
📌ポイントは「商工会・商工会議所等の推薦」が必要な点
マル経融資の大きな特徴は、「商工会・商工会議所等の推薦」が必要という点です。
これは単なる紹介ではなく、6か月以上の経営指導を受けたうえで、経営改善計画を一緒に立てていくプロセスを含みます。
この推薦があることで、日本政策金融公庫の審査でも信頼性が高まり、有利に働くことがあります。
「審査が甘い」ということではなく、事前に商工会等の審査をしっかりクリアしているからこそ通りやすいのです。
とはいえ、指導員のサポートを受けながら準備できるため、初心者でも安心して取り組めます。
つまり、商工会議所があなたの事業の「後ろ盾」になってくれるのです。
次章では、マル経融資の「メリット」と「デメリット」を整理して、他の制度との違いを明確にしていきます。
2.マル経融資のメリットとデメリット
結論:マル経融資は「低金利・無担保」で利用できる魅力的な制度ですが、時間と手間がかかる点には注意が必要です。
マル経融資は、他の融資制度と比べても非常に好条件な制度です。
ただし、手続きの流れやスケジュール感を知らずに申し込むと、「こんなに時間がかかるの?」と後悔してしまうケースも。
ここでは、マル経融資の「良い点」と「注意すべき点」を、事前にしっかり押さえておきましょう。
2-1. マル経融資のメリット
①金利が低い
低金利で融資を受けることが出来ます。
令和7年6月2日現在の金利は、1.80%。
日本政策金融公庫の、他の無担保融資の基準金利が令和7年6月2日現在、2.7~4.3%となっていますので、圧倒的に低金利で融資が受けられることがわかります。
②無担保・無保証人で借りられる
一般的な銀行融資では、「不動産などの担保」や「保証人」が求められることが多いですが、マル経融資では原則不要です。
③最大2,000万円まで借りられる
「小規模事業者向け=少額」というイメージを持たれがちですが、上限は2,000万円と比較的高額。
運転資金だけでなく、設備投資にも十分対応できます。
④商工会議所のサポートが受けられる
融資の申請には、商工会議所の推薦が必要です。
このプロセスの中で、経営計画の見直しや資金計画の立て直しなど、専門家からの経営支援を受けられるのが大きなメリットです。「いきなり金融機関に行くのが不安…」という方にも安心です。
⚠️ 2-2. マル経融資のデメリット
① 融資までに時間がかかる
マル経融資の最大の注意点は、融資までに時間がかかることです。
原則として、「商工会議所(または商工会)の経営指導を6か月以上受けた事業者」が対象となるため、申し込みまでに最低でも半年の準備期間が必要です。
さらに、その後に日本政策金融公庫へ申し込んでから、審査・融資実行までに1~2か月かかるのが一般的です。
👉 全体で約8か月かかると見込んで、早めに動き出すことが重要です。
② 商工会議所とのやり取りが必須
推薦を得るためには、定期的な面談や書類の提出などの手間がかかります。
形式的な流れではなく、「この事業は本当に成長できるか」を一緒に確認していくプロセスになるため、時間と労力はそれなりに必要です。
③創業直後には利用できない
原則として、開業から1年以上が経過していないと利用できません。
創業したばかりの方にとっては、この制度はすぐに使える選択肢ではないため、創業融資(新規開業・スタートアップ資金)など他の創業融資制度を検討する必要があります。
(※他の融資制度については7章で解説しています。)
🧭 こんな人にぴったりです。
マル経融資は、以下のような方におすすめです。
・無担保・無保証で、低金利の融資を受けたい方
→ 担保を用意できない、保証人を立てたくない方でも利用可能
・すぐにお金が必要というより、数ヶ月かけて計画的に準備できる
→ 商工会議所で6か月間の指導を受けた上で、しっかり準備したい方
・経営やお金の管理に不安があり、専門家と一緒に進めたい方
→ 商工会議所の経営指導を通じて、事業計画や資金繰りを見直したい方
3.マル経融資の条件|利用できる人・業種・注意点
結論:マル経融資を利用できるのは「小規模事業者」で、一定の業種・従業員数などに条件があります。
「良さそうな制度だけど、自分も使えるの?」そう思った方は、この章で確認してみましょう。
マル経融資は、誰でも申し込めるわけではなく、“小規模事業者”としての要件を満たすことが前提となっています。
要件を満たしていれば、法人、個人事業主を問わず利用することができます。
以下に具体的な条件をわかりやすくまとめます。
3-1. 小規模事業者の定義(対象者)
小規模事業者向けの融資制度であるため、従業員数の制限があります。
業種によって、従業員数の上限が異なります。
業種 | 常時使用する従業員数の上限 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
製造業・建設業・運輸業・その他 | 20人以下 |
3-2. その他の主な利用要件
事業の規模の他にも以下の要件があります。
要件 | 内容 |
---|---|
商工会議所の地区内で1年以上事業を営んでいること | 事業実績が1年以上必要 |
商工会議所の経営指導を6か月以上継続して受けていること | 原則として6か月の経営支援が必要 |
納税をきちんと行っていること | 所得税、法人税、事業税及び都道府県民税、市町村民税を完納している。 |
3-3. よくある注意点・落とし穴
・開業から1年未満の人は原則対象外
→創業融資としての活用はできません。
・商工会議所等の会員になる必要がある
→経営支援を受けるためには、商工会議所等の会員となる必要があります。
年会費は地域にもよりますが、1万円~2万円です。
マル経融資のような制度の利用ができるだけでなく、経営相談や商談会への参加など、会員限定のサービスが受けられたり、地域での人脈構築にも役立ちます。
・金融事故・滞納歴があると審査に影響
→ 既存の借入や、代表者個人の信用情報に問題があると、そもそも融資審査の土台に乗らなくなってしまいます。
「自分も使えるのかな?」と思ったら、まずは商工会議所へ相談を
マル経融資を検討するなら、まずは管轄の商工会議所または商工会への相談が第一歩です。
「推薦を受けられるか?」「条件に当てはまっているか?」「今からでも間に合うか?」といった不安も、無料で丁寧に相談に乗ってもらえます。
予約やWeb受付に対応している地域も多く、会員でなくても気軽に申し込めるので、迷ったら早めに連絡してみましょう。
4.マル経融資の申請から融資実行までの流れ
結論:マル経融資の流れは「商工会議所での相談」から始まり、「日本政策金融公庫での審査」を経て、融資が実行されます。ポイントは、早めに動くことです。
マル経融資の特徴は、商工会議所と日本政策金融公庫(公庫)の“2段階プロセス”で進む点にあります。
特に最初の「商工会議所での相談」から始めるのが、通常の融資とは違うところです。
【融資実行までの基本ステップ】
ステップ | 内容 |
---|---|
Step 1 | 商工会議所等に相談 |
Step 2 | 経営指導を受ける (6か月以上) |
Step 3 | 商工会議所が推薦書を発行 |
Step 4 | 日本政策金融公庫に融資申込 |
Step 5 | 日本政策金融公庫による審査(1ヶ月程度) |
Step 6 | 融資の決定・実行(約1週間程度) |
Step1.商工会議所等に相談
マル経融資を受けたいと思ったら、事業を営んでいる地域を管轄する商工会議所等へ相談に出向きましょう。事前に電話で予約をするとスムーズです。
商工会議所は、主に特別区及び市を担当、商工会は主に町や村の地域を担当しています。
合併などにより異なるケースがあります。
管轄の商工会議所は下記URLより検索できます。
Step2.経営指導を受ける (6か月以上)
6か月以上にわたり、商工会議所等で継続的に経営指導を受ける必要があります。
この経営指導では、経営・資金繰り・税務・労務など、経営全般について個別のアドバイスを受けることができます。
Step3.商工会議所が推薦書を発行
6か月以上の経営指導を受けた後に、商工会議所に推薦書を発行してもらいます。
推薦にあたって、商工会議所等が審査会を実施します。
融資審査の一部とも言えますが、形式的な面談や書類審査があるわけではなく、経営指導に対する姿勢や指導による改善行動を取っているかどうか、決算書の内容などを見られています。
経営指導も、融資審査の一部と考え真剣に取り組みましょう。
Step4.日本政策金融公庫に融資申込
推薦を貰ったら、いよいよ日本政策金融公庫へ融資の申込を行います。
申込に必要な書類は、基本的に以下の通りです。
提出書類の内容は複雑ではなく、商工会議所や商工会のサポートを受けながら準備すれば、初めての方でも問題なく進められます。
【必要書類一覧】
書類名 | 内容・備考 |
---|---|
借入申込書 | 日本政策金融公庫の所定フォーマット |
商工会議所の推薦書 | 商工会議所が作成してくれる |
事業計画書 | ※1,500万円超の融資を希望する場合 |
試算表または決算書(直近) | 個人:直近1〜2期分の確定申告書 法人:直近1〜2期分の決算書 |
残高試算表 | 決算後6か月以上経過している場合 |
設備投資の場合の見積書 | 設備資金を申請する場合のみ必要 |
履歴事項全部証明書 | ※法人のみ |
納税を証明するもの | (法人) 法人税・法人住民税・事業税の領収書または納税証明書 (個人事業主) 所得税・住民税・事業税の領収書または納税証明書 |
※上記の他にも、必要に応じて追加書類の提出を求められることがあります。
Step5.日本政策金融公庫による審査(1ヶ月程度)
書類を提出したら、日本政策金融公庫による審査が行われていきます。
通常の融資とは異なり、事業者と日本政策金融公庫の担当者との面談は省略され、商工会議所等の経営指導員と、日本政策金融公庫の担当者がやり取りを進める形になります。
ここまで進むと、基本的に事業者は、審査の結果を待つだけとなります。
Step6.融資の決定・実行(約1週間程度)
日本政策金融公庫の審査をクリアすることができたら、晴れて融資実行です。
審査の結果は、商工会議所等の経営指導員を経由して連絡がきます。
その後、融資契約の手続きを行い指定した口座へ融資金が入金となります。
マル経融資は、商工会議所での経営指導を受けるという独自のステップがある一方、書類の準備も複雑すぎず、商工会議所等の経営支援を受けながら進められる制度です。
融資実行までには一定の時間がかかるため、余裕をもって早めに動くことが成功のカギになります。
ただし、マル経融資は「6か月以上の継続的な指導」などの条件があるため、創業直後や急ぎで資金が必要な方には適さないケースもあります。
そこで次章では、マル経融資以外の資金調達手段についても解説していきます。
5.マル経融資以外の資金調達方法
結論:マル経融資は魅力的な制度ですが、すべての人にとって最適とは限りません。
他の制度も比較検討することで、よりスムーズかつ柔軟な資金調達が可能になります。
マル経融資は、「低金利・無担保・公的サポートあり」とメリットが大きい一方で、準備に時間がかかるというデメリットもあります。
ここでは、マル経融資以外にも活用できる主な資金調達手段を2つ紹介し、それぞれの特徴と向いている人をわかりやすくまとめます。
5-1. 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金(創業融資)」
これから起業する方や、開業間もない方に特化した公的融資制度です。
開業間もないと言っても、開業7年以内の創業者も利用することができます。
こちらも、無担保・無保証での借入が可能であるため、スタートアップの資金調達に向いています。
融資申し込みから実行までスムーズにいけば1ヶ月程度で完了となるためスピード感のある資金調達が可能です。
ただし、創業計画書の作り込みや、面談対策など融資の審査を通過するためにはコツが必要です。
税理士など、創業融資に強い専門家の支援を受けることをオススメします。
【新規開業・スタートアップ支援資金(創業融資)の概要】
項目 | 内容 |
---|---|
利用できる人 | 開業前または開業7年以内の創業者 |
融資限度額 | 最大7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
金利(年利) ※令和7年6月2日現在 | 2.8~4.3% ※基準金利(事業開始後税務申告を2期終えていない方は、原則として0.65%引き下げ) |
返済期間(うち据置期間) | 設備資金:20年以内(5年以内) 運転資金:原則10年以内(5年以内) |
担保・保証人 | 原則不要 |
融資までの期間 | 申請から1か月程度 |
その他の特徴 | 創業支援に特化。事業の立ち上げ資金に向く |
日本政策金融公庫の創業融資について詳しくはこちら
▶日本政策金融公庫の創業融資|保存版完全ガイド
5-2.信用保証協会付き融資(制度融資を含む)
小規事業者や中小企業が銀行や信用金庫から融資を受ける際の最もポピュラーな融資制度です。
保証協会付き融資とは、信用保証協会が“公的な保証人”となって、金融機関からの融資を受けやすくする制度です。
保証協会付き融資に、地方自治体による支援(利子補給・保証料補助など)が加わったものが、「制度融資」と呼ばれます。
融資申し込みから実行までは、1ヶ月半~2ヶ月程度。
こちらも、事業計画書の作り込みや、面談対策など融資の審査を通過するためにはコツが必要です。
税理士など、創業融資に強い専門家の支援を受けることをオススメします。
【信用保証協会付き融資(制度融資を含む)の概要】
項目 | 内容 |
---|---|
利用できる人 | 中小企業・個人事業主 (創業時や事業拡大時) |
融資限度額 | 一般的に2,000万〜3,000万円程度(保証枠により変動) |
金利(年利) ※令和7年6月2日現在 | 制度によって異なる(2~3%台中心/保証料が別途必要) |
返済期間(うち据置期間) | 制度によって異なる。 設備資金:10年以内(1年以内) 運転資金:7年以内(1年以内) |
担保・保証人 | 代表者保証 |
融資までの期間 | 1か月半〜2か月程度(保証協会と金融機関の両方の審査が必要) |
その他の特徴 | 地方自治体の制度融資にも多く活用。地域支援と連動しやすい |
保証協会付き融資について詳しくはこちら
▶保証協会付き融資とは?プロパー融資との違いを比較解説!
マル経融資・創業融資・保証協会付き融資の比較表
マル経融資、日本政策金融公庫の創業融資、保証協会付き融資の概要を比較してみましょう。
比較項目 | マル経融資(小規模事業者経営改善資金) | 日本政策金融公庫の創業融資(新規開業スタートアップ資金など) | 信用保証協会付き融資(制度融資含む) |
---|---|---|---|
利用できる人 | 開業1年以上の小規模事業者(法人・個人) | 開業前または開業7年以内の創業者 | 中小企業・個人事業主 (創業時や事業拡大時) |
融資限度額 | 最大2,000万円(運転資金・設備資金含む) | 最大7,200万円(うち運転資金4,800万円) | 一般的に2,000万〜3,000万円程度(保証枠により変動) |
金利(年利) ※令和7年6月2日現在 | 1.8% | 2.8~4.3% ※基準金利 | 制度によって異なる(2~3%台中心/保証料が別途必要) |
返済期間(うち据置期間) | 運転資金・設備資金共に、10年以内(2年以内) | 設備資金:20年以内(5年以内) 運転資金:原則10年以内(5年以内) | 制度によって異なる。 設備資金:10年以内(1年以内) 運転資金:7年以内(1年以内) |
担保・保証人 | 原則不要 | 原則不要 | 代表者保証 |
融資までの期間 | 6か月以上の経営指導+1か月程度の審査 | 申請から1か月程度 | 1か月半〜2か月程度(保証協会と金融機関の両方の審査が必要) |
その他の特徴 | 経営改善・再建向け。金融の基礎を学びながら申請できる | 創業支援に特化。事業の立ち上げ資金に向く | 地方自治体の制度融資にも多く活用。地域支援と連動しやすい |
✅ 選び方のポイント
3つの融資制度を比較した上でどれを選択するべきかは、以下のポイントを参考にしてみてください。
「自分の事業フェーズに合っているか」「どれだけ時間をかけられるか」「将来的にどんな金融機関と関係を築きたいか」といった視点で選ぶことが重要です。
目的に合った制度を選べば、資金調達はもっとスムーズに、そして戦略的に進められます。
💡 すでに事業を開始していて、経営改善や資金繰り支援をじっくり進めたい場合→ マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
商工会議所での経営指導を6か月以上受ける必要があり、申請までに時間がかかる(最短でも8か月程度)のが大きな特徴です。
その分、金利が非常に低く、保証人・担保も不要という大きなメリットがあります。
長期的な経営改善を目的とした小規模事業者に最適です。
💡 これから起業する、または起業直後で早めに資金調達したい場合→ 日本政策金融公庫の「新規開業スタートアップ資金」
申込から実行まで比較的スピーディ(1か月程度)
無担保・無保証人
創業前、1年目から利用できる。スピードと柔軟性を重視したい創業者に適しています。
💡 自治体支援や地域金融機関との連携を重視したい場合→ 信用保証協会付き融資(制度融資)
銀行・信用金庫などと、保証協会の審査が必要になるため、一般的には1〜2か月程かかります。
民間の金融機関との関係構築を重視したい人には有効な選択肢です。
- 信用保証料がかかる点や、代表者保証の有無などの条件も事前確認が必要です。
6.まとめ|マル経融資を賢く活用するために
結論:マル経融資は、時間をかけてしっかり準備できる小規模事業者にとって、低金利・無担保で安心して利用できる制度です。
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、他の融資制度にはない大きなメリットを持つ一方で、「時間がかかる」「創業直後は使えない」といった制約もあります。
そのため、自分の事業フェーズや資金ニーズに応じて、本当にこの制度が最適かを見極めたうえで利用することが重要です。
特に次のような方には、マル経融資の活用が強くおすすめです。
✅ マル経融資が向いている方
・開業から1年以上が経過し、今後の経営改善や成長のために計画的に資金を調達したい
・保証人や担保を用意せず、低金利で借入をしたい
・経営やお金の管理に不安があり、専門家のサポートを受けながら申請を進めたい
逆に、「すぐに資金が必要」「創業して間もない」という方には、日本政策金融公庫の創業融資や信用保証協会付き融資(制度融資)といった、よりスピーディな資金調達制度が適しています。
いずれの制度を選ぶにせよ、「早めの行動」と「正確な情報収集」が成功のカギです。
まずはご自身だけで悩まず、専門家に相談がおすすめです。
マル経融資をはじめとした公的融資制度には、それぞれ特徴や適したタイミングがあります。
融資制度の選定から、金融機関との連携、申請書類の作成サポートまで、あなたの資金調達を一貫してサポートいたします。
資金調達は、「借りること」ではなく「事業を前に進めるための戦略」です。
制度を上手に活用し、安心・安定した経営の土台を築いていきましょう。
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