【2024年最新】日本政策金融公庫 創業融資がリニューアル!4つの主な変更点

【2024年最新】日本政策金融公庫 創業融資がリニューアル!4つの主な変更点

2024年度から、創業者向けの融資制度が大幅に拡充されました。
拡充されたことにより、創業融資が活用できる可能性が大きく広がりました。

これから創業する方だけでなく、以前創業融資の活用を諦めてしまった方や、創業から2年以内の方は、是非この機会に今一度、創業融資の活用を検討してみてください。

この記事では、どのような変更が加えられたのか、そして実際に創業者にとってどのような影響があるのか、融資の専門家の目線で解説します。


1.日本政策金融公庫 創業融資の4つの変更点

2024年度より、日本政策金融公庫の創業融資制度がリニューアルしました。
主な変更点は、次の通りです。

2023年3月まで
2024年度4月1日以降(令和6年度)
自己資金要件創業資金総額の10分の1以上の自己資金があることなし
融資限度額3,000万円
(うち運転資金1,500万円)
7,200万円
(うち運転資金4,800万円)
返済期間設備資金:20年以内
運転資金:原則7年以内
設備資金:20年以内
運転資金:原則10年以内
据置期間設備資金2年以内
運転資金2年以内
設備資金5年以内
運転資金5年以内

それぞれ詳しく解説していきます。

1-1.自己資金要件の撤廃

2023年度まで2024年度
自己資金要件創業資金総額の10分の1以上の自己資金があることなし

2024年度から、日本政策金融公庫による創業融資の自己資金要件が撤廃されました。
従来、創業資金の総額の10分の1以上の自己資金が必要でしたが、この変更により理論上は自己資金がゼロでも創業融資の申し込みが可能となりました。
ただし、融資が実際に受けられるかどうかは別問題です。

自己資金がゼロの場合、融資を受けるのは非常に難しいでしょう。
融資を成功させるためには、創業資金の総額の3分の1以上の自己資金が用意されている状態が望ましいです。

1-2.融資限度額が7,200万円にアップ

2023年度まで2024年度
融資限度額3,000万円
(うち運転資金1,500万円)
7,200万円
(うち運転資金4,800万円)

2024年度から、融資の限度額が7,200万円(うち運転資金4,800万円)に増額されました。
しかし、実際のところ、7,200万円満額融資を受けることは、かなり難しいでしょう。

実際に、創業時に受けられる融資額の目安は1,000万円程です。
1,000万円以上の融資が受けられるケースは非常に稀なのです。

制度上の融資限度額は大幅に増額されましたが、実務上大きな影響はないと言えます。

1-3.運転資金の返済期間が最大10年に延長

2023年度まで2024年度
返済期間設備資金:20年以内
運転資金:原則7年以内
設備資金:20年以内
運転資金:原則10年以内

2024年度から、運転資金の返済期間を最大10年まで設定できるようになりました。
返済期間が長くなることにより、返済回数が増えるため、毎月の返済額を減らすことが可能です。
以下のようなメリットがあります。

資金の余裕: 創業時に予期せぬ出費が発生した場合でも、資金に余裕があるため対応しやすくなります。
●柔軟な投資: 返済の負担が少なくなることで、現金を事業の成長に必要な投資に回すことができます。
●返済不能リスクの軽減:市場環境が不安定な時や収入が減少した場合でも、返済が負担になりにくいため、返済不能や資金繰りの危機を避けやすくなります。

返済期間を長期に設定し、毎月の返済額を少額に抑えることは、安定した経営につながるため、今回の制度の変更は創業者にとってメリットと言えます。

ただし、返済期間が長くなるということは、利息の負担が増える事になります。

1-4.据置期間が5年まで設定可能に

2023年度まで2024年度
据置期間設備資金2年以内
運転資金2年以内
設備資金5年以内
運転資金5年以内

2024年度より、融資の返済の据置期間が最大5年まで設定可能となりました。
据置期間とは、元金の返済はせず利息のみを払っていく返済の猶予期間のことです。
創業してすぐは、思うように売上が上がらなかったり、売上の入金まで時間がかかるケースもありますので据置期間を設けることをおすすめしています。

今回の変更により、最大5年まで設定することが可能となりましたが、実際のところ5年間の据置期間が設けられるケースは非常に稀だと考えられます。

また、据置期間を長くしてしまうと、次の追加融資が受けられるようになるまで時間がかかってしまいます。
1度も返済をしていない状態での追加融資は非常にハードルが高くなるためです。

おすすめは、半年~1年程度です。
創業から半年の間に、事業を軌道に乗せ、返済をスタートしていく計画が最も理想的です。


2.まとめ

いかがでしたでしょうか?
創業融資制度の主な変更点は、以下の通りです。

1.自己資金要件の撤廃
2.融資限度額が7,200万円にアップ
3.運転資金の返済期間が最大10年に延長
4.据置期間が5年まで設定可能に

自己資金要件の撤廃、融資限度額の大幅増額など、創業者にとって嬉しいリニューアルのように見えますが、融資の専門家目線で見ると、従来と大きな変更はないと考えています。
創業融資の要件が甘くなったと考えるのは、早計でしょう。

ですが、創業融資は、無担保無保証人で資金調達ができたり、融資実行まで約1か月とスピード感があり創業時には是非活用したい制度であることは変わりありません。
有効活用し、事業をスタートさせていきましょう。

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