日本政策金融公庫における融資決定後~入金までの流れを解説!

融資の入金を待つ男性

本記事では日本政策金融公庫の融資決定後の融資金の入金までの流れについて解説いたします。

融資決定の結果連絡が入ったからと言って何もしないでいると、融資金はいつまでも入金されません。

本記事に沿って、融資入金までにするべきことや必要書類等をご確認し、スムーズに融資の入金まで完了させましょう。


1.日本政策金融公庫の融資決定後から入金までの流れ

日本政策金融公庫の融資面談が終了すると、そこから約1~2週間、審査の期間となります。
審査の期間を経て、融資の結果の連絡が入ります。
今回は、融資の結果の連絡から、融資金が入金されるまでの一連の流れを解説していきます。
必要な作業が完了しなければ、いつまで経っても融資金は入金されませんので注意してください。

融資決定後から入金までの流れは以下の通りです。

融資決定後から入金までの流れ

それぞれ解説していきます。

1-1. 融資審査結果の連絡(電話と正式な契約書類の到着)

融資面談から1~2週間後に融資審査の結果が連絡されます。
融資が決定した場合は「電話連絡+書類の郵送」、融資不可の場合は「電話または郵送で連絡」となります。
融資が決定した場合に送られてくる書類は、融資の契約の為に重要な書類が入っていますので、絶対に紛失しないようにしましょう。
契約書類について詳しくは後述します。

もし面談日から1ヶ月を過ぎても融資可否の連絡がない場合は何かしらの不備等が考えられますので、日本政策金融公庫の担当者へ連絡し確認を取りましょう。

1-2.契約に必要な書類の準備

融資決定の連絡を受けたら、書類の準備を始めましょう。
用意すべきものは以下の3点です。

①印鑑証明書

市区町村または法務局に登録した印鑑の証明書を用意します。
日本政策金融公庫から送られてくる「ご融資のおしらせ」に記載されている「融資日」からさかのぼって3カ月以内に取得した印鑑証明書が必要です。
連帯保証人がいる場合は、連帯保証人の印鑑証明書も必要になります。
個人事業主の場合と、法人の場合で取得方法が異なります。
それぞれ解説していきますので、該当の項目を参考にしてください。

<印鑑証明書の取得方法(個人事業主の場合)>
既に個人事業主本人の実印の印鑑登録を行っている場合は、市区町村の窓口や、自治体施設に設置してある証明書発行機で取得が可能です。
また、マイナバーカードを持っている方は、マイナンバーカードを使ってコンビニのマルチコピー機で取得ができます。
発行手数料は200〜300円です。
印鑑登録を行なっていない場合は、市区町村窓口に登録したい印鑑を持参し印鑑登録の手続きしましょう。
印鑑登録手続きは当日中に完了、その場で印鑑証明書が入手できます。

<印鑑証明書の取得方法(法人の場合)>
法務局の窓口や法務局備付けの証明書発行請求機、郵送、オンライン申請の4パターンで取得できます。
法務局の窓口、または法務局備付けの証明書発行請求機で取得する方法が、確実かつ迅速でおすすめです。
法人の印鑑カードと手数料450円を忘れずに持参してください。
多くの場合、会社設立時に会社の実印登録を行っており、下記のような「印鑑カード」が手元にあるはずですが、会社の実印の登録が済んでいない場合は、法務局で会社の実印登録の申請と印鑑カードの交付申請が必要になります。
会社の実印登録の際には、会社の実印の他、会社代表者個人の実印及び個人の印鑑証明書が必要となります。

3.法務局印鑑カードの見本

②送金先口座の通帳コピー

融資金を送金してもらう口座の通帳コピーを用意します。
下記の画像の様に表紙と見開き1ページ目(口座番号等が記載されているページ)をコピーしてください。
送金先の銀行として指定できる銀行は、基本的に実店舗のある銀行の口座です。
基本的に、ネット銀行を送金先に指定することができませんが、2023年2月より、GMOあおぞらネット銀行のみ、送金先及び融資の返済口座として登録ができるようになりました。
今後、対応するネット銀行も増えていくことが予想されます。

まだ、事業用の銀行口座を開設していない場合は、借用証書等、日本政策金融公庫から送られてきた書類一式と、法人の謄本・定款・銀行への登録印等を銀行窓口に持参し、「日本政策金融公庫からの融資の送金先として事業用口座の開設がしたい。」と伝えて口座開設の手続きをお願いしてください。
銀行の口座開設は審査が年々厳しくなってきていますが、日本政策金融公庫の融資書類があると、銀行口座の開設がスムーズに行える可能性があります。
銀行口座開設時に必要な書類については、銀行によって異なりますので、事前に電話等で問合せてください。

5.送金先口座の通帳コピーの見本

③収入印紙

収入印紙を準備します。
収入印紙の額は融資額によって金額が異なります。
日本政策金融公庫から送付される「借用証書」に正確な金額が記載されていますので、契約書類の到着を待ってから取得しましょう。

100万円超500万円以下の場合、収入印紙2千円、500万円超1,000万円以下の場合、収入印紙1万円です。
収入印紙は、郵便局で購入することができます。
コンビニでも収入印紙は売っていますが、200円の収入印紙のみの取り扱いになりますので注意してください。
収入印紙は、必ず「1枚」で指定の金額分の印紙を用意するようにしてください。
下記画像の様に、収入印紙の貼り付け箇所は1か所のみになっています。

2.収入印紙貼り付け箇所

 

1-3.契約書類の記入

日本政策金融公庫から送られてくる書類は、融資の契約の為に必要な重要な書類です。
送られてきた書類を記入し、返送することで融資金が入金されます。
内容を確認しながら誤りのないよう記入しましょう。

①借用証書

融資の契約書です。下記のような書類が封入されています。

1.日本政策金融公庫の借用証書の見本

②預金口座振替利用届

返済用口座を設定する書類です。下記のような書類が封入されています。

預金口座振替利用届

返済用口座には、借主名義の口座を指定してください。
妻や子ども、その他借主以外の名義の口座は指定できません。
また2023年4月現在において、GMOあおぞらネット銀行以外のネット銀行は指定できません。
実店舗のある金融機関またはGMOあおぞらネット銀行の口座を記入しましょう。
記入が完了したら、預金口座振替利用届を、口座振替を指定した金融機関の窓口に持ち込み、金融機関の確認印を受けてください。

③お客様情報の利用に関する同意書

個人情報の利用等について同意する書類です。記のような書類が封入されています。
同意書上半分に利用目的等が記載されていますので、必ず内容に目を通しましょう。
代表者の欄に、署名する日付と氏名を記入してください。署名の右横に押印します。
代表者が複数いる場合等は、代表者②にも署名押印してください。

お客様情報の利用に関する同意書

④団体信用生命保険申込用紙

団体信用生命保険に加入する場合のみ記入します。
団体信用生命保険とは、日本政策金融公庫から融資を受けた人に万が一のことが起こった場合に残りの返済を肩代わりしてくれる生命保険です。
団体信用生命保険信への加入は任意ですので、加入する場合のみ記入して返送してください。

団体信用生命保険の申込書の書き方は、公式HPで詳しく解説されています。
https://www.dansin.or.jp/insurance/business/example.html

団体信用生命保険への加入率は50%程度と言われています。
加入の有無が審査に影響することもありません。
また加入するには、保険料もかかります。
家族構成や、既に加入している生命保険の内容を確認した上で、加入が必要か検討することをおすすめします。
ただし、団体信用生命保険へ加入できるタイミングは融資を受ける今しかありません。
融資金が入金されたあとに加入することは出来ませんので注意していください。

1-4.契約書類の返送

契約書類の記入が完了したら、日本政策金融公庫の窓口に持参するか郵送します。
配達記録の残る簡易書留での返送がおすすめです。

日本政策金融公庫からの書類に同封されている返送用封筒に、記入・押印した書類と印鑑証明書、通帳コピー等を入れて封をし、お近くの郵便窓口にて簡易書留で郵送してください。
送料は日本政策金融公庫が負担してくれます。
書類に不備があると融資実行が遅れますので、必ず最終チェックをしてから郵送しましょう。

1-5.融資金の入金

日本政策金融公庫に書類が到着してから、おおよそ3営業日で融資が実行されます。
なお入金される金額は、契約した融資総額から振込手数料が引かれた金額です。たとえば融資金額が300万円だったとしても、実際に入金される金額は200万円台になります。

専門家からの一言
融資実行に伴い、返済予定表・団信加入した場合の証券・融資計算書といった、お金の動きが分かる証拠書類は処分せず残しておきましょう。
後日コピーを税理士に渡し、確定申告書や決算書等の作成に利用することになります。
どの書類を残すべきか判断に迷ったら、とりあえず全ての資料を税理士に渡すようにしてください。

2.まとめ

日本政策金融公庫の融資決定後の流れを解説しました。
日本政策金融公庫の融資決定後から入金までの流れは以下の通りです。

1-1.融資審査結果の連絡(電話と正式な契約書類の到着)
1-2.契約に必要な書類の準備
1-3.契約書類の記入
1-4.契約書類の返送
1-5.融資金の入金

融資決定の連絡を受けてから放っておいては、いつまで経っても入金されません。

上記の流れに沿って書類を揃え、スムーズに融資金の入金を完了し、事業をスタートさせましょう。

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