完全ガイド!会社設立の必要書類を全10種類ゼロから準備する方法

書類を確認する人

会社設立に必要な書類の準備について知りたい方必見!

会社設立にあたり、最初に多くの方が直面するのが「必要書類の準備」という課題です。
会社設立するためには、法務局に登記申請しなければなりません。そのためには、必要書類を準備して、その書類を提出することで、会社設立登記が完了します。
そこで、この記事では、登記申請するために準備しなければならない、必要書類の全10種類を漏れなく解説していきます。

【会社設立するために必要な書類!全10種類の一覧表】

さらに、その必要書類の入手の方法から、作成する書き方や手順までを図解でわかりやすく紹介していきますので、はじめての会社設立でも、迷いなく書類の作成ができるようになります。

「会社設立のためにはどんな書類が必要なのか?」「どこに何を提出すればいいのか?」といった疑問を抱える方にとって、解決する内容です。

起業の専門家による詳細な解説とわかりやすい図解を用いて、必要書類の取得から提出までのプロセスを細かく説明しています。

では、会社設立に不可欠な全10種類の書類の準備について、一緒に見ていきましょう。

会社設立サポート

1.【株式会社設立の必要書類】全10種類の作成

会社を設立するためには、法務局へ所定の書類を提出し、登記の申請を行います。
登記の申請の際に必要な書類は全部で次の10種類です。

【株式会社】会社設立 必要書類全10種類の一覧
必要書類①.株式会社設立登記申請書
必要書類②.登録免許税納付用台紙
必要書類③.定款
必要書類④.取締役の就任承諾書(代表取締役の就任承諾書 )
必要書類⑤.印鑑証明書
必要書類⑥.払込を証する書面
必要書類⑦.印鑑届出書
必要書類⑧.「登記すべき事項」を保存したCD-R
必要書類⑨.発起人の同意書(定款で本店所在地を番地まで記載していない場合必要)
必要書類⑩.監査役の就任承諾書(監査役を設置する場合は必要)
※現物出資がある場合はさらに別途資料が必要になります。詳しくは専門家に問い合わせてください。

これらの書類の入手方法から記入、提出の方法までを詳しく解説していきます。
必要書類の作成手順を解説していますので、書類の入手と作成を進めてみてください。

必要書類①.「株式会社設立登記申請書」の作成

まずは、「株式会社設立登記申請書」を用意しましょう。
「株式会社設立登記申請書」とは、設立する会社の概要を記載して申請するための書類です。

以下のような書類を作成します。
具体的な作成手順については下記の手順1から解説していきます。

【「株式会社設立登記申請書」 見本】

株式会社設立登記申請署(参考:法務局HP http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

手順1.「株式会社設立登記申請書」の入手

法務省HPより、「株式会社設立登記申請書」のテンプレートをダウンロードします。

色々な種類の「株式会社設立登記申請書」が用意されていますが、通常は「1-3. 株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)」を使用します。

申請書の様式は、一太郎・Word・PDFの3種類がありますが、Word形式でダウンロードがおすすめです。
Word形式であれば、記入を間違えた場合でも何度も書き直すことができます。

併せて、記載例もダウンロードしてください。

「株式会社設立登記申請書」のダウンロードはこちら
注:「1-3. 株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)」を使用してください。
法務局 商業・法人登記の申請書様式 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor1
「株式会社設立登記申請書」が複数種類あるのはどうして?
取締役会の設置の有無、発起設立又は募集設立かによって、申請書の種類が異なるため、法務省のHPには「株式会社設立登記申請書」だけでも複数種類が用意されています。
ですが、一般的な中小企業が会社設立時に取締役会を設置するケースはほとんどありません。
また募集設立もほとんど扱われていない設立方法です。

手順2.「株式会社設立登記申請書」の記入

「株式会社設立登記申請書」のテンプレートを入手したら、記載例を参考に、主に次の5項目を記載していきます。
記載例を①と②に分けて解説します。

【株式会社設立登記申請書の記載例①】

株式会社設立登記申請書 記載例(参考:法務局HP http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

主な記載項目
①商号(会社名)
②本店
③登記の事由 
④登記すべき事項
⑤課税標準金額(資本金)
⑥登録免許税
⑦添付書類
⑧日付
⑨申請人
⑩代表取締役
⑪連絡先
⑫法務局名

①商号 

会社名を記載します。㈱などは使わず、「株式会社○○○」と記載しましょう。
フリガナも忘れずに記載してください。フリガナは「株式会社」の部分は除いて、カタカナで左につめて記載します。

②本店

本店所在地を番地まで記載します。ビル名や部屋番号は記載してもしなくてもどちらでも構いません。
ただし、発起人の同意書を作成する場合は、発起人の同意書と一致させる必要があります。
※発起人の同意書は、定款に本店所在地を番地まで記載していない場合に必要な書類になります。
定款には番地まで記載しないケースがほとんどですので、発起人の同意書は作成するものと思ってください。
ステップ9にて、詳しく解説します。

③登記の事由

「令和○年○月○日発起設立の手続終了」と記載します。
日付は、設立登記申請の準備が完了した日を入れます。そのため、この後に登場する「払込を証する書面」の作成の日付よりも、後の日付である必要があります。登記申請日を記載すれば、間違いありません。

④登記すべき事項

今回のケースは「別添CD-Rのとおり」と記載します。
登記すべき事項については、後程詳しく解説します。

⑤課税標準金額(資本金)

資本金の額を記載します。
「金○○○円」というように記載します。

⑥登録免許税

資本金の額の1,000分の7の金額を記載します。
ただし、1,000分の7の金額が15万円以下の場合は、一律15万円です。
資本金が2,142万円までは15万円です。
「金150,000円」と記載します。

⑦添付書類

添付書類は、会社ごとに異なりますが、一人で会社を設立した場合は、以下のように記載します。
あくまで会社の事情に合わせて添付資料を作成しますので、参考としてください。

(1人で会社設立をした場合)参考
・定款 1通
・発起人の同意書 1通
・取締役の就任承諾書 1通
・印鑑証明書 1通
・払込を証する書面 1通
(複数名で会社を設立した場合)参考
一人で会社設立をした場合に加えて、下記の書類が必要です。
・代表取締役の就任承諾書 1通
・取締役の就任承諾書 ○通(各取締役1通ずつ)
・取締役の印鑑証明書 ○通(各取締役1通ずつ)

※監査役を設置した場合は「監査役の就任承諾書」も必要になります。

【株式会社設立登記申請書の記載例②】

株式会社設立登記申請書 記載例2「株式会社設立登記申請書」の2ページ目には、会社名や代表取締役の名前等を記載していきます。

⑧日付

法務局に申請する年月日を記載します。

⑨申請人

会社名と本店所在地を記載します。

⑩代表取締役

代表取締役の氏名と自宅住所を記載します。

⑪連絡先

不備などがあった場合に連絡が取れる電話番号を記載します。

⑫法務局名

本店所在地を管轄する法務局の名前を記載します。

手順3.「株式会社設立登記申請書」の印刷

株式会社設立登記申請書の記入が完了したら、A4サイズで印刷します。

手順4.「株式会社設立登記申請書」へ押印

使用する印鑑:会社の実印

印刷した「株式会社設立登記申請書」の代表取締役の氏名の隣に会社の実印を押印します。
押印が完了したら、株式会社登記申請書の完成です。

株式会社設立登記申請書 押印(参考:法務局HP http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

事前に会社の実印の準備を!

会社の実印を事前に作成しておいてください。
実印、銀行印、角印の3本セットがあると便利です。

はんこ屋さんに行き「会社設立をするので、実印、銀行印、角印をお願いします」と伝えるとスムーズです。
だいたい、1週間くらいで完成します。

注意:契印は最後に!
資料が複数枚にわたる場合は、書類の継ぎ目に、会社の実印で契印を押します。
最終的に他の書類と製本するため、契印は最後に行います。
契印とは・・・契約書などが複数枚にわたった場合、2枚以上の文章が1つの連続した文章であることを証明するために押す印です。

必要書類②.「登録免許税納付用台紙」の作成

「登録免許税納付用台紙」とは、登録免許税分の収入印紙を貼り付けるための用紙です。
登録免許税の金額は資本金の額によって異なりますので確認してください。

株式会社の場合

資本金額×0.007%又は150,000円の高い方 と決まっています。
※資本金が2,142万円までの場合、登録免許税は150,000円です

下記の様な書類を作成します。具体的な作成手順については下記の手順1から解説していきます。

【「登録免許税納付用台紙」 見本】

登録免許納税付用台紙(参考:法務局HP http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

手順1.「登録免許税納付用台紙」の入手

登録免許納付用台紙のテンプレートは、「株式会社設立登記申請書」のテンプレートの3ページ目にあります。
そちらを活用してください。

ダウンロードがお済みでない方は下記よりダウンロードしてください。

「株式会社設立登記申請書」のダウンロードはこちら
注:「1-3. 株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)」を使用してください。
法務局 商業・法人登記の申請書様式 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor1

ダウンロードしたら、A4サイズで印刷してください。

手順2.「登録免許税分の収入印紙」の入手

収入印紙は郵便局で購入することができます。
郵便局の窓口で必要な金額を伝えてください。

※2021年12月現在、収入印紙の購入は現金のみの取り扱いとなっています。
クレジットカード等、キャッシュレス決済は使えませんので注意してください。

手順3.「登録免許税納付用台紙」へ貼り付け・押印

使用する印鑑:会社の実印

印刷したテンプレートに購入した印紙に貼り付けます。
台紙の右側に寄せて、はがれてしまわないよう、しっかりと貼り付けてください。
割印はする必要はありません。
収入印紙の貼り付けが終わったら、登録免許税納付用台紙の完成です。

登録免許納税付用台紙 押印

注意:契印は最後に!
資料が複数枚にわたる場合は、書類の継ぎ目に、会社の実印で契印を押します。
最終的に他の書類と製本するため、契印は最後に行います。
(契印とは、2枚以上の契約書が連続した1つの文書であることを証明するために両ページにまたがって押す印のことです。)

必要書類③.「定款」の作成

「定款」とは、「会社の憲法 」とも言われる、会社設立時に非常に重要な書類です。
主に基本事項や規則が記載されたものです。
下記の様な書類を作成します。

【株式会社定款 見本】

株式会社定款 見本株式会社定款 見本(参考:法務局HP http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

会社毎に記載内容が異なりますが、最低でも、下記の項目を記載しなければいけない決まりがあります。

定款の絶対的記載事項
・目的
・商号
・本店所在地
・設立に際して出資される財産の価格又はその最低額
・発起人の氏名または名称および住所、実印

定款のテンプレート及び定款の記載例は、株式会社設立登記申請書のテンプレートの4ページ目から7ページ目にあります。

そちらを参考に作成してみてください。

ダウンロードがお済みでない方は下記よりダウンロードしてください。

「定款のテンプレート及び定款の記例」のダウンロードはこちら
注:「1-3. 株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)」を使用してください。
法務局 商業・法人登記の申請書様式 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor1

また、株式会社の場合は、登記の申請を行う前に、公証役場で定款の認証を受ける必要があります。
登記申請の前に準備しておいてください。

注意:定款は会社を運営していく上で、重要な書類の一つです!
記載内容が間違っていると、事業を始めるために必要な許認可が取れないなど、重大なトラブルに繋がりかねません。
専門家に相談することをおすすめします。

必要書類④.「代表取締役の就任承諾書」の作成(「取締役の就任承諾書」の作成)

取締役の就任承諾書とは、株式会社の取締役に就任する際に、取締役に就任したという意思を証明する書類です。下記の様な書類を作成します。具体的な作成手順については、下記の手順1から解説していきます。

【「代表取締役就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」 見本】

代表取締役就任承諾書 取締役の就任承諾書

「代表取締役の就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」を作成する前の注意点
会社設立時には、代表取締役、取締役に就任する人達それぞれの「代表取締役の就任承諾書」「取締役の就任承諾書」が必要になります。一人で会社設立する場合と、複数名で会社設立する場合で必要な書類が異なります。
一人で会社設立する場合

一人で会社を設立する場合は、「取締役の就任承諾書」のみ作成します。
取締役が自動的に代表取締役を兼ねることになるためです。
「代表取締役の就任承諾書」は必要ありません。

複数名で会社設立する場合

複数名で会社を設立する場合、「取締役の就任承諾書」と「代表取締役の就任承諾書」の2種類を作成します。
取締役が複数名いて、そのうちの一人を代表取締役とした場合は、代表取締役となった1名は「代表取締役就任承諾書」と「取締役の就任承諾書」の2種類が必要になり、他の取締役は「取締役の就任承諾書」の作成が必要になります。

複数名で会社設立する場合「代表取締役の就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」の作成手順について解説していきます。

手順1.「代表取締役の就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」のテンプレートの入手

テンプレートを用意しましたので下記より、ダウンロードしてください。

代表取締役の就任承諾書テンプレート ダウンロード (Word)

取締役の就任承諾書テンプレート ダウンロード (Word)

手順2.「代表取締役の就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」の記入

テンプレートがダウンロードできたら、下記の記載例を参考に記入します。

代表取締役の就任承諾書 取締役の就任承諾書 記載例

手順3.「代表取締役の就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」の印刷

記入ができたらA4で印刷してください。

手順4.「代表取締役の就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」へ押印

使用する印鑑:個人の実印

手順3で印刷をした「代表取締役の就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」の所定の箇所に、個人の実印を押印します。

注意:会社の実印ではなく、取締役個人の実印です。
押印したら、「代表取締役の就任承諾書」及び「取締役の就任承諾書」の完成です。

必要書類⑤.「印鑑証明書」の入手

取締役、全員の個人の実印の印鑑証明書が必要です。
代表取締役も含め、取締役が複数名いる場合は、全員分の印鑑証明書を用意します。
各、取締役が住んでいる自治体の役所で取得ができます。

また、マイナンバーカードを取得している場合は、コンビニで発行することもできます。

必要書類⑥.「払込みを証する書面」の作成

払込証明書とは、資本金を払い込んだことを証明する書類です。
下記の様な書類を作成します。

具体的な作成手順については、下記の手順1から解説していきます。

【「払込を証する書面」 見本】 

払込証明書 見本

順1.「払込みを証する書面」を作成する前に資本金の払込

払込を証する書面を作成する前に資本金の払い込みを終えている必要があります。
定款で定めた資本金を、所定の銀行口座に払込みます。

この時に、会社はまだ設立が完了していない状態の為、会社名義の銀行口座はありません。
そのため、ひとまず会社発起人の個人口座に、資本金を振込みます。

発起人が複数名いる場合は、代表取締役となる人の個人口座に振り込みをします。
預入ではなく、必ず振込をしてください。
誰がいくら入金したのかわかるようにしなければなりませんので、振込人名が表示される、「振込」で入金するようにしてください。

注意:資本金の払込は原則「定款」の認証が済んだ後!
資本金の払込が定款認証日より前になっていると、登記申請書類を受理してもらえない可能性があります。

手順2.「払込みを証する書面」のテンプレートの入手

テンプレートを用意しましたので下記より、ダウンロードしてください。

「払込みを証する書面」テンプレート
ダウンロード(Word)

手順3.「払込みを証する書面」の記入

テンプレートがダウンロードできたら、下記の記載例を参考に記入します。

払込証明書 記載例

手順4.「払込みを証する書面」の印刷

記入が済んだらA4で印刷してください。

手順5.「払込みを証する書面」へ押印

使用する印鑑:会社の実印
手順4で印刷をした「払込みを証する書面」の代表取締役氏名の横に会社の実印を押印します。

手順6.「払込みを証する書面」に添付する通帳のコピーを用意

資本金を払い込んだ、発起人の個人の通帳のコピーを用意します。
下記の3か所を必ずA4でコピーする必要があります。

・通帳の表紙
・通帳の見開きページ
・振込が確認できるページ

【通帳コピー 見本】

通帳表紙のコピー 通帳見開きページのコピー入金が確認できるページのコピー

※ネット銀行を利用して通帳がない場合
WEBの振り込み明細のページを印刷して添付します。
銀行名・支店名・口座番号・通帳の名義人・資本金を入金した明細のページ(日付・振込人・金額がわかる)が表示されているページを印刷して添付してください。

手順7.「払込みを証する書面」の製本・契印の押印

使用する印鑑:会社の実印

払込みを証する書面(払込証明書)を表紙にして、通帳のコピーを順番に揃え、左側2か所をホチキス止めし、製本します。
全てのページの見開き部分に会社の実印で契印をします。

契印が完了したら、払込みを証する書面(払込証明書)の完成です。

【「払込証明書」 製本見本】

払込証明書 製本見本

書類を確認する男性

必要書類⑦.「印鑑届書」の作成

「印鑑届書」とは、会社の実印となる会社の代表印を登録するための書類です。
個人の実印と同じ意味合いになります。
登録することで印鑑証明書の発行ができます。
印鑑証明書は、融資受けるときや契約の際に必要になります。

下記の様な書類を作成します。
具体的な作成手順については、下記の手順1から解説していきます。

【「印鑑届書」 見本】

印鑑届書 見本(参考:法務局HP http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

手順1.「印鑑届書」の様式の入手

法務局HPより「印鑑届書」の様式「8-17.印鑑(改印)届書」をダウンロードします。

「印鑑届出書」の様式のダウンロードはこちら
注:「8-17.印鑑(改印)届書」をダウンロードしてください。
法務局HP https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor8

申請書の様式は、PDF・Excelの2種類がありますが、Excel形式でのダウンロードがおすすめです。
Excel形式であれば、記入を間違えた場合でも何度でも書き直すことができます。

ご自身の活用しやすい様式を選択してください。
手書きをする方はPDFを選択し、A4サイズで印刷しておきます。

手順2.「印鑑届書」の記入

下記、記載例を参考に①と②に必要事項を記入していきます。
Excelファイルを選択した方は、必要事項の入力が終わったら、A4サイズで印刷します。

印鑑届書 記載例

手順3.「印鑑届書」へ押印

使用する印鑑:会社の実印・代表取締役個人の実印

記入・印刷が終わったら、会社の実印と代表取締役個人の実印を用意します。
下記、記載例の③には、会社の実印を、④には代表取締役個人の実印を押印します。

印鑑届書 押印押印したら、印鑑届書の完成です。

必要書類⑧.「登記すべき事項」を保存したCD-Rの作成

ステップ1~7で解説した書類の他に、「登記すべき事項」(商号や本店所在地など)を記録した電子媒体の提出が必要です。
書面での提出も可能ですが、OCRという専用の用紙を法務局に取りいく必要があるため、CD-Rで作成することをおすすめします。

具体的な作成手順については、下記の手順1から解説していきます。

登記すべき事項とは?
登記すべき事項とは、会社法で定められた、法務局に登記しなければならない、会社の重要事項のことです。
会社が本当に実在しているのかは、この登記を行う事で証明することができます。
登記すべき事項には、主に、商号、本店所在地、目的、資本金の額などがあります。

詳しくは手順3で解説しています。

手順1.データ用CD-Rの入手

データを保存するためのデータ用のCD-Rを購入します。
家電量販店や、コンビニで購入することができます。

CD-Rには、「音楽用」と「データ用」がありますので、「データ用」を必ず購入してください。
また、CD―Rと似た名前で「CD-ROM」や「CD-RW」というものもありますので、間違えないように注意してください。

CD-Rの購入

手順2.「登記すべき事項」のテキストファイルのダウンロード

下記、法務省HP「登記事項の作成例一覧」から、該当のテキストファイルをダウンロードします。

テキストファイルとは、文字データだけのファイルで、ここでダウンロードしたテキストファイルがテンプレートになっていますので、次の手順3で、テキストファイルの中身を適宜編集するだけで、登記すべき事項のテキストファイルが完成します。

「登記すべき事項のテキストファイル」のダウンロードはこちら
注:1.株式会社関係⇒「0001株式・設立.txt」 をダウンロードしてください。
法務省 「登記事項作成例一覧」 https://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI50/minji50-01.html

手順3.「登記すべき事項」のテキストファイルの作成

ダウンロードしたテキストファイルには下記の内容があらかじめ入力してあります。
適宜修正して、テキストファイルを完成させていきます。

「全ての株式会社が登記しなければならない事項」と「定款などで定めがある場合に登記しなければならない事項」があります。

登記すべき事項のテキストファイルの見本(参考:法務省「登記事項の作成例一覧」 https://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI50/minji50-01.html)

全ての株式会社が登記すべき事項
・「商号」
・「本店」
・「公告をする方法」
・「目的」
・「発行可能株式総数」
・「発行済株式の総数」
・「資本金の額」
・「役員に関する事項」
 「資格」代表取締役
 「氏名」○○○○
 「住所」○県○市○町○丁目○番○号
・「登記記録に関する事項」設立 ※複数名で会社設立する場合
・「役員に関する事項」
 「資格」取締役
 「氏名」□□□□
定款などで定めがある場合に登記すべき事項
・「公告をする方法」を電子公告とする場合のURL
・「発行済株式の総数並びに種類及び数」
・「株式の譲渡制限に関する規定」
・「役員に関する事項」
 「資格」監査役
 「氏名」△△△△
・「役員に関する事項」
「資格」監査役の監査の範囲に関する事項
「役員に関するその他の事項」
・「取締役会設置会社に関する事項」
・「監査役設置会社に関する事項」

など

「登記すべき事項」テキストファイルの記載例(1人で会社設立をした場合)

1人で会社設立をした場合の「登記すべき事項」のテキストファイルの記載例を用意しましたので参考にしてください。
以下、一つずつ詳しく解説します。

「商号」 株式会社○○
「本店」 ○県○市○町○丁目○番○号
「公告をする方法」 官報にしてする。
「目的」
1.○○○○
2.○○○○
3.○○○○
「発行可能株式総数」○○株
「発行済株式の総数」○○株
「資本金の額」金○○万円
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「氏名」○○○○
「住所」○県○市○町○丁目○番○号
「登記記録に関する事項」設立

「商号」

商号を定款通りに記載してください。
㈱は使わないようにします。

「本店」

本店の具体的な所在地を記載します。

「公告をする方法」

公告する方法は、定款で公告の方法を定めていない場合は、「官報にしてする。」や「官報に記載して行う。」と記載します。
定款に記載してあるものと一字一句同じように記載します。

公告の方法は、「官報」「日刊新聞紙」「電子公告」の3種類から選択することができますが、日本の約9割の会社が費用や、手間をなるべく抑えた方法として「官報」を選択しています。

官報とは?
政府が発行している新聞のようなもので、国会の召集や法律の改正、会社の決算や解散などが掲載されるものです。
インターネットで30日間無料で閲覧することができます。


公告とは?

公告とは、毎年の決算の内容や会社の組織などに変更などを社会に知らせることです。
株式会社を設立すると、公告を行う義務があり、法律で定められています。

会社の行う公告には、決算時に行う「決算公告」と会社の合併時などに行う「債権者保護手続きに関する公告」の2種類があります。
公告の方法は次の3種類から選択することができます。

それぞれの掲載費用など表にまとめましたので参考にしてください。

決算公告の掲載費用注意事項
官報約6万円・定款で公告の方法を特別定めていない場合自動的に官報で行うものとみなされる
日刊新聞紙50万円以上・掲載費用が非常に高価
・定款に定める必要がある
電子公告自社HPに自分で掲載すれば0円・定款に定める必要がある
・登記すべき事項に決算公告を行うURLの記載が必要となる
・「債権者保護手続きに関する公告」を行うこととなった場合別途10万円以上の費用が発生する
・5年間貸借対照表の全てを掲載しなければならない
・HP上で誰でも決算の内容見られるようになってしまう

日刊新聞紙での公告は掲載料が高価であり選択する人はほぼいません。
電子公告は一番費用がかからない方法ですが、会社の合併など組織変更があった場合、別途費用がかかったり、自社のHP上で、決算の内容すべてが簡単にみられてしまうなどのデメリットがあります。

官報と電子公告を組み合わせる方法もあります。
詳しくは、専門家に相談するようにしてください。

「目的」

定款に記載の目的を記載します。
必ず、定款に記載している目的と一字一句同じようにしてください。

「発行可能株式総数」

○○株と記載します。
会社が発行可能な株式総数を定款の通り記載します。

「発行済株式の総数」

○○株と記載します。
発行済みの株式総数を記載します。

「資本金の額」

金○○万円と記載します。

「役員に関する事項」

「資格」代表取締役
「氏名」○○○○
「住所」○県○市○町○丁目○番○号と記載します。

「登記記録に関する事項」

「設立」と記載します。

テキストファイル作成時の注意事項

・全て全角文字で作成する(半角文字や半角スペースは使用できません。)
・タブは使用しない。文字の区切りなど空白が必要な場合は全角スペースを使う。
・数字はアラビア数字を使用する。
・単位は「万」と「億」を使用する。(十、百、千、カンマは使用しない)
・誤字脱字があると、再提出になるので注意してください。

(参考:法務局HP「商業・法人登記申請いおける登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体の提出について」
https://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI50/minji50.html)

手順4.「登記すべき事項 」のテキストファイルの保存

テキストファイルが完成したら、ファイル名を「法人名.txt」 (例:株式会社○○.txt)とつけて、テキストファイルのまま、CD-Rへ保存します。

手順5.「登記すべき事項 」のテキストファイルを保存したCD-Rへラベルの貼り付け

テキストファイルが完成したら、CD-Rの会社名を記載したシールをCD-Rに貼り付けたら、完成です。
シールは、CD-Rに付属のシールに手書きで問題ありません。

CD-R ラベル貼り付け

必要書類⑨.「発起人の同意書」(定款で本店所在を番地まで記載していない場合は必要)の作成

「発起人の同意書」とは、発起人全員の同意をもって、本店所在地が決定されたことを証する書面のことです。
定款で本店所在地を番地まで記載していない場合、必要になる書類です。

そもそも定款に定める本店所在地は市町村までで良いとされており、具体的な「○丁目○番地」まで表示する必要はありません。
定款上の本店所在地を市町村までとすることで、同じ市町村内で引っ越しをすることがあっても登記を変更する手間がなくなったり、代表者の自宅で開業した場合、代表者のプライバシーを守れるというメリットから、定款上の本店所在地を市町村までとするケースが多いです。

しかし、定款への具体的な本店所在地の記載は必要なくとも、会社の設立登記の際には具体的な本店所在地を知らせる必要があります。
したがって、「発起人の同意書」を作成する必要があるということになります。

下記の様な書類を作成していきます。
具体的な作成手順については、下記の手順1から解説していきます。

【「発起人の同意書」 見本】

発起人の同意書 見本

※「発起人の同意書」は「発起人の決定書」「発起人の決議書」 などと呼ばれることもあります。
同じものと考えて良いです。
また、本店所在地についてだけでなく定款に記載していない事項(資本金の額や設立時の発行株式など)についても、「発起人の同意書」で記載することができます。

手順1.「発起人の同意書」のテンプレートの入手

テンプレートを用意しましたので下記より、ダウンロードしてください。

発起人の同意書テンプレート
ダウンロード(Word)

手順2.「発起人の同意書」の記入・印刷

下記、記入例を参考に記入押印をしてください。
記入が完了したら、A4サイズで印刷します。

発起人の同意書 記載例

手順3.「発起人の同意書」への押印

使用する印鑑:発起人全員の個人の実印

記入・印刷が終わったら、発起人全員の個人の実印を用意し、所定の場所に押印します。
押印したら、「発起人の同意書」の完成です。

発起人の同意書 押印

必要書類⑩.「監査役の就任承諾書」(監査役を設置する場合は必要)の作成

監査役を設置する場合は必要な書類ですが、一般的な中小企業の会社設立時には必要のない書類です。
取締役会を設置しない会社に監査役を設置する義務はありません。

一般的に、中小企業の設立時に取締役会を設置するケースはほとんどありませんので、必要なのないものと考えて問題ありません。

取締役会や監査役を設置する予定があるという方は、詳しくは専門家に確認してください。

ここまでで、必要書類の全10種類が作成できました。
あとは、提出するために書類を製本して、法務局に提出するだけです。
次は、その書類の製本方法と、法務局に提出する方法を解説していきます。


2.必要書類の作成後、法務局に提出する方法

2-1.書類の製本

1章で作成した必要書類を製本して、法務局に提出ができる状態に整えていきます。
製本の方法にも決まりがありますので詳しく解説していきます。

今一度、株式会社の設立に必要な書類を確認しておきましょう。

【株式会社】会社設立 必要書類全10種類の一覧
1.株式会社設立登記申請書
2.登録免許税納付用台紙
3.定款
4.取締役の就任承諾書(代表取締役の就任承諾書)
5.印鑑証明書
6.払込みを証する書面(払込証明書)
7.印鑑届出書
8.「登記すべき事項」を保存したCD-R
9.発起人の同意書(定款で本店所在地を番地まで記載していない場合は必要)
10.監査役の就任承諾書(監査役を設置する場合は必要)

手順1.書類の製本

書類は全てA4で印刷し、用意した書類を下記の順番に揃えて、左側を2か所ホチキス止めをします。
この時に印鑑届出書は一緒に綴じませんので注意してください。

①株式会社設立登記申請書
②登録免許税納付用台紙
③定款
④発起人の同意書(作成した場合)
⑤取締役の就任承諾書(代表取締役の就任承諾書)
⑥印鑑証明書
⑦払込を証する書面
書類の製本

手順2.書類の継ぎ目に会社の実印で契印

「株式会社設立登記申請書」と「登録免許税納付用台紙」の継ぎ目に会社の実印で契印をします。
また、「株式会社設立登記申請書」が複数枚ある場合は、「株式会社設立登記申請書」同士の継ぎ目に会社の実印で契印をします。

以上で書類の製本は完了です。

書類 契印

手順3.提出書類3点セットの確認

最後に提出書類3点セットを確認していきます。
株式会社設立登記申請書と印鑑届出書をクリップ止めしたら、会社設立のための書類が完成です。

提出書類3点セット
①株式会社設立登記申請書(製本済)
②印鑑届出書
③「登記すべき事項 」を保存したCD-R
提出書類 3点セット

2-2.法務局へ提出

会社の設立登記の為に必要な書類の準備ができたら、「提出書類3点セット」を本店所在地を管轄する法務局へ提出をします。
提出の方法は、次の2通りです。

提出方法
・法務局への持ち込み
・郵送での提出

本店所在地の管轄でない法務局へ提出してしまうと、受理されませんので気をつけてください。
また、支局や出張所は、法人登記の手続きを取り扱っていないケースが多いです。

管轄する法務局及び取扱い業務はあらかじめ、下記の法務局のホームページで確認しておいてください。
法務局に申請書類を提出した後、書類に不備が無ければ10日前後で登記が完了します。

法務局ホームページ 法務局・地方法務局所在地一覧
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji10.html

提出時の注意点も必ず確認してください。

提出時の注意点
・法務局に設立登記の申請をした日が会社の設立日となります。
・郵送で登記申請をした場合は、書類が法務局へ到着した日が会社設立日となります。
・土日は法務局がお休みの為、会社を設立することはできません。
・会社の設立日に希望がある場合は、逆算して余裕をもって書類を用意していきましょう。
郵送で提出する際の注意点
・封筒に「登記申請書在中」と記載しましょう。
・普通郵便でも提出できますが、念のため書留で送りましょう。
・会社設立日は書類が法務局に到着し、申請が受理された日になります。
会社設立サポート

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は株式会社設立のための必要書類全10種類の入手方法から記入の方法と、さらに必要書類を法務局に提出する方法までを手順に沿って細かく解説してきました。

【株式会社】会社設立 必要書類全10種類の一覧
1.株式会社設立登記申請書
2.登録免許税納付用台紙
3.定款
4.取締役の就任承諾書(代表取締役の就任承諾書)
5.印鑑証明書
6.払込みを証する書面(払込証明書)
7.印鑑届出書
8.「登記すべき事項」を保存したCD-R
9.発起人の同意書(定款で本店所在地を番地まで記載していない場合は必要)
10.監査役の就任承諾書(監査役を設置する場合は必要)

御覧いただいた通り、会社設立のための書類は種類も多く、記載方法や提出の方法など細かなルールがあり、正しく作成しなければなりません。

記載方法を間違えてしまうと、今後の事業に支障をきたしたり、思いもよらぬとトラブルに繋がってしまうリスクがあります。

少しでもわからないことや不安なことがあれば、専門家に相談し、手間なく確実に会社設立の手続きを終え、ご自身は、本業に専念することも検討してみてください。

 

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