経営力向上計画の認定を受けていると補助金の審査で有利になります。
経営力向上計画の認定を受けると様々なメリットを享受することができますが、特に補助金の審査で有利に働くといった点は、注目すべき大きなメリットです。
補助金を活用して新たな取り組みをしていきたいと考えている方は、補助金の申請と合わせて経営力向上計画の認定にもチャレンジすることをおすすめします。
今回は、補助金を活用するにあたって経営力向上計画のメリットを享受するための注意事項について解説していきます。
目次
1.なぜ経営力向上計画の認定が補助金の審査で有利に働くのか
補助金の審査項目で、経営力向上計画の認定を受けている事業者に加点を行うと定めている補助金制度があります。
令和5年10月現在、経営力向上計画の認定で加点が行われる補助金は以下の2つです。
・小規模事業者持続化補助金(詳しくはこちら)
・事業継承・引継ぎ補助金
経営力向上計画の認定を受けているからと言って、必ず補助金が採択されるというわけではありませんが、補助金の審査は加点形式で行われ、点数の多い事業者から採択されますので有利になると言えます。
経営力向上計画とは?
経営力向上計画とは、人材の育成や、コスト管理等のマネジメントの向上、設備投資など、自社の経営力を向上を目的とした計画のことです。
所定の計画書を作成し、国の認定を受けた事業者は、税金や金融の支援を受けることができます。申請に必要な書類は3枚程度と比較的手軽に申請ができるものになっています。
ただし、認定には審査がありますので申請書類の作り込みが重要です。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
2.経営力向上計画の認定を補助金の申請に有効活用するための注意事項
補助金の活用と合わせて、認定を受けておきたい経営力向上計画ですが、そのメリットを享受するためには、補助金の申請より先に経営力向上計画の認定を受けておく必要があります。
経営力向上計画の認定までにかかる時間と補助金のスケジュールを確認し計画的に準備を進める必要があります。
2-1.経営力向上計画の認定までにかかる時間
経営力向上計画の認定には、申請書類を提出してから約30日かかります。
また、経営力向上計画は電子申請で行います。
この電子申請を行うために必要になる「GビズID」の取得には約2週間かかります。
申請書類等の作成も含めると最低でも。1か月半~2か月はかかると考えておきましょう。
2-2.補助金のスケジュール
補助金のスケジュールを確認しておきましょう。
申請する補助金によって、いつまでに経営力向上計画の認定を受けていないといけないなどの決まりがあります。
2-2-1.小規模事業者持続化補助金の場合
小規模事業者持続化補助金の公募要領には次のように記載されています。
経営力向上計画加点
各受付締切回の基準日(別紙「参考資料」の P.10を参照)までに、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けている事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点(=経営力向上計画加点)を行います。
<必要な手続>
「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「経営力向上計画加点」欄にチェック。
「認定書」の写しを申請書に添付して提出(「認定書」の写しの添付がない場合は、加点対象になりません)。基準日までに認定を受けていることが必要です。基準日よりも後に認定を受けた事業者や、認定申請中の事業者は対象となりません。
各受付締切回の基準日までに経営力向上計画の認定を受けていることが加点の条件となっています。
例えば、第14回(2023年12月12日申請受付締切)の場合の基準日は、2023年3月31日となっています。
この場合だと、かなり前もって経営力向上計画の認定を受けておく必要があります。
過去の基準日は下記の通りです。
受付締切回 | 受付締切日 | 「経営力向上計画加点」の対象となる認定日の期限 |
第8回 | 2022年6月3日 | 2022年3月31日 |
第9回 | 2022年9月20日 | 2022年3月31日 |
第10回 | 2022年12月9日 | 2022年3月31日 |
第11回 | 2023年2月20日 | 2022年12月31日 |
第12回 | 2023年6月1日 | 2023年3月31日 |
第13回 | 2023年9月7日 | 2023年3月31日 |
第14回 | 2023年12月12日 | 2023年3月31日 |
タイミングが良ければ、経営力向上計画の認定を受けてからスムーズに補助金の申請ができるケースもありますが、第14回のように経営力向上計画の認定日の期限が半年以上も前だったというケースもあります。
あらかじめ、いつ頃新しい取り組みを実施したいのか、そのためにはいつまでに補助金を申請しておく必要があるのか、さらに経営力向上計画はいつまでに認定されている必要があるのかを確認しておくようにしましょう。
2-2-2.事業継承・引継ぎ補助金の場合
事業継承・引継ぎ補助金の場合の公募要領には次のように記載されています。
交付申請時に有効な期間における「経営力向上計画」の認定、「経営革新計画」の承認又は「先端設備等導入計画」の認定書を受けていること。
事業継承・引継ぎ補助金の場合は、補助金の申請時までに経営力向上計画の認定を受けていて、認定書の写しの提出が可能であれば、加点が受けられるようになっています。
※事業継承・引継ぎ補助金では、補助金の申請のことを交付申請と呼んでおり、一般的な補助金採択後の交付申請手続きとは異なります。
経営力向上計画はいつでも申請が可能です。
補助金のスケジュールを確認しながら、早めに準備を進めるようにしましょう。
3.経営力向上計画の申請方法
3-1.申請方法
経営力向上計画申請プラットフォームからの電子申請または、郵送で申請が可能です。
※電⼦認定に対応していない省庁は、認定書を郵送で送付します。
経営力向上計画申請プラットフォーム https://www.keieiryoku.go.jp/
3-2.申請に必要な書類
・経営力向上計画認定申請書(様式第1)または(様式第2)
※不動産取得税の軽減措置を活用しない場合、様式第1/活用する場合、様式第2
下記、中小企業庁HPよりダウンロード可能です。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/ninteisinseisyo.html
※経営力向上計画申請プラットフォームから電子申請する場合プラットフォーム上で入力することで申請書を作成することができます。
経営力向上計画認定申請書は下記のような書面です。
【経営力向上計画認定申請書の見本】
その他、経営力向上計画によって受ける優遇内容によって提出書類が異なります。
経営力向上計画の申請方法について、詳しくはこちらの記事を参照してください。(準備中)
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、補助金を活用するにあたって経営力向上計画のメリットを享受するための注意事項について解説しました。
補助金を申請する前に、経営力向上計画の認定を受けておく必要があります。
経営力向上計画の認定には、申請から約30日かかります。
補助金を活用した新たな取り組みを実施したい時期を基準に、補助金のスケジュール、経営力向上計画認定までのスケジュールを逆算して計画を立てるようにしましょう。
経営力向上計画は、他にも税金や融資の面でのメリットも享受できます。
これから事業を拡大していきたいとお考えなら、ぜひこの機会に申請をお勧めします。
コメント