補助金の実務のプロが絶対に最初に伝えておきたい、ものづくり補助金の実績報告時の注意点について解説していきます。
ものづくり補助金の採択を受け、ホッとするのも束の間。
補助金の採択後~補助金の入金までは、下記のような流れになっています。
【ものづくり補助金の採択から補助金入金までの流れ】
採択を受けて終わりではないのが補助金制度です。
ご覧の通り、「実績報告」をきちんと完了させなければ、補助金は入金されません。
この実績報告の作業は、補助金事務局が求める書類を揃え提出する必要があり、手続きに頭を悩ませる方も少なくはありません。
そこで今回は、この「実績報告」の作業をよりスムーズに進めていただけるよう、あらかじめ注意しておいてほしいポイントについて、補助金実務のプロが解説していきます。
知らなかったでは、済まされないような重要なポイントを解説していますので、最後まで必ずチェックしてください!
1.手遅れになる前に専門家が伝えたい!【ものづくり補助金】実績報告の注意点
ものづくり補助金の実績報告では、事務局が求める書類を揃え提出する必要があります。
具体的には、見積書、契約書、納品書、請求書、振込依頼書、導入した設備の写真等の提出が求められます。
これらの書類それぞれに記載要件があり、要件を満たしていないと補助の対象外となってしまう恐れがあります。
気づいた時には、手遅れと言ったケースも散見されますので、次の6つについては予め注意して、補助事業を進めるようにしてください。
1-1.写真撮影を忘れずに!
ものづくり補助金の実績報告では、対象経費ごとに複数の写真(画像データ)の提出が必要になります。
具体的には、下記の4つの写真が必要です。
①納品時
②送付伝票
③設置前
④設置後
納品時の写真は、納品時の箱に入った状態でかつ、型番が記載された箇所が写っている必要があります。
箱を開封してしまうと、納品時の写真を撮影することが出来ませんので注意してください。
設置前の写真も同様、後で取り直すことが出来ません。
原材料など、量の多いものは全ての個数がわかるように撮影してください。
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP5の「写真撮影(画像データの保管)」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
1-2.証拠書類は、不備なく漏れなく揃える!
証拠書類とは、補助対象経費の支出の根拠となる経理書類のことです。
次の8つの書類の提出が必要になります。
業者によっては、再発行等に応じてくれない可能性もあるため、次の書類が必要になる事や、注意事項について伝えておくようにしましょう。
ものづくり補助金事務局の発行している「実績報告資料等作成マニュアル」業者に渡しておくのもおすすめです。
【証拠書類(経理書類)】
①見積依頼書(仕様書)
②見積書
③相見積書(税抜単価50万円以上の場合)
④注文書(契約書)
⑤受注書
⑥納品書
⑦請求書
⑧振込依頼書(振込金受取書)
上記の書類それぞれに、記載すべき要件が定められており特に日付については、見積依頼日から、補助事業の完了日まで、日付の整合が取れている必要があります。
※契約上、着手金や中間払いなど先払いが発生している場合、請求日・支払日が納品日より前でも問題ありません。
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP15~P18の「実績報告資料の作成手順ー(1)経理書類の整備」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
1-3.支払いは原則、銀行振込のみ
補助対象経費の支払いは、原則、銀行振込のみです。
他の取引との相殺や、手形、小切手、事業期間内に契約が完了しない割賦による支払いは認められません。
もし、少額を現金やクレジットカードで支払う場合は、事前にものづくり補助金事務局への相談は必要になります。
銀行振込であれば、銀行窓口、ATM振込、WEB振り込みでも問題ありません。
銀行窓口での振込の場合は、銀行の印のある振込依頼書(振込受取書)、ATM振込の場合は、利用明細、WEB振込の場合は、振込が完了したことの分かる画面の印刷が必要です。
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP19の「(1)経理書類の整備 ■振込金受取書(振込依頼書)」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
1-4.補助対象設備等の管理
補助金を活用して購入した機械装置や原材料などは、管理No.を記載したラベルを貼り付けて管理する必要があります。
実績報告書作成と同時にラベルの貼り付け作業も進めるようにしてください。
ここで別途注意したいのは、チラシ等の配布物やHP等を作成した場合、作成物に「令和〇年度 補正 ものづくり補助金により作成」の表示を入れる必要があります。
デザインの打ち合わせ等の段階で、予め業者に伝えておくようにしましょう。
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP4の「補助対象物件の管理・生産転用」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
1-5.期日は厳守!
実績報告提出の期日は厳守してください。1日でも提出が遅れると、補助金を受け取ることはできません。
基本的に、ものづくり補助金は採択をされると事業者ごとに担当者が付きます。
期日が近づくと連絡をくれる担当者もいるようですが、ご自身でも期日の管理は行うようにしてください。
実績報告書の提出期日は、次のいずれかの早い日です。(※通常枠の場合)
・補助事業の完了から起算して30日を経過した日
or
・補助事業完了期限日(交付決定から10カ月以内もしくは採択発表日から12カ月後の日まで)
補助金公募回や、交付決定のタイミング、補助事業完了のタイミングによって、各事業者ごとに期日が異なりますので注意が必要です。
補助事業の完了とは、設備等を導入・設置し、経費の支払いなどもすべて終え、それによる効果の検証を終えた状態のことを指します。
以下、4つの事例を使って解説していきます。
①採択発表から交付決定まで、スムーズに進んだケース
①-1.補助事業がスムーズに完了したケース
①-2.補助事業を補助事業完了期限日ギリギリまで実施していたケース
②採択発表から交付決定まで2ヶ月以上時間を要したケース
②-1.補助事業がスムーズに完了したケース
②-2.補助事業を補助事業完了期限日ギリギリまで実施していたケース
①採択発表から交付決定まで、スムーズに進んだケース
採択発表から、交付決定までスムーズに進めたケースを解説していきます。
通常でも、採択の発表から交付決定までは1か月程度時間がかかります。
採択発表から、交付決定までスムーズに進めたケースです。
この場合、補助事業完了期限日は令和6年9月1日となり、この期日までに補助事業を完了し、実績報告書を提出しなければなりません。
ただし、補助事業が完了したタイミングによって、実績報告書の提出期限が変わってきます。
以下の2つのケースで解説していきます。
①-1.補助事業がスムーズに完了したケース
①-2.補助事業を補助事業完了期限日ギリギリまで実施していたケース
①-1.補助事業がスムーズに完了したケース
第15次(令和5年7月28日締切)で採択、令和5年11月1日に交付決定を受けて以降、補助事業を実施し9カ月以内にスムーズに完了したケースの実績報告書の提出期限は次のようになります。
事例を元に解説します。
(例)令和6年4月1日に補助事業が完了した場合
実績報告書の提出期限は、下記のいずれか早い日になります。
・補助事業の完了から起算して30日を経過した日【令和6年5月1日】
or
・補助事業完了期限日(交付決定日から10カ月以内)【令和6年9月1日】
この場合、「補助事業の完了から起算して30日を経過した日【令和6年5月1日】」が実績報告書の提出期限となります。
①-2.補助事業を補助事業完了期限日ギリギリまで実施していたケース
同様に第15次(令和5年7月28日締切)で採択を受け、令和5年11月1日に交付決定を受けたが、補助事業の実施に時間を要し、補助事業完了期限日ギリギリまで補助事業を実施していたケースの実績報告書の提出期限は次のようになります。
(例)令和6年8月15日に補助事業が完了した場合
実績報告書の提出期限は、下記のいずれか早い日になります。
・補助事業の完了から起算して30日を経過した日【令和6年9月16日】
or
・補助事業完了期限日(交付決定日から10カ月以内)【令和6年9月1日】
この場合、「補助事業完了期限日(交付決定日から10カ月以内)【令和6年9月1日】」が実績報告書の提出期限となります。
②採択発表から交付決定まで2ヶ月以上時間を要したケース
もう一つのパターンとして、交付決定に2ヶ月以上の時間を要したケースを解説します。
第15次(令和5年7月28日締切)で採択を受けたが、交付決定日が、令和5年11月30日以降となった場合、補助事業完了期限日は、交付決定から10カ月以内ではなく、採択発表日から12カ月後の日となる令和6年9月29日までとなります。
交付決定まで、2ヶ月以上かかってしまうと補助事業の実施期間が短縮されてしまうので注意してください。
(例)第15次(令和5年7月28日締切)で採択を受け、令和6年2月1日に交付決定を受けた場合
令和6年2月1日となった場合、補助事業完了期限日は採択発表日から12カ月後の日となる令和6年9月29日までとなります。
ただし、上記の場合も、補助事業が完了したタイミングによって、実績報告書の提出期限が変わってきます。
以下の2つのケースで解説していきます。
②-1.補助事業がスムーズに完了したケース
②-2.補助事業を補助事業完了期限日ギリギリまで実施していたケース
②-1.補助事業がスムーズに完了したケース
第15次(令和5年7月28日締切)で採択、令和6年2月1日に交付決定を受けて以降、補助事業を実施し8月30日までに完了したケースの実績報告書の提出期限は次のようになります。
事例を元に解説します。
(例)補助事業完了日が令和6年8月1日の場合
実績報告書の提出期限は、下記のいずれか早い日になります。
・補助事業の完了から起算して30日を経過した日【令和6年8月31日】
or
・補助事業完了期限日(採択発表日から12カ月後の日)【令和6年9月29日】
この場合、「補助事業の完了から起算して30日を経過した日【令和6年8月31日】」が実績報告書の提出期限となります。
②-2.補助事業を補助事業完了期限日ギリギリまで実施していたケース
同様に第15次(令和5年7月28日締切)で採択を受け、令和6年2月1日に交付決定を受けたが、補助事業の実施に時間を要し、補助事業完了期限日ギリギリまで補助事業を実施していたケースの実績報告書の提出期限は次のようになります。
(例)令和6年9月15日に補助事業が完了した場合
実績報告書の提出期限は、下記のいずれか早い日になります。
・補助事業の完了から起算して30日を経過した日【令和6年10月15日】
or
・補助事業完了期限日(採択発表日から12カ月後の日)【令和6年9月29日】
この場合、「補助事業完了期限日(採択発表日から12カ月後の日)【令和6年9月29日】」が実績報告書の提出期限となります。
なお、第16次(令和5年11月7日締切)と今後公募が予定されている、第17次・第18次公募の補助事業完了期限日は、最終、令和6年12月10日となっています。
補助事業の実施期間が、短くなっていますので注意してください。
1-6.実績報告書は事前に地域事務局の確認が必要!
実績報告書の提出は、補助金申請や交付申請の時と同様に「Jグランツ」で行いますが、「Jグランツ」で提出をする前に、地方事務局の担当によって事前確認が実施されます。
地方事務局の担当による事前確認の完了後に「Jグランツ」から実績報告書の提出を行います。
原則、前章で説した実績報告書の提出期限は、「Jグランツ」から実績報告書の提出をする期限です。
事前に地域事務局の確認が必要であるため、補助事業が完了したら早急に実績報告書を作成し地域事務局に確認を依頼する必要があります。
ただし、実績報告書の提出期限ギリギリの場合は、地域事務局への提出をもって実績報告書の提出完了とみなしてもらえるケースがあります。
(「Jグランツ」からの実績報告書の提出は、実質、期日後となる。)
地域事務局によって、対応が異なる可能性がありますのであらかじめ確認をするようにしてください。
地域事務局の問合せ先はこちら
以上が、実績報告において手遅れになる前に知っておいて欲しい、6つの注意点です。
2.実績報告書の作成手順
実績報告書の作成手順は下記の通りです。
前章で解説した、注意点を抑えて実績報告書を完成させましょう。
2-1.経理書類の整備
見積書、契約書、納品書、請求書、振込依頼書等の経理書類を、費目ごとに管理Noを付けて整備します。
【証拠書類(経理書類)一覧】 | 費目一覧 |
①見積依頼書(仕様書) ②見積書 ③相見積書(税抜単価50万円以上の場合) ④注文書(契約書) ⑤受注書 ⑥納品書 ⑦請求書 ⑧振込依頼書(振込金受取書) | 機械装置・システム構築費 技術導入費 専門家経費 運搬費 クラウドサービス利用料 原材料費 外注費 知的財産権等関連経費 広告宣伝・販売促進費(特別枠のみ) 感染防止等対策費(特別枠のみ) |
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP15~P19の「実績報告資料の作成手順ー(1)経理書類の整備」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
2-2.費目別支出明細の作成
経費の費目ごとに支出一覧表を作成します。
支払日、支払先、経費内容、金額等を記載します。
費目別支出明細書は下記の様な書類です。
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP20の「費目別支出明細書の作成」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木))
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
2-3.様式第6の別紙2 経費明細表の作成
経費明細表を作成します。
交付申請書から、交付申請時の予定額を、費目別支出明細書からは実績額を転記します。
費目別支出明細書は下記の様な書類です。
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP21の「様式第6の別紙2 経費明細表の作成」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
2-4.様式第6の別紙1 実績報告書の作成
補助事業の実施内容を記載するものです。
具体的には、
●交付申請時の計画はどのようなものであったのか
●実際にどのような取組をしたのか
●取組の結果、どのような成果がうまれたのか
について記載し、報告します。
下記のような様式が用意されています。
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP22~25の「様式第6の別紙1 実績報告書の作成」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
2-5.その他必要な書類の作成
その他下記の書類を作成します。
その他必要な書類一覧 |
■様式第7 取得財産等管理台帳 ■写真 ■出納帳と通帳コピー ■専門家業務報告書 ■預り金元帳と納付書コピー ■補助対象物件受払簿 ■備品管理台帳 (感染防止対策費で購入・取得した物件のみ) ■様式第6の別紙3クラウドサービス利用費の内容 |
ここでは、ほとんどの事業者が必要になる次の3つについて解説します。
■様式第7 取得財産等管理台帳
■写真
■出納帳と通帳コピー
■様式第7 取得財産等管理台帳
取得価格が単価50万円(税抜)以上となる取得財産の取得日や金額、保管・設置場所、耐用年数等を記載します。
下記の様な書類です。
■写真
機械装置、原材料費、試作品、加工品、広告、感染防止対策費は、写真データの提出が必要です。
写真は、納品時、送付伝票、設置前、設置後と各場面の写真が必要になります。
ものづくり補助金公式HPから、「参考様式14 画像データ添付用台紙」をダウンロ―ドし、写真を貼り付けてください。
下記のような書類を作成します。
■出納帳と通帳コピー
出納帳と通帳のコピー両方の提出が必要です。
出納帳は、ものづくり補助金公式HPから「参考様式12」をダウンロードして作成してください。
下記のような書類を作成します。
通帳コピーは、表紙と支払い確認できるページを提出します。
補助事業に要した経費が確認できるように、通帳の該当箇所に、管理Noを記入します。
詳しくは、「実績報告資料等作成マニュアル」のP26~32の「(5)その他の必要な書類の作成」を参照してください。(※最終更新日:令和4年9月15日(木)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
2-6.地域事務局へ電子メールで送付
実績報告書が完成したら、地方事務局へ電子メールで送付します。
確認結果や修正などのやり取りが発生します。
2-7.Jグランツで入力(実績報告完了)
地域事務局の確認が完了したら、Jグランツより入力・書類のアップロードをして実績報告は完了です。
Jグランツへの入力方法については、別途「Jグランツ入力ガイド」を参照してください。
(※最終更新日:令和6年1月19日(金)のもの)
マニュアルは予告なく更新されることがあります。
ものづくり補助金HPの補助事業の手引きページより最新のものを確認するようにしてください。
3.補助金採択後の流れ
補助金採択後の流れは次の通りです。
それぞれ解説していきます。
3-1.補助金交付決定候補者の採択通知
ものづくり補助金の採択結果は、各公募回の締切日から1~2ヶ月後に、ものづくり補助金公式HPおよび、各事業者へメールにて通知されます。
この段階では、まだ補助金の獲得は約束されておらず、いわゆる「内定」の状態になります。
3-2.交付申請
補助金の採択通知後、「交付申請」の手続きが必要になります。
交付申請とは、補助事業計画に記載した経費内容の妥当性を判断するものです。
交付申請時には、見積書や相見積書を提出する必要があります。
3-3.交付決定
交付申請の手続き後、申請内容に問題がなければおおよそ1か月程度で交付決定通知のメールが送付されます。
この交付決定をもって、補助事業に必要な設備等の発注・契約・支払等が可能になります。
3-4.発注・契約・納品・支払い
交付決定通知メールに記載されている、「交付決定日」以降、補助事業完了期限日までに、補助事業に必要な設備等の発注・契約・支払等を行います。
(遂行状況報告)
補助事業の実施期間中に、補助事業の途中経過を報告する「補助事業遂行状況報告書」の提出を求められる場合があります。
(中間監査)
補助金事務局の担当官が実際に補助事業実施場所を訪問する中間監査が行われる場合があります。
監査のタイミングは事前に連絡が入ります。
3-5.効果の検証(補助事業の完了)
補助事業は、設備等を導入・設置しただけで終わりではありません。
経費の支払いなどもすべて終え、それによる効果の検証することで完了となります。
設備等を導入したことで、何がどのように改善したか等の効果を検証し、この後に提出する実績報告に検証結果を記載する必要があります。
これをもって補助事業は完了となります。
3-6.実績報告(実績報告書の提出)
補助事業の効果の検証ができたら、実績報告を行います。
実績報告では、事務局が求める書類を揃え提出する必要があります。
具体的には、見積書、契約書、納品書、請求書、振込依頼書、導入した設備の写真、実施した補助事業の具体的内容とその成果を記載した報告書等の提出が求められます。
これらの書類それぞれに記載要件があり、要件を満たしていないと補助の対象外となってしまう恐れがあります。1章で解説した、注意点を参考に、実施してください。
3-7.確定検査(補助金交付額の確定)
実績報告書を提出し、確定検査の結果、書類等に不備がなければ最終的な補助金交付額が決定となります。
3-8.補助金の請求
補助金交付額が決定するとJグランツ上から補助金を請求することが出来るようになります。
3-9.補助金の入金
Jグランツ上から補助金の請求を行うと約1~2週間で指定した口座に補助金が入金になります。
3-10.事業化状況報告・知的財産権等報告(年1回、5年間、計6回)
補助金の入金後も、5年間にわたって、補助事業の成果を報告する義務があります。
賃金引上げの状況なども、この事業化状況報告・知的財産権等報告で確認されることになります。
この報告の結果、申請当初の賃金の引き上げの要件を満たしていなかったり、補助事業が大きく成功していた場合、補助金の返還義務が生じるケースがあります。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ものづくり補助金の実績報告の作業をよりスムーズに進めていただけるよう、あらかじめ知っておいて欲しい注意点について解説しました。
注意点は以下の6つです。
1.写真撮影を忘れずに!
2.証拠書類は、不備なく漏れなく揃える!
3.支払いは原則、銀行振込のみ
4.補助対象設備等の管理
5.期日は厳守!
6.実績報告書は事前に地域事務局の確認が必要!
後からでは、用意の難しい書類や写真、気が付いたら期日ギリギリになってしまっていたなど、実際に実績報告時によくあるトラブルを元にしています。
苦労して採択、交付決定まで進めた補助金を、確実に受け取ることが出来るよう慎重にそして期日には余裕を持って実績報告の作業を進めるようにしましょう。
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