【ピンチの時の融資制度】セーフティネット保証4号・5号とは?違いや申請方法を解説

【ピンチの時の融資制度】セーフティネット保証4号・5号とは?違いや申請方法を解説

新型コロナウイルス感染症にかかるセーフティネット保証4の指定期間が令和6年3月31日までから、令和6年6月30日までに延長されました!(借換のみ)

セーフティネット保証とは、銀行や信用金庫などの民間の金融機関から、保証協会付き融資を受ける際に、一定の要件をクリアした事業者に対して、通常の融資枠とは別に融資枠を設け、資金調達をしやすくする制度です。

セーフティネット保証は、なんらかの理由で経営状況が悪化している事業者を救済するための融資制度であり、経済産業省が発動をすることで利用できるようになります。
要件をクリアしている場合、有利に融資を受けることができるため銀行等の金融機関の担当者から制度の利用を勧められることがあります。

セーフティネット保証には、1号~8号まで種類があり、2024年3月現在は、新型コロナ感染拡大に伴い、4号と5号が発動しています。

【セーフティネット保証】
1号:連鎖倒産防止
2号:取引先企業のリストラ等
3号:突発的災害(事故等)
4号:突発的災害(自然災害等)
5号:業況の悪化している業種(全国的)

6号:取引金融機関の破綻
7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

今回は、現在発動中の4号と5号について詳しく解説していきます。
セーフティネット保証は、ピンチの時に利用できる融資制度です。
もしもの時のためにこのような制度があるということを頭の片隅に入れておきましょう。

創業融資サポート

1.セーフティネット保証4号・5号とは?

セーフティネット保証とは、経営状況が悪化している事業者を救済するための制度で、一定の要件をクリアし、認定を受けた事業者は、資金調達がしやすくなります。

2024年3月現在、4号と5号が発動されています。
この4号と5号の違いについて、詳しく解説していきます。

結論:主に申請要件が異なります。

【セーフティネット保証4号と5号の比較(令和6年3月現在)】

項目4号
5号
目的突発的災害(自然災害等)の発生に起因して売上高等が減少している中小企業者を支援業況が悪化している業種に属する中小企業者を支援
指定案件
(令和6年3月現在)
・新型コロナウイルス感染症
・令和5年台風13号に伴う災害
・令和6年能登半島地震
地域の要件あり
指定地域で1年以上事業を行っている
なし
業種の指定なしあり
3カ月毎に見直し
売上減少要件指定を受けた災害等の発生により最近1か月の売上高等が前年同月に比べて20%以上減少しており、かつ、その後2ヶ月を含む3カ月間の売上高等が前値年同期に比べて20%以上減少することが見込まれる中小企業者下記のいずれかを満たしていること。
(イ)最近3カ月間の売上高等が前年同期に比べて5%以上減少している中小企業者
(ロ)製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上上昇しているにも関わらず製品等の価格に転嫁できていない中小企業者
金利各金融機関所定の金利各金融機関所定の金利
保証料率おおむね1%以内おおむね1%以内
金融機関からみた、貸しやすさ4号の方が貸しやすい4号に比べると貸しにくい

それぞれ解説していきます。

1-1.目的

4号:突発的災害(自然災害等)の発生に起因して売上高等が減少している中小企業者を支援
5号:業況が悪化している業種に属する中小企業者を支援

セーフティネット保証の4号と5号とでは、目的が若干異なります。
4号は、突発的な災害によって、売上高等が減少している中小企業者への支援を目的としています。
5号は、全国の業況が悪化している業種に属する中小企業者を支援することを目的としています。

具体的な違いは、この後に説明する、案件や地域、業種の指定に現れます。

1-2.指定案件(令和6年3月時点)

4号:新型コロナウイルス感染症/令和5年台風13号に伴う災害/令和6年能登半島地震
5号:なし

4号は、突発的災害(自然災害等)の発生によって発動されるものであるため、都度対象となる案件を指定しています。
令和6年3月時点では、次の3つの案件が指定されています。
案件ごとに指定期間が定められており、期日内に申請手続きを行い認定を受ける必要があります。
指定期間は3カ月毎に、実態の調査を行い、必要に応じて延長されます。

案件指定期間
新型コロナウイルス感染症令和2年2月18日~令和6年6月30日
令和5年台風13号に伴う災害令和5年9月8日~令和6年5月28日
令和6年能登半島地震令和6年1月1日~令和6年5月1日まで

※新型コロナウイルス感染症にかかるセーフティネット保証4号について、現在は借換目的のみが利用できるようになっています。
 借換に伴う追加融資は可能です。

5号は、案件の指定がありません。
原油高など、様々な要因によって売上が減少している事業者が利用することができます。(売上の減少要件有)
ただし、利用できるのは指定された業種に限られます。詳しくは、【1-4.業種の指定】で詳しく解説します。
※売上の減少の要因は指定されていないため、新型コロナウイルス感染症によって売上が減少している場合でも、業種や売上減少要件をクリアしていれば5号を利用することが出来ます。

1-3.地域の指定

4号:あり(指定地域で1年以上事業を行っていること)
5号:なし

4号は、突発的な災害によって、売上高等が減少している中小企業者への支援を目的としていることから、災害等が発生した地域に限定して発動されます。
前述した指定案件となります。
各指定案件ごとの指定地域は下記の通りです。

案件指定地域
新型コロナウイルス感染症全国
令和5年台風13号に伴う災害茨城県(日立市/高萩市/北茨城市)
令和6年能登半島地震新潟県(新潟市/長岡市/三条市/柏崎市/加茂市/見附市/燕市/糸魚川市/妙高市/五泉市/上越市/南魚沼市/三島郡出雲崎町)
富山県(富山市/高岡市/魚津市/氷見市/滑川市/黒部市/砺波市/小矢部市/南砺市/射水市/中新川郡舟橋村/中新川郡上市町/中新川郡立山町/下新川郡入善町/下新川郡朝日町)
石川県(金沢市/七尾市/小松市/輪島市/珠洲市/加賀市/羽咋市/かほく市/白山市/能美市/野々市市/能美郡川北町/河北郡津幡町/河北郡内灘町/羽咋郡志賀町/羽咋郡宝達志水町/鹿島郡中能登町/鳳珠郡穴水町/鳳珠郡能登町)
福井県(福井市/あわら市/坂井市)

※新型コロナウイルス感染症に関しては、全国的に影響を受けているため実質、地域の指定はない状態となっています。

5号は、地域の指定はありません。

1-4.業種の指定

4号:なし
5号:あり(3カ月毎に指定業種が見直される)

4号は、業種の指定はありません。
5号は、業種の指定があり、3カ月毎に見直されます。
5号の指定業種は、中小企業庁のホームページから確認できます。
中小企業庁,「セーフティネット保証保証制度(5号:業況の悪化している業種(全国的))
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_5gou.html

自社がどの業種に該当するかは、日本標準産業分類を元に特定します。
下のサイトから検索することができます。
▶e-Stat:日本標準産業分類検索サイト

複数の業種を行っている場合、判定方法が複雑になります。
詳しくは専門家に問い合わせるようにしてください。

1-5.売上減少要件

4号:指定を受けた災害等の発生により最近1か月の売上高等が前年同月に比べて20%以上減少しており、かつ、その後2ヶ月を含む3カ月間の売上高等が前値年同期に比べて20%以上減少することが見込まれる

5号:下記のいずれかを満たしていること。
(イ)最近3カ月間の売上高等が前年同期に比べて5%以上減少している
(ロ)製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上上昇しているにも関わらず製品等の価格に転嫁できていない

売上を比較する期間及び、減少率が異なります。
4号の方が、売上の減少要件は厳しくなっています。
売上減少要件について詳しくは、専門家に問合せるようにしてください。

1-6.金利

4号:各金融機関所定の金利
5号:各金融機関所定の金利

4号、5号とで大きな差はありません。

1-7.保証料率

4号:おおむね1%以内(各信用保証協会毎および各保証制度毎に定められる)
5号:おおむね1%以内(各信用保証協会毎および各保証制度毎に定められる)

4号、5号どちらも、おおむね1%以内と一般的な融資に比べ、低く設定されています。
自治体により、保証料の補給を受けられる場合があります。

1-8.金融機関からみた、貸しやすさ

4号:4号の方が貸しやすい
5号:4号に比べると貸しにくい

金融機関の目線からみると、4号の方が貸しやすいとされています。
これは、信用保証協会による保証率が関連しています。
保証率とは、もし事業者が融資の返済が出来なくなった時に、信用保証協会が代位弁済をする割合のことです。
4号の保証率は100%であるのに対して、5号の保証率は80%ですので、金融機関からすると、20%分のリスクを負うことになります。
その分、融資審査も慎重に行われるようになり、結果、5号の方が貸しにくいということになります。

よくある質問

Q1.新型コロナウイルス感染症が要因で売上が減少している場合は、4号・5号どっち?
A1.どちらも利用することが出来ます。業種と売上減少の要件を確認し、該当する方を選択します。

どちらの要件もクリアしている場合は、融資の成功確率を高めるという意味で、4号を狙うのがベストです。

Q2.4号と5号どちらが利用できるかわからない
A2.まず、売上が減少している要因は何なのかを特定してください。

売上の減少要因がわかったら、下記のフローチャートを参考に、4号5号のどちらに該当するのか、もしくは対象外なのかを検討してください。

【フローチャート(簡易版)】
4号、5号判定フローチャート※詳しくは専門家に問い合わせてください。

 


2.セーフティネット保証の申請方法

セーフティネット保証を利用するためには自治体から認定を受ける必要があります。
4号・5号、どちらの場合も、基本的な手続きの流れは同じです。

セーフティネット保証の手続き方法は以下の通りです。

①各自治体ホームページから「認定申請書」をダウンロード
②認定申請書の作成及び、必要書類の準備
③自治体の商工担当課等の窓口へ提出
④認定書の発行
⑤認定書を持参し金融機関へ融資申込
⑥融資の審査
⑦融資実行

それぞれ詳しく解説していきます。

①各自治体ホームページから「認定申請書」をダウンロード

本店所在地、個人事業主の場合は主たる事業所のある自治体のホームページにアクセスし、ホームページ内に設置されている検索窓に「セーフティネット保証 認定申請書」と入力します。
すると、該当するページが表示されますので、「認定申請書」をダウンロードします。

②認定申請書の作成及び、必要書類の準備

認定申請書の作成と必要書類を準備します。

【必要書類】
・認定申請書(2部)
・登記事項証明書(履歴事項全部証明書など)または定款の写し【法人の場合】
・許認可証の写し【許認可を必要とする業種の場合】
・決算書の写し直近1期分【個人は確定申告書の写し】
・売上減少等が確認できる資料
4号の場合:売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが分かる資料
5号の場合:(イ)最近3か月及び前年同期の売上高の確認書
(ロ)最近3か月の原油等の仕入価格が確認できる資料(領収証、納品書の写し等)

※自治体により異なる場合があります。各自治体のホームページ等でご確認ください。

③自治体の商工担当課等の窓口へ提出

作成した「認定申請書」と必要書類を、自治体の担当窓口へ提出します。
発行までに数日かかります。

④認定書の発行

自治体から認定書が発行されます。
窓口へ直接取りに行く、または郵送で受け取ります。

⑤認定書を持参し金融機関へ融資申込

自治体から発行された認定書を持参し、信用金庫や地方銀行など民間の金融機関へ融資の申込を行います。
認定書が発行されたからと言って、融資が確約されているわけではありません。
事業計画書などを作成し、事業の改善計画をアピールしましょう。

⑥融資の審査

金融機関と信用保証協会の審査が行われます。

⑦融資実行

審査を通過することができたら、晴れて融資の実行です。

各自治体に認定書発行申請をしなければなりませんので、通常の融資より時間と工数がかかります。
最短でも2ヶ月程度はかかるとみておきましょう。

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3.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、ピンチの時に役立つ融資制度、【セーフティネット保証】について解説しきました。
令和6年3月時点では、4号と5号が発動しています。

新型コロナウイルス感染症や、震災、物価高等で売上が減少してしまっている事業者は是非、利用を検討してみてください。
ただし、申請には要件がありますので注意が必要です。

この先も、事業をしていると何があるかわかりません。
ピンチの時には、【セーフティネット保証】という融資制度があることを思い出してみてください。

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