融資の専門家が教える!建設業の創業融資を成功させる10のポイント

融資の専門家が教える!建設業の創業融資を成功させる10のポイント

建設業の創業融資を成功させる10のポイントについて解説します!

建設業界は、民間の建設投資が増加傾向にあることや、社会インフラの維持メンテナンス等により需要は堅調に維持されていく見込みです。
一方で、近年建設業界は、高齢化や人手不足、物価高が常態化しています。
高齢化や人手不足、物価の高騰が原因で工期がずれ込んでしまう悪循環に陥り、中小建設業は非常に厳しい状況にあります。

このような背景の中で、建設業を創業し、事業を継続していくためには、創業融資の活用による資金調達は欠かせません。
そこで今回は、建設業で創業融資を成功させるためのポイントについて解説していきます。
ポイントを抑えることで、融資の成功確率を大幅に高めることができます。

創業融資サポート

1. 建設業向けの融資制度 

建設業の創業時に、まず活用したい融資制度は次の2つです。

1-1.日本政策金融公庫の創業融資
1-2.信用保証協会付き融資(銀行・信用金庫)

それぞれ解説していきます。

1-1.日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫の創業融資とは、創業時に受けることができる代表的な融資制度の一つです。
初めて融資を検討する場合は、日本政策金融公庫の創業融資がおすすめです。

日本政策金融公庫の創業融資をおすすめする主な理由は次の3つです。

①創業融資に積極的
日本政策金融公庫は貸し倒れリスクの高い、起業したばかりの小さな企業や個人事業主に対しても、積極的に融資をしたいという姿勢で対応してくれます。

②無担保・無保証人
無担保・無保証人で融資をしてくれます。
法人の場合、個人の資産を守りながら起業にチャレンジすることができます。

融資実行までのスピードが早い
融資の申し込みから1カ月程度で融資が実行されることが多いです。
不足資料がなく審査も順調に進むと、早い場合は2週間で実行されることもあります。

1-2.銀行からの融資(信用金庫・地方銀行)

日本政策金融公庫の創業融資の次におすすめなのが、信用金庫や地方銀行からの融資です。
事業をする上で、銀行との付き合いは絶対に必要になります。
信用金庫や地方銀行は、親身になって相談に乗ってくれるため、初めての融資でも安心して申込を進めることができます。

日本政策金融公庫の創業融資を受けた後に、銀行の融資にもチャレンジしましょう。

専門家からのアドバイス

●まずは日本政策金融公庫から申し込みをしましょう。
  日本政策金融公庫は融資の申込から最短で1か月程度で融資の実行まで進めることが出来ます。 
一方、銀行は最短でも1か月半程度かかります。まずは日本政策金融公庫から申し込みをしましょう。
いち早く事業をスタートさせていくためにも、まずは日本政策金融公庫から申し込みを進めていきましょう。

●そして、日本政策金融公庫の創業融資を受けたら融資金の入金先をこれから融資の相談をしたい金融機関の口座に指定しましょう。
日本政策金融公庫には、預金の機能がありませんので融資金の入金先を外部の金融機関に指定する必要があるのです。
そこで、これから融資の相談をしたい金融機関の口座に融資金を入金すると、金融機関側から、「メインバンクとして利用してもらえる」「日本政策金融公庫の審査を通過した一定の信用力のある企業である」と言った目で見てもらうことができます。
融資の相談もスムーズに進む可能性が高くなります。


2.建設業の創業融資を成功させる10のポイント

建設業における融資のポイントを解説していきます。
この事業が成功するということを納得してもらうためには、より多くの情報を提供することが重要です。

重要なポイントは次の通りです。

【建設業の創業融資を成功させる10のポイント】

項目チェックポイント
2-1.創業の動機・独立に至った動機や背景を説明できるか。
・事業の実現性を感じてもらうことができるか。
2-2.経営の略歴等・経営者本人の経験を専門用語を使わずに説明できるか。
2-3.取扱商品・サービス・具体的な業務内容やお金の流れを簡潔に説明できるか。
2-4.取引先・取引関係等・元請・下請・孫請け・外注・仕入先との取引関係を説明できるか。
・契約書や営業リストなどの提出ができるか。
2-5.従業員・従業員のスキルや採用予定について具体的に説明できるか。
2-6.代表者個人の借入について・カードローンや消費者金融からの借入はないか。
2-7.設備資金・必要な設備の金額や用途は明確か。
2-8.運転資金・入金と支払のサイクル、必要な運転資金を理解しているか。
2-9.自己資金・開業に必要な費用の3分の1以上用意できているか。
2-10.事業の見通し・営業利益がプラスの計画が立てられているか。

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1.創業の動機

独立に至った動機や背景、創業して成し遂げたいことをしっかりと説明できるようにしましょう。
ただ、「儲かりそうだから」「自由に働きたいから」ではなく、次の5点を意識して伝えるようにしましょう。

①いつから独立を考えていたのか
②どのような経験を積み準備をしてきたのか
③なぜ今このタイミングで独立を実行したのか
④独立をすることで何を実現することが出来るのか
⑤第三者が聞いても事業の実現可能だと感じてもらえるか

2-2.経営の略歴等

建設業は、職人業であることから、経営者自身の経験が重要です。
職歴はもちろんですが、どのような業務を担当し、どのような経験を積んだのか、どのような技術を獲得したのかを誰にでもわかるように説明してください。
ポイントは、専門用語は使わないことです。
融資担当者は、融資のプロですが、建設業界については詳しくはありません。
専門用語を使ってしまうと、せっかくの経験や技術について、きちんと伝わらない可能性があります。

建設業の場合、前職からの繋がりで仕事を受注するケースも多いので、独立後に活かせる繋がりについても積極的に伝えるようにしましょう。

2-3.取扱商品・サービス

具体的な業務内容やお金の流れを説明できるようにしてください。
この時も、専門用語は使わずに、誰にでも伝わるような説明を心がけてください。
言葉での説明が難しい場合は、写真や図解を用意することをおすすめします。

2-4.取引先・取引関係等

元請・下請・孫請け・外注・仕入先との取引関係について整理し、説明できるようにしてください。
元請から、継続した受注があるのか、自社で一から営業をかけていく必要があるのか等も、重要なポイントです。

取引先は、多ければ多い方が良いです。
取引が一社だけに依存してしまっていると、その会社との契約が切れたり、その会社が倒産してしまった時に、事業が継続できなくなっていまうため、審査では不利になります。
融資の担当者は、取引先の経営状態なども調べています。
取引先の経営状態までは、知ることは難しいと思いますので、リスクを分散するという意味でも、取引先は複数確保しておくことをおすすめします。

既に契約を結んでいる場合は、契約書のコピーを提出しましょう。
特に、販売先(売上の入金元)との契約書は、売上が確保できるという証拠になりますので、有効的です。
契約をまだ結んでいないという場合は、契約予定先リストや、営業先リストなどを作成すると、事業の実現性が高まり、審査で評価してもらうことができます。

2-5.従業員

既に雇用する従業員が確定している場合は、従業員のスキルなど説明できるようにしましょう。
確定していない場合は、候補はいるのか、どのように採用活動をしていくのか、具体的に説明できるようにしてください。 

2-6.代表者個人の借入について

代表者個人の借入についての情報を提示する必要があります。
一般的な、住宅ローンや車のローンは、融資審査で大きな問題になることはありませんが、カードローンや消費者金融からの借り入れがある場合、大きく影響します。

可能な限り完済してから、融資の申込をするのがベストです。
もし、借入残高がある状態で融資の申込をする場合は、自己資金からカードローン等の借入残高が相殺され、評価が行われます。
仮に、自己資金を500万円用意していた場合でも、カードローン等の残高が100万円ある場合、自己資金は400万円として評価されることになるでしょう。

また、カードローン等を利用した理由を尋ねられる可能性もあります。
正直に回答するようにしてください。

時々、カードローンや消費者金融からの借入を隠そうとする方がいますが、融資担当者は調べることが可能です。
信用を失い、融資審査でさらに不利になりますので、必ず正直に申告するようにしましょう。

2-7.設備資金

中小建設業の場合、工具や車両などを購入するケースが多いです。
具体的にどのような工具、車両が必要なのか事前に見積もりを取得し提出します。
これらの設備の必要性や売上への貢献度を積極的に融資担当者に伝えるようにしてください。

設備資金の用途は、融資の担当者もシビアにチェックしてきます。
相場から逸脱した金額の設備投資があると、「本当にこの投資は必要なのか?」「もう少しランクを下げたものではダメなのか?」「中古ではダメなのか?」などの質問をされることがあります。

設備資金で融資を受ける時の注意点について詳しくはこちらの記事を参照してください。

2-8.運転資金

建設業は、運転資金をいかに多く、余裕をもって確保できているかが重要です。
融資担当者も、建設業にとって運転資金が重要である事は重々理解していますが、事業者本人が、どれだけ運転資金が必要なのかを良く理解し、必要性を融資担当者へ訴えることが大切です。

建設業にとって、運転資金は事業を継続していくための命綱のようなもの。
運転資金が不足し資金繰りが悪化すると、あっという間に建設業は倒産の危機に陥ります。
建設業は、事業が軌道に乗り、工事の受注件数が増えるほど、資金繰りが苦しくなる特性がありますので、注意が必要です。

なぜ、建設業にとって運転資金が重要なのか、その理由として次の2つが挙げられます。

①工期が長く、受注から入金まで時間がかかるため
②材料費や人件費、外注費など先行して支払うものが多いため

建設業の場合、工事の完成後に工事代金が入金となるケースが多く、その間の材料費や人件費、外注費は先に支払わなければなりません。
入金より、支払いのタイミングが先に来てしまうことによって運転資金が不足し資金繰りが苦しくなるよくあるパターンです。

さらに、建設業界では天候などによって工期が伸びてしまったり、追加工事が発生したりすることもあるため、想定外に資金繰りに困窮するケースもよくあります。

建設業の場合は単価も大きいため、受注件数が増えるほど、資金繰りは苦しくなってしまうのです。
創業時は、想定で構いませんので、平均的な入金と支払いのサイクルを把握しておきましょう。
また、先に支払わなくてはならない、材料費や人件費、外注費なども見積もっておくようにしましょう。

それによって必要な運転資金の金額を見積もることが出来ます。
既に、工事の受注が決まっている場合は、融資担当者から受注工事明細表の提出を求められる場合があります。
受注工事明細表とは、工事の受注状況を一覧にしたもので、受注金額や工期、入金と支払いの予定などを記載します。

受注工事明細表は、日本政策金融公庫のホームページからダウンロードすることができます。
受注工事明細表(Excel)ダウンロード(日本政策金融公庫)

運転資金を融資で調達するためのコツについて詳しくはこちらの記事を参照してください。

2-9.自己資金

自己資金は、開業に必要な費用の3分の1以上用意しておくと融資審査を有利に進めることができます。
自己資金は、多ければ多いほど融資の審査が有利になります。
自己資金は、第三者が確認できる「創業への熱意」だからです。
コツコツと創業の為に計画的に積立をしてきた形跡を、通帳の履歴で見せられるようにしましょう。

建設業許可を取得するための費用は、融資を受けることはできません。
財産要件として、建設業許可を取得するためには資本金として500万円が必要になります。
資本金を融資で調達することはできませんの注意してください。

2-10.事業の見通し

売上、原価(材料費、労務費)、販売費及び一般管理費を見積もり、利益が出る事業の見通しを立てましょう。

売上から原価(材料費・労務費)を引いたものを粗利益と言います。
粗利益率は20~25%を目指しましょう。
この粗利益の中から、法人の場合、社長の役員報酬、事務所家賃、交通費などの販売費及び一般管理費の支払いを行うことになります。

次に、粗利益から、販売費及び一般管理費を引いたものを営業利益と言います。
営業利益とは、営業活動の中で得た利益のことです。
建設業の場合、営業利益率は1~5%程度と言われています。

融資の返済は、この営業利益の中から行うことになります。
必ず営業利益はプラスになるように事業の見通しを立て、融資の返済が滞りなく行えるということをアピールしましょう。

創業計画書の事業の見通しの書き方について詳しくはこちらの記事参照してください。

創業融資サポート

3.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、建設業の創業融資を成功させる10のポイントについて解説しました。

チェックすべきポイントは以下の通りです。

【建設業の創業融資を成功させる10のポイント】

項目チェックポイント
2-1.創業の動機・独立に至った動機や背景を説明できるか。
・事業の実現性を感じてもらうことができるか。
2-2.経営の略歴等・経営者本人の経験を専門用語を使わずに説明できるか。
2-3.取扱商品・サービス・具体的な業務内容やお金の流れを簡潔に説明できるか。
2-4.取引先・取引関係等・元請・下請・孫請け・外注・仕入先との取引関係を説明できるか。
・契約書や営業リストなどの提出ができるか。
2-5.従業員・従業員のスキルや採用予定について具体的に説明できるか。
2-6.代表者個人の借入について・カードローンや消費者金融からの借入はないか。
2-7.設備資金・必要な設備の金額や用途は明確か。
2-8.運転資金・入金と支払のサイクル、必要な運転資金を理解しているか。
2-9.自己資金・開業に必要な費用の3分の1以上用意できているか。
2-10.事業の見通し・営業利益がプラスの計画が立てられているか。

創業融資においては、いかに「これから事業が成功し、融資の返済ができるか」ということを融資担当者に納得してもらうことが重要です。

今回解説したポイントを抑え、より多くの情報を提供し、融資の審査で適切な評価をしてもらえるようにしましょう。

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