
「ブラックリストに載ってしまっているから…」
「ローンが通らなかったことがある…」
「昔、支払いが遅れたことがあるから、お金を借りるのは無理だろう…」
そんな理由で創業融資を諦めていませんか?
実は、そのような場合でも創業融資が受けられる可能性はゼロではありません。
もちろん、融資の審査では信用情報をチェックしています。
ですが、それだけで融資の可否を決定しているわけではありません。
自己資金や事業計画などその他の情報も含めて総合的に返済能力を判断し融資の可否を決定しているのです。
また、「ブラックリスト」と一言で言っても、程度や現在の状況によって、創業融資が受けられる可能性は異なります。
そこで 本記事では、自分の信用情報に不安がある方が、創業融資を受けるためにやるべき具体的なアクションについて解説していきます。
何もせずに起業を諦めるのまだ早いです。まず行動して、起業の夢に一歩ずつ近づきましょう。
目次
0.ブラックリストとはどういう状態なのかを理解する。
初めに、ブラックリストとは何かを理解することが重要です。
ブラックリストといっても、実際に何か一覧表のようなリストがあるわけではなく、信用情報機関に登録された金融事故のことを指します。
金融事故が発生すると、いゆるブラックリスト入りの状態となります。
金融事故になる主なパターンは次の3つです。
①61日以上の支払遅延、3カ月連続での返済遅延
②代位弁済
③債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)
それぞれ解説します。
①61日以上の支払遅延、3カ月連続での支払遅延
61日以上支払いが遅延したり、3ケ月連続で返済が遅れた場合、ブラックリストに登録されてしまいます。
61日以上の支払遅延とは、返済期限を過ぎてから61日以上経過しても支払われていない状態を指します。
3カ月連続での支払遅延とは、3カ月間にわたって毎月の支払いが期限を過ぎてから行われている状態を指します。
例えば、3回連続して支払い期限を守らず、毎月遅延が発生している場合です。
支払いが一度でも遅れると信用情報には、支払いが遅れている旨が登録されます。
一度の支払い遅れであれば、ブラックリストとなることは基本的にありません。
②代位弁済
代位弁済とは、本人が支払いできない場合、保証会社等が代わりに返済をおこないます。
代位弁済が発生すると、ブラックリストに登録されてしまいます。
おおよそ、3カ月以上の滞納が続くと代位弁済が行われるケースが多いです。
代位弁済が発生すると、信用情報には「代位弁済」や「保証履行」と記載されています。
③債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)
債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)とは、借金を減額してもらったり、帳消しにする制度です。
任意整理を行うと、ブラックリストに登録されてしまいます。
債務整理が行われると、信用情報には「異動」と記載されます。
1.自分の最新の信用情報を調べる。
まずは、ブラックリストに、載っていないかをチェックしましょう。
次の方法でご自身の信用情報を確認することができます。
信用情報の調べ方
ネットや郵送で、ご自身の信用情報について開示請求を行うことができます。
過去に利用したローンの種類により、管理をしている機関が異なります。
下記のURLから開示請求を行ってみてください。
| 機関名 | 登録内容 |
| 株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカート 各種ローン |
| 全国銀行個人信用情報センター(全銀協) | 銀行ローン 奨学金 |
| 株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融のローン |
※機関名クリックで、各個人信用情報機関のサイトへリンクします。
信用情報の詳しい見方についてはこちらの記事で解説しています。
▶【日本政策金融公庫】信用情報取得後はここを見ろ! たった3つのポイントをチェックするだけで安心して融資申請できるかどうか分かる!
2.信用情報の開示結果に応じた具体的なアクション
信用情報の開示結果、どのような記載がありましたか?
信用情報の結果に応じて融資の可能性や、やるべき具体的なアクションが異なります。
今回は、次の3つのパターンで解説していきます。
ご自身の信用情報の結果に最も近いものを確認してください。
2-1.ブラックリストには該当しなかった・支払遅延もない場合
2-2.ブラックリストには該当しないものの、支払遅延の記載あった場合
2-3.ブラックリストに該当していた場合
2-1.ブラックリストには該当しなかった・支払遅延もない場合
ブラックリストに該当するような金融事故もなければ、支払遅延の記載もない、いわゆる「信用情報ホワイト」の場合は、不安なく融資申請をすることが出来ます。
自己資金を準備し、事業計画をしっかりと作り込んで審査に挑めば、創業融資を受けられる可能性は高いです。
不安に思い、信用情報の開示を行ってみたところ、特に金融事故の情報の記載はなったというパターンは意外にも多くあります。
前述した通り、金融事故や支払遅延の情報は、一定の期間経過後に抹消されるためです。
| 創業融資成功のためにやるべき具体的なアクション |
| 開業に必要な費用の3分の1以上の自己資金を準備したり、創業計画書を作り込むなどして、万全の準備を整えて、審査に挑みましょう。 創業融資を成功させるためのポイントについて詳しくはこちらの記事で解説しています。 もれなくチェックして審査に挑んでください。 ▶創業融資成功への全15ポイント!融資の専門家が徹底解説 |
【補足情報】信用情報におけるスーパーホワイトとは??審査で不利になるって本当?
スーパーホワイトとは、ローンを組んだことやクレジットカードを作ったことがなく、信用情報に何も記録がない状態のことを指します。
(信用情報には、金融事故情報だけでなく、ローンやカードの契約や申込の記録も含まれます。)
スーパーホワイトの場合、審査で不利になる可能性があります。
その理由は以下の通りです。
・返済実績がないため、返済能力を判断できない
金融機関は返済実績をもとに信用力を評価しますが、スーパーホワイトではその判断材料がありません。
・過去に金融事故を起こした可能性を疑われる
過去に金融事故を起こしたためにローンやクレジットカードを利用できず、その結果スーパーホワイトになっていると疑われることがあります。
これが理由で金融機関は融資を踏み倒されるリスクが高いと判断し、審査が不利になることがあります。
たとえ、現金主義で後ろめたいことがないような方でも、このような理由で審査に不利になる可能性があるのです。
2-2.ブラックリストには該当しないものの、支払遅延の記載あった場合
ブラックリストには該当しないものの、過去に1〜2回の支払遅延が記載されている場合、融資審査でマイナス評価を受けることがあります。
しかし、それでも、創業融資を受けられる可能性は十分にあります。
支払遅延によるマイナス評価を、他の項目でプラス評価を得ることで補えば、創業融資成功の道筋が見えてきます。
なぜなら、創業融資の審査は自己資金や事業計画などの情報も含めて総合的に返済能力を判断し、融資の可否を決定するためです。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 金融事故とならずとも、支払い遅延した形跡は信用情報に残っているため、支払い遅延が常習的であると融資審査に影響を及ぼします。
(お金にルーズな人間だと思われてしまいます。) - 融資申込直前の半年以内に支払い遅延があると、融資審査に影響があります。
| 創業融資成功のためにやるべき具体的なアクション |
支払遅延によって受けてしまった、マイナス評価を他の項目で補い総合評価で創業融資を勝ち取りましょう。 ①支払遅延は絶対に避ける ②経験・実績をアピール ③自己資金をなるべく多く準備する 融資審査における自己資金の考え方について詳しくはこちらの記事を参照してください。 ④創業計画書を作り込む 創業計画書の書き方について詳しくはこちらの記事を参照してください。 ⑤面談対策をする 面談攻略のコツやよくある質問について詳しくはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。 面談のコツをおさえ、スムーズに受け答えをすることで、支払遅延によるマイナスの評価を補うことができます。 また、面談では、創業計画の他に、人柄等も見られています。 |
2-3.ブラックリストに該当していた場合
信用情報に、61日以上の支払遅延、3カ月連続での支払遅延、「代位弁済」や「保証履行」、「異動」の登録がある場合は、すぐに融資を受けるのは難しくなります。
ですが、これらの情報は5~10年で抹消されます。
抹消されてしまえば、過去の金融事故が融資の審査に影響することはありません。
| 創業融資成功のためにやるべき具体的なアクション |
①ブラックリストから消えるまでの期間を有効活用しましょう。 ②融資以外の資金調達方法も検討してみましょう。 ・補助金や助成金 ・クラウドファンディング ・出資 ・番外編(小さく始める) |
3.まとめ
ブラックリストに載ってしまっているからと言って、創業融資を諦める必要はありません。
まずは、自分の信用情報を確認し、現状を把握しましょう。
状況に応じた具体的なアクションを取ることで、創業融資を勝ち取る可能性を高めることができます。
何もせずに起業を諦めるのはまだ早いです。
まず行動して、起業の夢に一歩ずつ近づきましょう。
専門家の支援を受けることで、融資の可能性をさらに高めることができます。
ぜひ一度、相談してみてください。





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