創業融資を受けるなら信用金庫がベストな選択肢の一つです。
本記事では、創業融資のエキスパートが、信用金庫から融資を受けるための具体的なコツと成功のポイントを徹底解説します。
地域に根ざした柔軟な対応が可能な信用金庫の特徴を活かし、
「どのように審査を突破し、事業の成功につなげるか」
そのノウハウをお伝えしていきます。
目次
1.創業融資の申し込みに信用金庫がおすすめの3つの理由
民間の金融機関に創業融資を申請するなら、信用金庫が最もおすすめです。
信用金庫をおすすめする3つ理由は以下の通りです。
1-1.創業融資に積極的
1-2.経営に関する相談が可能
1-3.長期的な関係構築が可能
詳しく解説していきます。
1-1.創業融資に積極的
信用金庫は営業地域が限定された地域密着型の金融機関であり、地元での創業希望者を応援しています。
また非営利組織であり、利益の追求よりも地域社会の発展を目指しているという特徴を持っています。
そのため、創業融資に積極的です。
1-2.経営に関する相談が可能
経営相談コーナーや経営セミナーのような経営相談も頻繁に開催されています。
信用金庫は地域の繁栄を図る目的で設立されていますので、中小企業の経営相談にも力を入れています
1-3.長期的な関係構築が可能
信用金庫は訪問営業が主体ですので、担当者と密接な関係を築くことができます。
実施に融資の現場を複数見ている融資の専門家としても、信用金庫の 担当者は非常に親身に相談に乗ってくれるという印象が非常に強いです。
信用金庫の担当者から、融資は大丈夫ですか?と提案をしてくれることがよくあります。
また、地域性が強く、地域の企業同士の繋がりも作りやすくなります。
信用金庫との関係性構築ができていれば今後の事業拡大など様々な面で有利に働きます。
2.創業融資は2種類ある
大前提として創業融資には、
・日本政策金融公庫の創業融資
・信用金庫(民間の金融機関)の創業融資
の2つの種類があります。
どちらも創業時に活用したいおすすめの融資制度ですが、それぞれ異なる特徴があります。
日本政策金融公庫と信用金庫(民間の金融機関)の特徴を理解して上手に活用しましょう。
日本政策金融公庫 | 信用金庫(民間の金融機関) | |
対象者 | 新たに事業を始める方 税務申告を2期終えていない方 | 創業後5年未満の方 |
自己資金要件 | なし | |
融資限度額 |
| 3,500万円 (うち運転資金2,500万円) |
融資期間 | 設備資金:20年以内 ※2024年度より、運転資金:原則10年以内 (※資金使途や利用する制度による) | 設備資金:10年以内 運転資金:7年以内 |
金利 | 2.5%前後 | 2%前後 |
保証料 | なし | 1%弱 ※制度による |
担保・保証人 | 原則不要 | 原則代表者が連帯保証人となる |
融資申込~ 実行までの期間 | 1か月程度 | 1か月半~2ヶ月程度 |
※民間の金融機関の創業融資は、利用する制度により内容や条件が異なります。
近隣の金融機関に確認してください。
それぞれ解説していきます。
2-1.日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫 | |
対象者 | 新たに事業を始める方 税務申告を2期終えていない方 |
自己資金要件 | |
融資限度額 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) ※2024年度より7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
融資期間 | 設備資金:20年以内 ※2024年度より、運転資金:原則10年以内 (※資金使途や利用する制度による) |
金利 | 2.5%前後 |
保証料 | なし |
担保・保証人 | 原則不要 |
融資申込~実行までの期間 | 1か月程度 |
日本政策金融公庫の創業融資の特徴
日本政策金融公庫の創業融資の最大の特徴は、原則、無担保・無保証人で融資を受けることが出来るという点です。
万が一返済が困難になった場合に個人の財産を守ることができます。
(※ただし、個人事業主の場合は、個人で借入をするため個人事業主本人が責任を負うことになります。)
また、日本政策金融公庫の場合、融資申込~実行まで1か月程度とスピーディです。
<日本政策金融公庫の創業融資がおすすめの方>
・無担保無、保証人で創業融資を受けたい方
・早く創業融資を受けたい方
2-2.信用金庫(民間の金融機関)の創業融資
信用金庫(民間の金融機関) | |
対象者 | 創業後5年未満の方 |
自己資金要件 | なし |
融資限度額 | 3,500万円 (うち運転資金2,500万円) |
融資期間 | 設備資金10年以内 運転資金7年以内 |
金利 | 2%前後 |
保証料 | 1%弱 ※制度による |
担保・保証人 | 原則代表者が連帯保証人となる |
融資申込~実行までの期間 | 1か月半~2ヶ月程度 |
※民間の金融機関の創業融資は、利用する制度により内容や条件が異なります。
近隣の金融機関に確認してください。
信用金庫(民間の金融機関)の創業融資の特徴
民間の金融機関の創業融資は、信用保証協会による保証協会付融資になります。
そのため、利息の支払いの他に、保証料の支払いが発生します。
信用保証協会とは、中小企業や個人事業主の保証人となって融資を受けやすくするための公的機関のことです。
融資が受けやすくなる代わりの対価として支払うものが保証料です。
保証協会付き融資を受けるためには、信用金庫(民間の金融機関)と信用保証協会の2つの審査をクリアしなければならない為、融資の申込から実行まで1か月半~2ヶ月程度と時間がかかる傾向があります。
<信用金庫(民間の金融機関)の創業融資がおすすめの方>
・既に日本政策金融公庫から借入があり追加で融資を受けたい方
・今後の事業の拡大を見据えて金融機関とお付き合いをしたい方
・借入の実績を作りたい方
以上が2つの創業融資の特徴です。
信用金庫と銀行の違いについて
融資制度の観点から見ると、信用金庫と地方銀行の間には大きな違いはありません。
創業融資を受ける際には、両者ともに保証協会付き融資を利用することになります。
これにより、同じ地域にある信用金庫と地方銀行の違いは、主に受付窓口が異なる程度と言えます。
制度の内容が同じであることを踏まえて選択をするならば、1章で解説したように
●創業融資に積極的
●経営に関する相談が可能
●長期的な関係構築が可能
これらのメリットを享受できる信用金庫がおすすめと言えます。
3.信用金庫との良好な関係構築のコツ
創業時だけでなく長く付き合っていきたい信用金庫。良好な関係を構築していくためのコツをお伝えします。
3-1.メインバンクとする
信用金庫の口座に事業の取引を集約したり、預金を多く預けるようにしましょう。
もし先に、日本政策金融公庫に創業融資の申込をした場合、融資金の入金先を信用金庫に指定しましょう。
日本政策金融公庫の融資審査をクリアした証拠になり、一定の信用のある会社と評価、認識されるため、今後の融資取引などもスムーズに進みます。
3-2.地元への貢献をアピール
地元の活性化に貢献していることをアピールしましょう。
地元の食材を使用している、地元企業と取引がある、雇用を創出するなどで地域の発展に寄与します。
信用金庫は地域社会の発展を目指す組織ですので、地元への貢献は印象を良くするのです。
4.信用金庫から創業融資を受けるまでの流れ
信用金庫から創業融資を受けるまでの流れは下記の通りです。
スムーズな融資実行とするためにも事前に確認しておきましょう。
(1)該当の信用金庫を探す
(2)相談・申込
(3)信用金庫内の審査
(4)信用保証協会の審査
(5)融資実行
それぞれ詳しく解説していきます。
(1)該当の信用金庫を探す
創業予定地を管轄する信用金庫とその支店を探してください。
信用金庫は厳密に管轄地域が決められており、対象外の信用金庫では取引できません。
原則、法人の場合は、本店所在地を管轄する支店、個人事業主の場合は自宅又は店舗など営業実態の確認できる住所を管轄する支店になります。
該当の信用金庫は「全国信用金庫店舗検索TOP」から検索してください。
(2)相談・申込
信用金庫の窓口で、融資の相談をします。
事前に電話等で予約がおすすめです。
相談に出向く前に、融資の申込に必要な書類を用意しておくとより具体的に話を進めることができます。
創業融資の申込に必要な書類は下記の通りです。
<創業融資に必要な書類一覧>
・創業計画書
・設備資金の融資を受ける場合は見積書
・本人確認書類(免許証やパスポートのコピー)
・登記簿謄本と定款(法人の場合)
・開業届のコピー(個人の場合)
・許認可証のコピー(許認可等の必要な事業の場合)
・印鑑証明書
上記の他、事業内容によって追加資料の提出を求められる可能性があります。
(3)信用金庫内の審査
まずは、信用金庫内での審査が行われます。
融資面談の実施、現地訪問などが行われます。
(4)信用保証協会の審査
信用金庫内で融資が適当と判断すると、信用金庫を経由して信用保証協への申込手続きが行われます。
初めて信用保証協会を利用する場合、信用保証協会との面談が実施されるケースもあります。
(5)融資実行
信用金庫及び、信用保証協会の2つの審査に通過すると、晴れて融資実行となります。
5.まとめ
民間の金融機関から創業融資を受けるなら信用金庫がおすすめです。
信用金庫は、創業融資に積極的なだけでなく、事業の継続・拡大のための力強いパートナーとなってくれます。
創業融資の申込から、信用金庫の担当者とコミュニケーションを積極的に取り良好な関係を構築していきましょう。
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