融資の専門家が教える!資金調達のリスクとその回避方法

融資の専門家が教える!資金調達のリスクとその回避方法

出来るだけ安全に、不安なく資金調達したいですよね。

残念ながら、リスクゼロで資金調達をする方法はありません。
しかし、リスクを取らずして資金調達することは不可能でしょう。

そこで今回は、各資金調達方法におけるリスクと、そのリスクの回避方法について解説していきます。

起業家として、リスクマネジメントは重要な仕事です。
リスクの正体を知り、備えることでリスクを最小限まで抑えることが出来ます。
是非、最後までチェックしてください。

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1.【資金調達方法別】リスク一覧

資金調達方法別の主なリスクは下記の通りです。

資金調達方法主なリスク
銀行・信用金庫・日本政策金融公庫からの融資審査に落ちるリスク(借りる前のリスク)
返済不能となるリスク(借りた後のリスク)
担保・保証人のリスク(借りた後のリスク)
ノンバンクからの融資高金利(借りた後のリスク)
今後の融資申込で不利になる(借りた後のリスク)
家族や知人からの借入贈与税課税の可能性あり
信頼関係の悪化の可能性
補助金事務手続きが煩雑
審査に落ちるリスク
後払いである
クラウドファンディング資金が集まらないリスク
資金調達に時間がかかる
手数料がかかる
ファクタリング手数料が高い
依存すると資金繰りや業績が悪化する場合がある
取引先にマイナスな印象を持たれる
悪徳ファクタリング業者も存在する

それぞれ詳しく解説していきます。


2.各資金調達方法のリスクとその回避方法

本章では、各資金調達方法において考えられるリスクとそのリスクの回避方法について解説していきます。

2-1.銀行・信用金庫・日本政策金融公庫からの融資

資金調達方法主なリスク
銀行・信用金庫・日本政策金融公庫からの融資審査に落ちるリスク(借りる前のリスク)
返済不能となるリスク(借りた後のリスク)
担保・保証人のリスク(借りた後のリスク)

銀行・信用金庫・日本政策金融公庫からの融資において考えられるリスクとしては、主に次の3つが考えられます。

(1)審査に落ちるリスク(借りる前のリスク)
(2)返済不能となるリスク(借りた後のリスク)
(3)担保・保証人のリスク(借りた後のリスク)

(1)審査に落ちるリスク(借りる前のリスク)

まず、初めに考えられるのは審査に落ち、資金調達ができないというリスクです。
融資で資金調達をする場合、必ず審査が行われます。
この融資審査を通過することが出来なければ、資金を調達することはできません。

審査に落ちる原因として考えられることは、準備不足や事業計画の甘さでしょう。
創業の場合は、自己資金や、創業する業界での事業経験が必須となってきます。
既に事業を行っている場合は、経営状態が悪化している状態では融資を受けるハードルは高くなります。

ただし、創業の場合でも、既に事業を行っている場合でも、事業計画書をしっかりと作り、融資の担当者を納得させることが出来れば、融資の可能性は高くなります。

なお、一度審査におちてしまうと、約半年間は再チャレンジが出来なくなってしまいます。

(2)返済不能となるリスク(借りた後のリスク)

次に、融資を借りた後に考えられるリスクとして、事業がうまくいかず返済不能となってしまうリスクです。
または、返済に追われ事業を継続できなくなってしまうリスク、適切な投資ができなくなってしまうリスクと言い換えることもできます。

融資は受けて終わりではありません。
融資で調達した資金で事業を成功させ、しっかりと返済をし、会社としての信頼を獲得、事業を拡大していくことで初めて意味を成すのです。

(3)担保・保証人のリスク(借りた後のリスク)

担保や保証人を設定している場合、差し入れた担保を失ったり、保証人となっている人が融資の返済の義務を負うことになります。

銀行や、信用金庫から融資を受ける場合、代表者本人が融資の保証人になるケースがほとんどです。
会社として、返済が出来なくなってしまったとしても、代表者個人として、融資の返済の義務は残ることになります。

日本政策金融公庫の無担保・無保証人で融資を受けることができる制度があります。
その制度を利用した場合は、担保や保証に関わるリスクはありません。
ただし、個人事業主で融資を受けている場合は、事業主個人の借入となりますので、返済の義務は続いていきます。

リスク回避方法

●事前の準備を怠らない
事業をする業界での経験を積むことや、自己資金を準備するなどの事前の準備をしっかりと行いましょう。
融資を受けようとする事業の経験が0の場合、融資を受けるハードルが高くなります。
また、自己資金についても、自己資金0では、事業に対する熱意がないと判断されてしまいます。
起業前にやっておくべき準備についてはこちらの記事を参照してください。
▶ゼロからはじめる起業準備!起業の専門家が解説【必須項目9選】


●事業計画書・創業計画書を作り込む
審査に落ちるリスク、返済不能となるリスクのどちらも回避する最も効果的な方法は、事業計画書、創業の場合は、創業計画書をしっかりと作り込むことです。
事業計画書の内容が薄く、返済の見込みなしと判断されてしまえば、審査の段階で落ちてしまうでしょう。
事業計画書や創業計画書の書き方について詳しくはこちらの記事を参照してください。
▶はじめてでも、事業計画書がつくれる!実践型の事業計画書の書き方と手順を専門家が解説します!
▶日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!

●専門家を活用する
専門家に相談することで融資の成功確率や、資金調達額をアップすることができます。
専門的な知識を活かした様々な角度からのアドバイスを受けることができます。
完全成功報酬や、初回相談を無料で実施している専門家に一度相談することをおすすめします。

2-2.ノンバンクからの融資のリスク

資金調達方法主なリスク
ノンバンクからの融資借入限度額が低い(借りる前のリスク)
高金利(借りた後のリスク)
今後の融資で不利になる(借りた後のリスク)

ノンバンクとは、銀行などお金を預かる業務を行わない金融機関のことです。
「信販会社」や、「消費者金融」、「クレジットカード会社」等を指します。

ノンバンクは、金融機関からの融資に比べて手続きが簡単、借りやすいといった側面、主に次の3つのリスクが考えられます。
緊急時以外の利用はおすすめしません。

(1)借入限度額が低い(借りる前のリスク)
(2)高金利(借りた後のリスク)
(3)今後の融資で不利になる(借りた後のリスク)

(1)借入限度額が低い(借りる前のリスク)

借入限度額が低い傾向にあります。
必要な資金を一度で調達できない可能性があります。
ノンバンクの借入限度額の目安は、事業者によって異なりますが10万円から最大でも1,000万円です。

(2)高金利(借りた後のリスク)

金利が高い傾向にあります。
金利の目安は6~18%と言われています。
日本政策金融公庫の融資の基準金利が、2.5~3.5%とされていますので、ノンバンクの金利は高いと言えます。
(※基準金利とは、店頭金利とも言われる最も高い金利のことです。)

これほど高い金利を支払っていくのは大変なことです。
経常利益の平均は4%程度と言われており、10%以上なら優良企業と言えます。
それほど、事業において利益を出すのは大変と言われているのに、10%以上の利息を払っていくのは困難と言えるでしょう。

(3)今後の融資で不利になる(借りた後のリスク)

ノンバンクから一度借入をすると、履歴として残ってしまいます。
「ノンバンクを利用している=計画性がない事業者である」とみられてしまい、今後、日本政策金融公庫や銀行から融資を受ける際の足枷となってしまう可能性があります。

リスク回避方法

●他の手段を検討
銀行や日本政策金融公庫から融資が受けられなかった場合、ノンバンクからの融資ではなく、次の方法も検討してみましょう。

リース:機械や車両が必要ならリースを検討しましょう。
中古:機械や設備が必要なら中古などで費用を抑えられないか検討しましょう。
支払い時期:支払いの時期を延ばしたり、止めたりできるものがあれば取引先などに交渉しましょう。
社長個人で借入:会社では融資が受けられなくても、社長個人で融資を受けられる可能性があります。
車両が必要であれば、社長個人でカーローンを組むのも一つの手段です。

●ノンバンクの利用は最終手段
緊急性の高い資金調達が必要な場合や、銀行や日本政策金融公庫で融資が受けられなかった場合の最終手段と考えましょう。
「簡単にお金が借りられるらしいから」と言った理由で安易に利用はしないよにしましょう。

2-3.家族や知人からの借入のリスク

資金調達方法主なリスク
家族や知人からの借入贈与税課税の可能性あり
信頼関係の悪化の可能性

家族や知人からの借入は、比較的手軽な資金調達方法であるいっぽうで、次の2つのリスクが考えられます。

(1)贈与税課税の可能性あり
(2)人間関係の悪化の可能性

(1)贈与税課税の可能性あり

親族や知人から借入をする場合でも、きちんと証拠や記録を残しておかないと、「借入」ではなく「贈与」とみなされ、多額の贈与税が課せられる可能性があります。

贈与税の税率は、金額に応じて変動しますが、10%~最大55%です。
税金の中で最も税率が高いと言われています。

(2)信頼関係の悪化の可能性

例え親族や知人間でも、お金と話は慎重にしなければなりません。

リスク回避方法
●借入の記録を残す
金銭消費貸借契約書を作成したり、返済を銀行振込で行うなど、「借入」である証拠や記録を残すようにしましょう。
親族だからと、口約束や現金でのやり取りは絶対にNGです。
多額の贈与税が課せられる可能性があるだけでなく、信頼関係の悪化にも繋がります。
きちんと、借入の事実を証拠として残すようにしましょう。

親族から借入をする際の注意点や、金銭消費貸借契約書の見本はこちら
▶【開業資金】親族からの借入を考えているあなたへ!税理士が教える2つの注意点

2-4.補助金のリスク

資金調達方法主なリスク
補助金事務手続きが煩雑
審査に落ちるリスク
後払いである

補助金は、返済の必要のない、非常に有効的な資金調達方法です。
しかし、次の3つのリスクが考えられます。

(1)事務手続きが煩雑
(2)審査に落ちるリスク
(3)後払いである

(1)事務手続きが煩雑

補助金の申請には、事業計画書の作成等、時間と労力がかかります。
A4サイズの用紙で10枚程度の事業計画書を作成しなければならず、初めて事業計画書を作成する方には非常に大変な作業になります。
申請時は、50ページ以上からなる公募要領を読み込む必要があったり、補助金後の事務手続きも煩雑なものも多いです。

(2)審査に落ちるリスク

融資などと同様に、補助金を獲得するためには審査をクリアする必要があります。
一般的な補助金の審査の通過率は、50~60%とされています。
きちんと対策して挑まなければ、時間と労力だけが奪われてしまいます。

(3)後払いである

補助金は、原則後払いです。事業に必要な資金は立て替え払いをしておかなければなりません。
また、補助金が支給されるまでに1年程かかるケースが多くなっています。
補助金を利用するには、補助金の支給までの間を耐えられる資金力が必要になります。

リスク回避方法

●専門家を活用する
補助金の申請は、専門家の活用が有効的です。
専門家に依頼することで、煩雑な事務手続きの支援を受けることができたり、採択率をアップすることができます。
事業計画書は補助金採択を左右する大事な要素です。
事業計画が綿密で実現可能性が高いほど採択されやすく、ずさんであるほど不採択になりやすい傾向があります。
また、補助金の審査は点数が高いものから順に採択される方式になっています。
補助金申請で高く評価されるポイントを抑える必要があり、専門家はそのノウハウをもってるため、効率的に採択へと導いてくれます。

●つなぎ融資を活用する
補助金における資金の問題は、つなぎ融資を活用して解決しましょう。
つなぎ融資とは、補助金が入金されるまでの間、つなぎで一時的に受ける融資のことです。

つなぎ融資について詳しくはこちらの記事を参照してください。
▶つなぎ融資で補助金申請の手元資金不足を解決する手法【完全解説】

2-5.クラウドファンディングのリスク

資金調達方法主なリスク
クラウドファンディング資金が集まらないリスク
資金調達に時間がかかる
手数料がかかる

クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人に資金の提供を呼びかけ、その事業趣旨に賛同した人から資金を集める比較的新しい資金調達の方法です。
しかし、次の3つのリスクが考えられます。

(1)資金が集まらないリスク
(2)資金調達に時間がかかる
(3)手数料がかかる

(1)資金が集まらないリスク

目標金額に到達しないリスクがあります。
クラウドファンディングの成功率は一般的に40%前後と言われており、必ず資金調達ができるとは限りません。
募集の方式は次の2種類あり、選択した募集方法によってできるか否かが変わってきます。

【All or Nothing型】
目標金額を達成した場合にのみ、集まった資金を受け取ることができます。

【All in型】
目標の達成に関わらず、その時点で集まった資金を受け取ることが出来ます。

All or Nothing型は目標金額を達成しなければ、資金を受け取ることが出来ませんが、All in型は、目標金額を達成しなくても、その時点で集まっている資金を受け取ることが出来ます。
しかし、All in型の場合、目標金額を達成せずとも、あらかじめ予定していたリターンも必ず実行しなければなりません。

(2)資金調達に時間がかかる

準備期間も含めて、3~4か月程時間がかかります。
実際に、資金を募る期間は平均40日程ですが、プロジェクトの魅力を伝えるためのページ作りなど、事前の準備に時間がかかってきます。
すぐに資金が必要な方にとっては、リスクと言えます。

(3)手数料がかかる

クラウドファンディングのプラットフォームへの掲載手数料が発生します。
多くの場合、集まった支援金総額の10~20%が掲載手数料として差し引かれ、支援金が入金される仕組みになっています。

例えば、100万円支援金が集まった場合、20%の20万円が引かれた、80万円が実際に調達できる資金です。

リスク回避方法

●他の資金調達方法と組み合わせる
融資など他の資金調達方法と組み合わせて活用しましょう。
クラウドファンディングは、テストマーケティングとして利用できます。
テストマーケティングとは、商品やサービスを正式にリリースする前に、試験的に商品やサービスのアイデアを市場に出し、市場の反応や需要を確認する手法のことです。
テストマーケティングを行うことで、リスクを最小限に抑えつつ、商品やサービスの市場投入前に修正や改善を加えることができます。
さらに、クラウドファンディングで出資を受けた場合は、出資者からのフィードバックや意見も得られるため、商品やサービスの需要を確認することもできます。
また、クラウドファンディングのプラットフォームを利用すると、広範なユーザーに商品やサービスを知ってもらうことができるため、マーケティング効果も期待できます。
クラウドファンディングは、テストマーケティングとして活用し、起業のために必要な資金は、自己資金や銀行の融資を活用して調達することをおすすめします。

2-6.ファクタリングのリスク

資金調達方法主なリスク
ファクタリング手数料が高い
依存すると資金繰りや業績が悪化する場合がある
取引先にマイナスな印象を持たれる
悪徳ファクタリング業者も存在する

ファクタリングは、事業主が保有している「売掛金」をファクタリング会社に売却して資金を調達する方法です。
「売掛金」がある事業主であれば、基本的に法人・個人事業主問わず利用することができる資金調達方法ですが、次の2つのリスクが考えられます。

(1)手数料が高い
(2)依存すると資金繰りや業績が悪化する場合がある
(3)取引先にマイナスな印象を持たれる
(4)悪徳ファクタリング業者も存在する

(1)手数料が高い

手数料が発生します。
ファクタリングの契約形態によりますが、2者間ファクタリングで、売掛金の15~30%、3者間ファクタリングで売掛金の1~9%程の手数料がかかります。
実際の受け取り金額は売掛金の金額より少なくなります。

(2)依存すると資金繰りや業績が悪化する場合がある

ファクタリングに依存をすると、かえって資金繰りや業績が悪化する恐れがあります。
ファクタリングには高額の手数料が発生するため、実際の売上より少ない金額が入金になります。
そのため、その分の利益が減少することになり、業績悪化の原因になります。

(3)取引先にマイナスな印象を持たれてしまう。

得意先との取引に影響がでてしまう可能性があります。
3者間ファクタリングを利用すると、得意先にファクタリングの利用を知られることになります。
ファクタリングを利用しているということは、資金繰りが悪化している状態であるとみられ、取引を縮小される、契約を破棄されてしまうなどの恐れがあります。
※2者間ファクタリングであれば、得意先にファクタリングを利用していることを知られることまずはありません。

(4)悪徳なファクタリング業者が存在する

ファクタリングを装って別の契約を交わせさせる、悪徳ファクタリング業者がいます。
ファクタリングの契約に見せかけて、全く別の借金の契約を結ばせる詐欺が実際に起きています。
資金繰りが悪化していると、焦ってしまう気持ちもあるかと思いますが、契約書の内容はきちんと確認し、被害に合わないように注意してください。

リスク回避方法

●ファクタリングの利用は最終手段と考えましょう。
ファクタリングの利用は、今日・明日で急に大きな資金が必要になってしまった時などの最終手段として考えましょう。
可能な限り、資金繰りが悪化する前に、早め早めに金融機関からの融資の相談をするようにしてください。

●資金繰り悪化の根本解決に努めましょう。
資金繰り悪化の根本的な原因として、売上の入金サイトが長く、仕入などの支払いサイトが短いということがあります。
資金繰りを安定させるための最も簡単な方法は、売上の入金サイトを短く、仕入などの支払いサイトを長くすることです。
取引先に交渉するなど、根本解決に努めていきましょう。

創業融資サポート

3.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、各資金調達方法におけるリスクと、そのリスクの回避方法について解説しました。

リスク0で資金調達をすることは、残念ながらできませんが、
リスクの正体を知り、きちんと備えることでリスクを最小限にすることができます。

資金調達は、事業の行方を左右する重要な場面です。
起業家として、リスクマネジメントをし、事業を成功へと導いていきましょう。

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