いざ起業しようと考えても「うまくいくのか…」「失敗するかもしれない…」と一歩が踏み出せないものですよね。
では実際に、起業して成功した人の割合はどのくらいなのでしょうか?
今回は中小企業庁等のデータを用いて、起業の成功率を客観的に解説します。
起業を成功させるためのポイントもまとめましたので、起業準備を進める上で役立つ情報が満載です。
ぜひ起業する前に、この記事を最後までお読みください。
目次
1.起業して成功する確率は意外に高い!?成功確率は約80%
中小企業庁の実施している2017年度版中小企業白書データによると、起業して成功する確率は、意外にも高い約80%という数値が出ています。これは、日本起業の起業から5年後の生存率を示しています。
世の中では、よく企業の生存率は10%以下、90%は失敗するなどと言われていますが、実はこの数値を証明する根拠はどこにも見当たらないのです。
ただし、このデータには注意が必要です。
帝国データバンクの統計を基としているため、ある程度規模が大きい企業が対象となっており、小規模な事業者は含まれていません。そのため実際の起業生存率は低いことが考えられます。
とは言え、全く根拠のない90%以上は失敗するといった情報に惑わされ起業のチャンスを逃してしまうのはもったいないことなのです。
2.起業成功のカギは事前準備!起業の準備の5つの秘訣
起業の成功確率を高めるためのカギは事前準備です。
起業の失敗の原因は、多くの場合事前の準備不足であると言えます。
2章では、起業で成功している人が実際にやっていた起業の準備の5つの秘訣をお伝えしていきます。
2-1.事業計画書を作成する
2-2.小さく起業する
2-3.経験・人脈を活かす
2-4.見込み顧客の確保
2-5.知識を得ておく
それぞれ詳しく解説していきます。
2-1.事業計画書を作成する
事業計画書を作成しましょう。
事業計画書とはその名のとおり「起業する事業の計画書」のことです。
事業計画書を作成することで次のような効果が期待できます。
・事業内容、売上目標を可視化することで整理ができる
・他社に共有し問題点などの指摘を受けることができる
・資金調達の際にも活用できる
事業計画書作成しながら、失敗する確率を下げるために、じっくりと戦略を考えることができます。
独りよがりな事業計画書ではなく、「第三者を納得させることができるのか?」をポイントに作成してみましょう。
事業計画書に決まった書式はありませんが、日本政策金融公庫の創業融資で使われている「創業計画書」をもとに作成することをおすすめします。
日本政策金融公庫の創業計画書は、初めて事業計画書を作成する方でも、非常に書きやすい構成になっています。また、創業時に融資を受けることを検討している場合は、そのまま利用できます。
日本政策金融公庫の創業計画書は次の書式です。
【日本政策金融公庫 創業計画書の見本】
早速ダウンロードして作成してみましょう。
詳しい創業計画書の書き方についてはこちらの記事を参考にしてください。
2-2.小さく起業する
起業する際にはできるだけお金をかけずに取り組みましょう。
はじめから創業融資を受けたり多額の自己資金を投入したりして大きなビジネスに取り組む方法もありますが、最小限の単位から小さく始めることがおすすめです。
小さく起業するとリスクが低く抑えられますので、たとえ1度失敗しても金銭的被害が少なく経験値だけが残ります。
他にもこんなメリットがありますよ。
小さく起業するメリット
① トライアンドエラーができる
1回のチャレンジで使う費用が少ないので、何度でも試行錯誤できます。
起業してすぐに成功しなかったとしても、手を変え品を変えて試していけば、成功への道筋がいつか必ず見つかります。
② 気持ちに余裕が持てる
預金がどんどん減っていけば、誰でも焦ってしまうものです。
起業して販売を開始したとしても入金までタイムラグが発生するケースがほとんど。
たとえばクレジットカード経由で購入された場合、現金が着金まで数ヶ月のタイムラグが発生します。
手元に現金がなくなると焦ってしまい、失敗を誘発する恐れがあるのです。
その点小さく起業していれば、手元に現金を残しながら生活とビジネスを両立できます。
余裕を持って事業を進められるため、着実に成果を上げていきやすいのです。
③ うまくいかなくても立て直せる
万が一ビジネスがうまくいかず撤退するとしても、失うものを最小限に留められます。
小さく起業したなら畳む際も小さくて済みますので、金銭的な不安を感じることなく次のステップに進めるのです。
撤退時のあなたは、起業によって貴重な体験と経験値、そして販売スキルが身についているはずです。
手元に残った資金で再度起業に挑戦するもよし、培ったスキルで会社員としてキャリアアップするもよし。
最悪の場合まで見越すなら、できるだけ小さく起業するのがベストなのです。
2-3.経験・人脈を活かす
起業するにあたって大切なのは、あなたの得意な分野を選択することです。
2011年度版中小企業白書の第3-1-44図「起業した事業の成果が得られている要因」の第1位は「過去の経験や人脈」で、46.3%を占めています。
つまり、これまでの経験を活かせるビジネスで起業し成功した人が多いということに他なりません。
たとえば不動産営業としての経験があるなら「フリーの営業マンになる」「不動産に関するブログを始める」「不動産営業の指導を行う」「小さな不動産屋を始める」等がおすすめです。
仕事以外にも趣味や好きなもの等、あなたがよく知っている分野で起業しましょう。
さらに人脈を活用すると成功までの速度が加速します。
たとえば他社とコラボすれば「あなたの強み×他社の強み」で競合他社にはない優位性が生まれますよね。
その点を上手に利用すれば、1人で起業するよりも販売しやすくなるのです。
たとえば飲料水とアイドルがよくコラボしていますよね。
アイドルのファンに商品を知ってもらうきっかけになりますし、アイドル側も知名度を上げるチャンスになります。
ただし思い当たる人脈がなければ無理に利用することもありません。
まずはあなたのビジネスを軌道に載せることからスタートしましょう。
2-4.見込み顧客の確保
起業前から見込み顧客を確保しておきましょう。
日本政策金融公庫による「2021年度新規開業実態調査」によると、開業後1年以内の企業が「現在苦労していること」の第1位は「顧客・販路の開拓」です。
逆に2011年度版中小企業白書の第3-1-44図「起業した事業の成果が得られている要因」の第2位は「販売先の確保」。
つまり見込み顧客及び、販売先が確保できているかどうかが、成功の鍵になるのです。
可能であれば起業前から見込み顧客を探しておきましょう。
個人相手の事業であっても、チラシを撒く・ウェブサイトを作成する等で知名度を上げることで、安定的な売上につながります。
2-5.知識を得ておく
起業をする前に、必要最低限の知識を得ておくことは、経営者としてとても重要です。
会社の経営の責任者として、本業の売上を上げるだけでなく、経営方針の決定、資金繰りや従業員の育成など、幅広い業務をこなすために、幅広い知識は必要不可欠です。
2-5-1.マーケティングの基礎
2-5-2.会計・経理・税務
2-5-3.法律
それぞれ詳しく解説していきます。
2-5-1. マーケティングの基礎
マーケティングとは「顧客に商品やサービスを知ってもらい、買ってもらう為の活動のこと」です。
市場の調査や営業戦略、広告宣伝活動なども含まれます。
マーケティングの手法としてSWOT分析や3C分析、4P分析などのマーケティングの基礎は押さえておきましょう。
「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの視点で現状を適切に把握したり、経営戦略を構築する際に用いられます。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
※3C分析とは、企業戦略を練る際に使われる手法で、顧客・自社・競合の三つの視点から事実整理し課題や成功要因を導き出し計画を立てるフレームワークです。
※4P分析とは、Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(場所)、Promotion(販促活動)の4つの頭文字をとったもので、マーケティング施策を検討する際に使われるフレームワークです。
2-5-2.会計・経理・税務
会計の基本は、【売上 - 経費 = 利益】です。
売上から経費を引いたものが利益であり、その利益に対して税金がかかるという事は必ず押さえておきましょう。簿記の知識は、今は便利な会計ソフトがあるのでほとんど必要ありませんが、経営者として自社の経営状況をきちんと把握するために、貸借対照表、損益計算書の見方は覚えておきましょう。
2-5-3.法律
知らず知らずのうちに違法行為をしてしまったり、それによって罰則を受けることは避けたいです。
経営のために、会社法、労働基準法、事業に直接関係する法律、各自治体の条令については確認しておきたいです。
ただし、起業の失敗を恐れて全ての知識を完璧にする必要はありません。
いつまでたっても起業が出来なくなってしまいます。必要に応じて専門家を活用しましょう。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?
中小企業庁の実施している2017年度版中小企業白書データによると、起業して成功する確率は、意外にも高い約80%です。
世の中よく言われる、「90%は失敗する」には、実は何の根拠もありません。
必要以上に失敗を恐れるのではなく、失敗しないために事前準備をしっかりと行い成功確率を高めるべきです。
起業で成功している人が実際にやっていた起業の準備の5つの秘訣は次の通りです。
2-1.事業計画書を作成する
2-2.小さく起業する
2-3.経験・人脈を活かす
2-4.見込み顧客の確保
2-5.知識を得ておく
起業で成功している人を真似ることが成功への一番の近道と言えます。
今すぐできるものから、早速行動に移していきましょう。
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