審査に通る!創業計画書の「創業の動機」【業種別の記入例付き】

審査に通る!創業計画書の「創業の動機」【業種別の記入例付き】

日本政策金融公庫の創業融資の申込時に提出を求められる「創業計画書」。
創業への思いや、自身の経験・スキルをアピールしたり、資金計画などを記載する重要な書類です。
融資審査において、もっとも重要な役割を担っているため、しっかりと書き上げたいものです。

しかし、創業計画書の一番初めの項目である、「1.創業の動機」の欄で手が止まってしまう方も少なくはありません。
そこで今回は、創業の動機の書き方や審査で評価してもらうためのコツを融資の専門家が解説していきます。

どなたも、様々な思いや夢を抱き、独立・創業を決意したはずです。
その思いをしっかりと伝え、融資審査で評価してもらえるよう是非、最後までチェックしてください。

創業融資の相談を受けることが多い業種の、創業の動機の記入例も紹介していますので参考にしてみてください。

創業融資サポート

1.創業の動機の内容で何をチェックされているのか

日本政策金融公庫の融資担当者は、この「創業の動機」の欄を通して、創業への熱意をチェックしています。
日本政策金融公庫の創業計画書の「創業の動機」は、創業計画書の一番初めにくる項目です。
どんな動機で、どんな思いを持って創業を決意したのかを4行程度にまとめ、記載しなければなりません。

創業計画書全体

日本政策金融公庫からすれば、融資したお金は絶対に返してもらわなければなりません。
事業が上手くいかなくなったからと言って、簡単に事業をやめられてしまっては困ります。

融資担当者は、「創業の動機」を通して、あらゆる困難に直面したとしても、それを乗り越え事業を続けていく力があるのかを判断しているのです。

いい加減な創業の動機では、創業への熱意が感じられず、審査に落ちてしまう可能性があります。
最低でも、4行はきっちりと埋められるようにしましょう。
4行では収まりきらない場合は、別紙を用意し添付することも可能です。


2.審査で評価される!「創業の動機」の書き方3ステップ

審査で評価される「創業の動機」の書き方について解説していきます。
この方法を取ることで、創業への熱意が伝わる文章を効率的に作成することができます。

お手元に、ノートやメモを用意して一緒に作成していきましょう。

ステップ1.創業への思いを整理する

次の5つの質問に回答する形で、創業への思いを整理してみましょう。
この5つの質問に対する回答を、創業の動機にしっかりと入れこむことで、創業への熱意を伝えることができます。

Q1.いつから創業したいと考えていましたか?
Q2.創業するために、いつから、どのような活動をしてきましたか?
Q3.活動の結果、得られた実績や経験は何ですか?
Q4.なぜ今のタイミングで創業しようと思ったのですか?
Q5.創業することで、実現できることは何ですか?社会にどう貢献することができますか?

それぞれ解説していきます。

Q1.いつから創業したいと考えていましたか?

創業が一時の思い付きではないことを伝えるために必要な情報です。

【例】
・幼い頃から、ケーキ屋さんを開くのが夢だった。(洋菓子店)
・前職の同期が独立したことをきっかけに、3年前から独立を意識していた。(飲食・美容業等)
・高校時代のアルバイトをきっかけに、自分のお店を持ちたいと考えていた。(飲食店・小売店等)

Q2.創業するために、いつから、どのような活動をしてきましたか?

創業するために必要な資格の取得や、経験の蓄積など具体的に実施してきた活動を伝えることで、創業への本気度を伝えることができます。

【例】
・製菓専門学校へ進学、○○ホテルへ就職し結婚披露宴用のお菓子作りを10年担当した。(洋菓子店)
・高校卒業後、㈱○○工業へ就職、現場経験を7年経た後、独立を見据え営業担当への係替えを希望し5年営業を担当した。(建設業)
・大学卒業後、介護施設へ就職をきっかけに介護業界の課題に直面。独立をを見据え、必要な資格の取得、併せて利用者さんやそのご家族と積極的にコミュニケーションをとり、サービスに介護サービスに対するフィードバックや要望を収集してきた。(介護)

Q3.活動の結果、得られた実績や経験は何ですか?

Q2で行ってきた活動の結果、得られた実績、経験を伝えることで、これらの活動が自己満足ではないことを証明することが出来ます。

【例】
・日本国内最大規模の洋菓子作品展ジャパンケーキショーで金賞を受賞した。(洋菓子店)
・営業成績ランキング、関東1位獲得(代理店、不動産、卸売、小売、サービス業等)
・国家資格である介護福祉士を取得(介護)

Q4.なぜ今のタイミングで創業しようと思ったのですか?

なぜ、創業が今なのか、理由を明確にします。

【例】
・〇歳までに創業すると決めていたため。
・開業資金の目途がついたため
・理想の物件が見つかったため
・同じ志を持つ仲間たちとの出会ったため
・これまで築き上げてきた人脈から取引先、売上の目途が立ったため

Q5.創業することで、実現できることは何ですか?社会にどう貢献することができますか?

創業することで実現できること、課題の解決や社会にどのように貢献することができるのか、目標でも構いませんので伝えることが重要です。

【例】
・利用者一人ひとりのニーズに応じた室の高いケアを提供し、より良い介護サービスを提供していく(介護)
・介護施設が不足している○○地域で福祉の一端を担う(介護)
・料理を通じて人々の心を繋げ、地域のコミュニティの活性化に貢献したい(飲食店)
・スポーツを通して○○地域の活性化に貢献していきたいです。(整骨院)
・地元の食材を使った料理を提供し、地元地域の知名度UPに貢献したい。(飲食店)

ステップ2.質問に対する回答を文章に落とし込む

以下のテンプレートを参考に、ステップ1で整理した創業への思いを文章に落とし込んでみましょう。
もちろんご自身なりにアレンジしていただいて構いません。

創業計画書の創業の動機の欄に記入しきれない場合は、「別紙参照」と記入し、別途資料を添付して創業への同期を十分に伝えられるようにしましょう。

ステップ1の回答となる部分が落とし込まれていることを確認しましょう。

Q1.いつから創業したいと考えていましたか?⇒下線部①
Q2.創業するために、いつから、どのような活動をしてきましたか?⇒下線部②
Q3.活動の結果、得られた実績や経験は何ですか?⇒下線部③
Q4.なぜ今のタイミングで創業しようと思ったのですか?⇒下線部④
Q5.創業することで、実現できることは何ですか?社会にどう貢献することができますか?⇒下線部⑤

【創業の動機 参考テンプレート】
○○○○頃から独立したいと考えるようになり○○年から○年間、○○○〇で○○○〇を続けてきました。独立を目指し、毎日〇○○を行い、その結果○年には○○○○という実績を残すことができ、たくさんのお客様に喜んでいただくことができました。
(実際に〇人の方に〇〇〇〇といったお言葉をいただいたこともありました。など)
○○地域で物件を探していたところ、広さ・立地ともに理想の物件を見つけることが出来たため、創業を決意しました。
(創業に向けて準備を進めていたところ、取引先、売上、人材の目途が立ったため。など)
創業することで、以前からの夢である○○○〇を提供すことや、〇○○○をすることで地域の発展に貢献することができると考えています。

ステップ1の質問に対する回答をしっかりと落とし込むことが出来れば、熱意の伝わる創業の動機は完成です。

ステップ3.審査の4つのポイント

最後に、書き上げた「創業の動機」から次の4つのポイントを全て伝えることが出来ているか確認しましょう。

ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか
ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか
ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか
ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

一つでも抜けている場合は、創業への熱意をしっかりと伝えられない可能性があります。
一度書き上げて終了ではなく、時間を空けて何度かブラッシュアップしていきましょう。

次の章では、創業融資の相談を受けることが多い17の業種の創業の動機の事例を紹介していきます。
同業種や、近い業種の事例を参考に、アレンジしてみてください。

 


3.【業種別】創業の動機の記入例

創業融資の相談を受けることが多い業種の、創業の動機の記入例を紹介していきます。
記入例が、前章で解説した審査の4つのポイントをクリアしているかどうかも一緒にチェックしていきます。
①記入例、②審査のポイントチェック、③専門家の解説の順で解説していきます。

3-1.飲食業(ラーメン店)の創業の動機

【記入例】
アルバイトをきっかけに、○○県を中心に人気の「ラーメン××」で6年間の修業し、ラーメンの作り方だけでなく、飲食店運営の基礎や接客を学び、多くの経験を積む中でお客様一人ひとりの満足の積み重ねが売上に繋がっていくことを実感し、3年ほど前から自分のお店を持ちたいと考えるようになりました。
この度、前職でお世話になっていた仕入業者の方と繋がることができ、仕入れの見通しが経ったこと、理想の立地の店舗が見つかったことをきっかけに創業を決意しました。
子連れでも入りやすい店内で、幅広いお客様に愛されるお店作りをしていきたいと考えています。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
「ラーメン××」で6年間の修業
3年ほど前から自分のお店を持ちたいと考えるようになりました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
「ラーメン××」で〇年間の修業し、ラーメンの作り方だけでなく、飲食店運営の基礎や接客を学び、多くの経験を積む中でお客様一人ひとりの満足の積み重ねが売上に繋がっていくことを実感

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
前職でお世話になっていた仕入業者の方と繋がることができ、仕入れの見通しが経ったこと、理想の立地の店舗が見つかったことをきっかけに創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
子連れでも入りやすい店内で、幅広いお客様に愛されるお店作りをしていきたいと考えています。

専門家からのアドバイス

ラーメン店の場合、個人経営が多いため、店舗運営に関するマニュアル等が整備されているケースが少ないため、実際の現場での修行経験が、ご自身のお店の運営に活きてきます。
店舗立ち上げの経験等もある場合は、プラスの評価に繋がりますので積極的にアピールしましょう。
▶飲食店の創業計画書の書き方はこちら

3-2.飲食業(洋食店)の創業の動機

【記入例】
親族が飲食店を経営しており、幼い頃から料理人になるのが夢でした。高校卒業後は調理師の専門学校へ進学、その後○○ホテルに就職、修業のためにイタリアに渡り、ミシュランガイドで1つ星を獲得するレストランの副料理長として8年勤めました。
独立のために貯蓄してきた資金が目標を達成したことから、創業を決意しました。
地元の野菜や魚介類を使った料理を看板メニューとし、地元の知名度アップや地域の活性化に貢献していきます。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
親族が飲食店を経営しており、幼い頃から料理人になるのが夢でした。
高校卒業後は調理師の専門学校へ進学、その後○○ホテルに就職、修業のためにイタリアに渡り、ミシュランガイドで1つ星を獲得するレストランの副料理長として8年勤めました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
高校卒業後は調理師の専門学校へ進学、その後○○ホテルに就職、修業のためにイタリアに渡り、ミシュランガイドで1つ星を獲得するレストランの副料理長として8年勤めました。

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
独立のために貯蓄してきた資金が目標を達成したことから、創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
地元の野菜や魚介類を使った料理を看板メニューとし、地元の知名度アップや地域の活性化に貢献していきます。

専門家からのアドバイス

飲食店は他社との差別化が重要なポイントとなります。
「ミシュラン星付きシェフ」等のご自身の経験による差別化や、「ハンバーグ専門店」等の専門性による差別化の方法など、競合他社は、様々な方法で差別化をしています。
何か一つ、他社と差別化できるポイントを抑えてアピールできるようにしましょう。
飲食店の創業計画書の書き方はこちら

3-3.美容業(美容室)の創業の動機

【記入例】
幼い頃から、美容師になりたいという夢を持ち、美容専門学校卒業後、10年間東京の表参道の美容室でスタイリストを続けてきました。
令和○年には、約1300人の社内スタイリストと競う、社内コンテストではレディースカット部門で2位に入賞。それ以降、指名のお客様も順調に増加しました。
かねてから、指名客が〇名以上になったら独立をするという目標を立てており、今年の4月にその目標を達成。
地元○○県で、理想としていた物件が見つかったことから創業を決意しました。
流行の先端、表参道で培ったトレンドキャッチ力を活かし最新のトレンドヘアスタイルをいち早く〇〇県で実現できる唯一無二のサロンにしてきます。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
幼い頃から、美容師になりたいという夢を持ち、美容専門学校卒業後、10年間東京の表参道の美容室でスタイリストを続けてきました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
10年間東京の表参道の美容室でスタイリストを続けてきました。
令和○年には、約1300人の社内スタイリストと競う、社内コンテストではレディースカット部門で2位に入賞。それ以降、指名のお客様も順調に増加しました。

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
かねてから、指名客が〇名以上になったら独立をするという目標を立てており、今年の4月にその目標を達成。
地元○○県で、理想としていた物件が見つかったことから創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
流行の先端、表参道で培ったトレンドキャッチ力を活かし最新のトレンドヘアスタイルをいち早く〇〇県で実現できる唯一無二のサロンにしてきます。

専門家からのアドバイス

美容室の場合、美容師自身の技術力、実績が重要なポイントです。
経験年数や、指名顧客数、受賞歴など目に見える実績をアピールするようにしましょう。
近年では、SNSを利用している美容師も多いため、インスタグラムのフォロワー数なども立派な実績となります。
▶美容室の創業計画書の書き方はこちら

3-4.美容業(エステサロン)の創業の動機

【記入例】
大手○○エステティックでエステティシャンとして3店舗の店長を経験しました。
社内の店舗売上ランキングで全国2位にランクインするなどやりがいを感じると共に、美容業界の課題にも多く直面しました。
そこで、よりお客様に満足いただけるサロン、そして従業員も気持ちよく働くことのできるサロンを自分自身の手で作り上げたいと感じ、1年ほど前から独立に向けて準備をしていきました。理想とした立地と広さの物件が見つかったことから、この度創業を決意しました。
将来的には、子育てを機に美容業界を離れた方たちが、また美容業界に戻り働きやすい環境を整えていきたいと考えています。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
よりお客様に満足いただけるサロン、そして従業員も気持ちよく働くことのできるサロンを自分自身の手で作り上げたいと感じ、1年ほど前から独立に向けて準備をしていきました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
大手○○エステティックでエステティシャンとして3店舗の店長を経験しました。
社内の店舗売上ランキングで全国2位にランクイン

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
理想とした立地と広さの物件が見つかったことから、この度創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
子育てを機に美容業界を離れた方たちが、また美容業界に戻り働きやすい環境を整えていきたいと考えています。

専門家からのアドバイス

エステサロンは特別な資格の取得が必要なく、マンションの一室などでも開業できてしまうため競合他社も多いため、差別化が重要です。
○○専門エステなど、ある施術に特化することで差別化を図るケースも増えています。
美容室同様に、自身の技術力、実績が重要な業種です。
経験年数や、指名顧客数、受賞歴など目に見える実績をアピールするようにしましょう。

3-5.介護事業の創業の動機

【記入例】
祖母が介護施設に入所したことをきっかけに、未経験から介護業界へ入り15年。
介護施設での勤務経験を通じて、現在の介護サービスに多くの問題点があることを痛感し、5年ほど前から独立を目指し、資格の取得、自己資金の準備等を進めてきました。
そんな中、同じ志を持つ仲間たちとの出会い、介護事業開業に必要な人員の目途がついたことから、創業を決意しました。
創業を予定している○○地域では、在宅介護を希望する方が多い一方で、現状では介護人材が不足しており、このニーズに応えることが難しい状況です。
私たちは、この問題に立ち向かい、地域社会に貢献する介護サービスを提供していきたいと考えています。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
未経験から介護業界へ入り15年。介護施設での勤務経験を通じて、現在の介護サービスに多くの問題点があることを痛感し、5年ほど前から独立を目指し、資格の取得、自己資金の準備等を進めてきました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
介護業界へ入り15年。介護施設での勤務経験を通じて、現在の介護サービスに多くの問題点があることを痛感

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
5年ほど前から独立を目指し、資格の取得、自己資金の準備等を進めてきました。
そんな中、同じ志を持つ仲間たちとの出会い、介護事業開業に必要な人員の目途がついたことから、創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
創業を予定している○○地域では、在宅介護を希望する方が多い一方で、現状では介護人材が不足しており、このニーズに応えることが難しい状況です。
私たちは、この問題に立ち向かい、地域社会に貢献する介護サービスを提供していきたいと考えています。

専門家からのアドバイス

介護事業の開業では、資格要件や人員要件が必須です。
開業できるための、資格や人員が整っていることをしっかりとアピールしましょう。
また、サービスが提供できるエリアが限られてくるため、開業する地域の市場調査はしっかりと行っておきましょう。
▶介護事業の創業計画書の書き方はこちら

3-6.整骨院の創業の動機

【記入例】
学生時代にスポーツ中の怪我で整骨院にお世話になったことをきっかけに、将来、整骨院を開業して同じ悩みを抱えるスポーツ選手の力になりたいと思い、高校卒業後、柔道整復専門学校に進学、その後スポーツ選手向けの整骨院に就職し10年間経験を積みました。
スポーツ選手にとって、怪我は切っても切れない悩みの一つであるため、怪我との付き合い方を丁寧にレクチャーすることでお客様の信頼を得ることが出来ました。
独立を目指し、物件を探していたところ、理想とする物件が見つかったため、創業を決意しました。スポーツを通して○○地域の活性化に貢献していきたいです。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
学生時代にスポーツ中の怪我で整骨院にお世話になったことをきっかけに、将来、整骨院を開業して同じ悩みを抱えるスポーツ選手の力になりたいと思い、高校卒業後、柔道整復専門学校に進学、

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
高校卒業後、柔道整復専門学校に進学、その後スポーツ選手向けの整骨院に就職し10年間経験を積みました。
スポーツ選手にとって、怪我は切っても切れない悩みの一つであるため、怪我との付き合い方を丁寧にレクチャーすることでお客様の信頼を得ることが出来ました。

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
独立を目指し、物件を探していたところ、理想とする物件が見つかったため、創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
スポーツを通して○○地域の活性化に貢献していきたいです。

専門家からのアドバイス
ターゲットとなる顧客を明確にしましょう。
開業する地域の市場調査を実施し、店舗のコンセプトと自身の強みなどを絡めるようにしましょう。
▶整骨院の創業計画書の書き方はこちら

3-7.建設業の創業の動機

【記入例】
高校卒業以降、約10年内装工事を中心に建設業界に従事し、3年ほど前から独立をすることを目標に、技術及び資格の取得、案件獲得のための人脈づくりに注力してきました。その結果、取引先からの信頼を得ることができ、定期的に案件をいただける目途がつきました。
案件の目途がついたこと、自己資金の準備が整ったことから独立を決意しました。
独立後は、これまでの人脈を生かし、新規案件の獲得に力を入れ、ビジネスを拡大し、職人が安心して長く働くことのできる会社を作っていきたいと考えています。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
3年ほど前から独立をすることを目標に、技術及び資格の取得、案件獲得のための人脈づくりに注力してきました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
約10年内装工事を中心に建設業界に従事し、3年ほど前から独立をすることを目標に、技術及び資格の取得、案件獲得のための人脈づくりに注力してきました。
その結果、取引先からの信頼を得ることができ、定期的に案件をいただける目途がつきました。

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
案件の目途がついたこと、自己資金の準備が整ったことから独立を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
独立後は、これまでの人脈を生かし、新規案件の獲得に力を入れ、ビジネスを拡大し、職人が安心して長く働くことのできる会社を作っていきたいと考えています。

専門家からのアドバイス

現場の経験だけでなく、営業の経験があればアピールしましょう。
施工の技術力はもちろんですが、経営をするにあたっては社長の営業力やコミュニケーション能力も重要なポイントとなります。
▶建設業の創業計画書の書き方はこちら

3-8.不動産業の創業の動機

【記入例】
不動産仲介業界での15年の経験から、より質の高いサービス提供への想いを抱き、数年前に創業を決意し、人脈の構築、創業セミナーへの参加、自己資金の準備を進めてきました。取引先、自己資金、従業員の確保の目途が立ったことから、創業を決意しました。
これまで培った人脈から、理想の住まい探しをサポートするだけでなく、保険や相続、リフォームなど、生活の中でのお困りごとの総合相談窓口として、地域のお客様に寄り添ったサービスを提供していきます。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
より質の高いサービス提供への想いを抱き、数年前に創業を決意し、人脈の構築、創業セミナーへの参加、自己資金の準備を進めてきました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
不動産仲介業界での15年の経験

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
取引先、自己資金、従業員の確保の目途が立ったことから、創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
これまで培った人脈から、理想の住まい探しをサポートするだけでなく、保険や相続、リフォームなど、生活の中でのお困りごとの総合相談窓口として、地域のお客様に寄り添ったサービスを提供していきます。

専門家からのアドバイス

不動産業の場合、資格や免許の取得が必要です。また、保証協会へ加入し、保証金の支払いをしなければ開業が出来ません。
資格や免許の取得が完了し、事業がすぐに始められる状態でないと融資はしてもらえません。

事前に準備が完了していることをしっかりと伝えるようにしましょう。
資格や免許の取得費用や、保証金は融資で調達することはできませんので注意してください。

3-9.WEB制作業の創業の動機

【記入例】
私はWEB制作会社での10年間の経験を通じて、日本の素晴らしい技術や芸術を世界に紹介することへの情熱を深めてきました。
しかし、職人気質の方々がWEB知識に不慣れなことが多いという現実に直面し、これらの価値ある技術や芸術を適切に発信するためにはより柔軟なアプローチが必要だと感じました。組織内でこのような取り組みを実現することに限界を感じたため、自ら創業することを決意し3年ほど前から準備を開始しました。
創業に向けて、本業の傍らで知り合いの中小企業のホームページ制作を手掛け、大変好評いただき、口コミで依頼を受けるようになり、事業として成立する見通しが立ちました。この経験を踏まえ、創業を決意しました。HPやWEB広告に苦手意識を持つ中小企業や職人気質の方々に寄り添い、彼らの素晴らしい技術や芸術を世界に発信するサポートをしていきたいです。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
自ら創業することを決意し3年ほど前から準備を開始しました。
創業に向けて、本業の傍らで知り合いの中小企業のホームページ制作を手掛け、大変好評いただき、口コミで依頼を受けるようになり、事業として成立する見通しが立ちました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
WEB制作会社での10年間の経験を通じて、日本の素晴らしい技術や芸術を世界に紹介することへの情熱を深めてきました。
しかし、職人気質の方々がWEB知識に不慣れなことが多いという現実に直面し、これらの価値ある技術や芸術を適切に発信するためにはより柔軟なアプローチが必要だと感じました。

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
創業に向けて、本業の傍らで知り合いの中小企業のホームページ制作を手掛け、大変好評いただき、口コミで依頼を受けるようになり、事業として成立する見通しが立ちました。この経験を踏まえ、創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
HPやWEB広告に苦手意識を持つ中小企業や職人気質の方々に寄り添い、彼らの素晴らしい技術や芸術を世界に発信するサポートをしていきたいです。

専門家からのアドバイス

パソコン一つで開業できることから、フリーランスとして開業する方が増えています。
競合も多いということになりますので、得意な業種やコンセプトなどで差別化ポイントをアピールしましょう。

3-10.小売業(ケーキ屋)の創業の動機

【記入例】
母親の影響でお菓子作りに興味を持ち、学生時代、休みの日にはお菓子を作り学校で友達に配っていました。
将来はパティシエになって自分のお店を開くと決め、高校卒業後、製菓の専門学校に通い、卒業後は東京の○○ホテルで結婚披露宴用のお菓子作りを10年担当しました。
コンクールにも積極的に出展し日本国内最大規模の洋菓子作品展ジャパンケーキショーのデコレーションケーキ部門で金賞を受賞しました。
この受賞をきっかけに恩師や家族の応援を受け今回創業を決意しました。
自分のお店を構えるなら自身が生まれ育った地でと考えており、地元の食材をふんだんに使ったスイーツを提供することで地域の発展に貢献できると考えております。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
将来はパティシエになって自分のお店を開くと決め、高校卒業後、製菓の専門学校に通い、卒業後は東京の○○ホテルで結婚披露宴用のお菓子作りを10年担当しました。

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
東京の○○ホテルで結婚披露宴用のお菓子作りを10年担当しました。
コンクールにも積極的に出展し日本国内最大規模の洋菓子作品展ジャパンケーキショーのデコレーションケーキ部門で金賞を受賞しました。

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
日本国内最大規模の洋菓子作品展ジャパンケーキショーのデコレーションケーキ部門で金賞を受賞しました。
この受賞をきっかけに恩師や家族の応援を受け今回創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
自分のお店を構えるなら自身が生まれ育った地でと考えており、地元の食材をふんだんに使ったスイーツを提供することで地域の発展に貢献できると考えております。

専門家からのアドバイス

他社との差別化が重要なポイントとなります。
受賞経験などのご自身の経歴による差別化や、使用する材料による差別化など、様々な方法での差別化ができます。
何か一つ、他社と差別化できるポイントを抑えてアピールできるようにしましょう。

3-11.運送業

【記入例】
高校卒業後、15年にわたり運送業界に従事してきました。
ただ荷物を運ぶにとどまらず、荷主様、納品先と積極的にコミュニケーションを取りお互いが気持ちよく仕事ができるよう業務改善を行ってきました。
その結果、仕事に対する姿勢を評価していただき、信頼関係を構築することができました。
数年前に取引先の社長から「あなたのような人がたくさんいればいいのに」という言葉をいただいたことをきっかけに、もっとこの仕事には工夫できる点があると感じ、それを実現するために自ら創業する必要があると感じました。
創業に必要な自己資金の準備等の準備を行い、この度、取引先の目途が立ったことからこの度の創業を決意しました。
当社独自の柔軟サービスで他社との差別化をはかり、痒い所に手の届く唯一無二の運送業として貢献していきたいです。

【4つのチェックポイント】

☑ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか

【アピール箇所】
数年前に取引先の社長から「あなたのような人がたくさんいればいいのに」という言葉をいただいたことをきっかけに、もっとこの仕事には工夫できる点があると感じ、それを実現するために自ら創業する必要があると感じました。創業に必要な自己資金の準備等の準備を行い

☑ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか

【アピール箇所】
15年にわたり運送業界に従事してきました。ただ荷物を運ぶにとどまらず、荷主様、納品先と積極的にコミュニケーションを取りお互いが気持ちよく仕事ができるよう業務改善を行ってきました。その結果、仕事に対する姿勢を評価していただき、信頼関係を構築することができました。

☑ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか

【アピール箇所】
この度、取引先の目途が立ったことからこの度の創業を決意しました。

☑ポイント4.創業することで実現したいことをアピールできているか

【アピール箇所】
当社独自の柔軟サービスで他社との差別化をはかり、痒い所に手の届く唯一無二の運送業として貢献していきたいです。

専門家からのアドバイス

運送業の場合、運送業許可の取得が必要です。
許可が得られていないと融資を受けることが出来ませんので注意してください。
運送業の許可を取得するために事前に必要な車両の購入や、資金要件など、事前の準備が重要な業種ですので、事前準備をいつからどのようにしてきたのかをアピールすると、創業への熱意を伝えることができます。

創業融資サポート

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?
日本政策金融公庫の融資担当者は、この「創業の動機」の欄を通して、創業への熱意をチェックしています。

いい加減な創業の動機では、創業への熱意が感じられず、審査に落ちてしまう可能性があります。
次の、審査の4つのポイントを抑え、創業への思いをしっかりと伝え、評価してもらいましょう。

ポイント1.創業が一時の思いつきでなく準備をしてきた結果であることをアピールできているか
ポイント2.創業するためのスキルが身についていることをアピールできているか
ポイント3.なぜ今のタイミングで創業するのかを伝えられているか
ポイント4創業することで実現したいことをアピールできているか

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