女性・若者・シニアの起業家必見!低利率で融資が受けられる特例制度の利用ができます!
「女性、若者/シニア起業家支援資金」とは、日本政策金融公庫が実施する融資の特例制度です。
条件に当てはまれば低利率で融資が受けられる魅力的な制度と言えます。
この制度を利用するためには一定の条件がありますので、あなたが「女性、若者/シニア起業家支援資金」の対象者に含まれるか、この記事でチェックしてみましょう。
1.女性、若者/シニア起業家支援資金とは?
女性や35歳未満または55歳以上の創業を支援する、日本政策金融公庫による融資制度です。
開業時によく利用される創業融資(新規開業資金)よりも低利率が適用されるため、有利に事業を進められます。
1-1.申込条件
下記2点の条件を両方クリアしていることが条件です。
② 女性または35歳未満か55歳以上
担保や保証人は基本的に不要ですが、担保や保証人を設定すれば利率はさらに下がります。
1-2.受けられる利率の優遇一覧(令和6年4月1日現在)
受けられる利率の優遇は次の表の通りです。※担保を不要とする場合
申込条件をクリアした方は、日本政策金融公庫における基準利率よりも低い「特別利率A」が適用されます。
創業融資(税務申告を2期終えていない方)の基準金利が2.40~3.50%であるのに比べ、特別金利Aは2.00~3.10%と低く設定されています。
申込条件にプラスして、以下の条件に該当する方は、さらに低い金利で融資が受けられる可能性があります。
条件 | 利率 |
・新たに事業を始めるまたは事業開始後おおむね7年以内・女性または35歳未満か55歳以上 | 特別利率A:1.53~2.90% |
上記条件に加えて以下の条件に該当する場合の利率 | 利率 |
+技術・ノウハウ等に新規性がみられる | 特別利率A~C 特別利率A:2.00~3.10% 特別利率B:1.75~2.85% 特別利率C:1.50~2.60% |
+デジタル田園都市国家構想交付金(旧:地方創生推進交付金を含む。)を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める | 特別利率B:1.75~2.85% |
デジタル田園都市国家構想交付金(旧:地方創生推進交付金を含む。)を活用した起業支援金および移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める | 特別利率C:1.50~2.60% |
参考 創業融資(税務申告を2期終えていない方の基準金利) | 基準金利:2.40~3.50% |
特別金利は基本的に、A>B>C>Dの順で、低くなっていきます。
日本政策金融公庫の金利は、少し複雑です。
基本的には、日本政策金融公庫の担当者が、条件に該当する最も低い利率の制度を案内してくれますので、全て自分で理解する必要はありません。
1-3.申込方法
申込の方法は、一般的な日本政策金融公庫の創業融資の申込と同様です。
融資申込流れは次の通りです。
①事前相談(最寄りの支店へ事前に電話)
各管轄している日本政策金融公庫の各支店の窓口へ、電話で申し込みの相談をします。
法人で創業する場合は、本店所在地、個人事業の場合は創業予定地の近くの日本政策金融公庫の支店になります。
女性、若者/シニア起業家支援資金の制度を利用するために、特別な作業は必要ありませんが、事前相談のタイミングに一言「女性、若者/シニア起業家支援資金」を活用したいと告げると良いでしょう。
②借入申込書・創業計画書の作成(自宅で作成)
一般的な作成書類と添付書類は下記のとおりです。
・借入申込書(日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできます)
・創業計画書(日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできます)
・勤務時代の給与所得の源泉徴収票
・通帳コピー
・設備資金がある場合は見積書コピー
・店舗や事業所の不動産賃貸借契約書コピー
・営業について許認可が必要な業種は許認可証コピー
・水道光熱費などの公共料金支払領収書(口座振替の場合は、通帳で確認)
法人
・登記簿謄本
日本政策金融公庫の創業融資の必要書類について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
【借入申込書の見本】
詳しい借入申込書の記入方法は、こちらの記事を参考にしてください。
【創業計画書の見本】
詳しい創業計画書の作成方法は、こちらの記事を参考にしてください。
③申込(郵送)
上記②で作成した借入申込書や創業計画書、添付書類を揃えて、事前相談をした最寄の日本政策金融公庫の支店へ郵送で提出します。
④公庫面談・審査
持参するものは、通帳の原本や写真付きの身分証明書、事業計画を説明する資料を持参してください。
面談時間は1時間程度です。
面談の内容は、基本的には提出した創業計画書の中身について質問されます。
的確に答えられるように準備しておきましょう。
審査は、実際に現地調査として店舗や工場、事業所の訪問があります。
詳しくは、下記の記事を参考に、面談の対策をしてみてください。
⑤融資決定(電話連絡)
審査結果は、電話で連絡があります。
面談後、審査の結果が出るまで2週間くらいかかります。
融資決定後に借用証書など契約書類などが郵送で送られてきます。
⑥契約書の送付(郵送)
融資の契約に必要な、借用証書、印鑑証明書、融資金の入金先の通帳のコピーなどを用意・記入し日本政策金融公庫へ郵送で返送してください。
⑦融資実行(指定口座へ入金)
契約書類の返送後、不備がなければ4営業日程度で指定の、事業用の銀行口座に入金があります。
上記が一般的な日本政策金融公庫の創業融資の申込の流れです。
郵送での申込の他、インターネット申込もできます。
インターネット申込の方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
① 創業計画書は綿密に
数値や画像をふんだんに取り入れ、売上計画の根拠となる情報をたくさん提示すると効果的です。
また、ご自身のこれまでの経験、技術力などがアピールできる資料を用意しましょう。
創業融資の審査を通すには、創業計画書の作成が非常に重要なポイントとなります
詳しい創業計画書の作成方法は、こちらの記事を参考にしてください。
② 自己資金は融資希望額の3分の1を目安に用意
自己資金は多ければ多いほど、融資の成功確率がUPします。
融資希望額の3分の1を目安に用意しておきましょう。
用意しておくべき自己資金の目安や、自己資金として認められるもの認められないものがあります。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
③ 融資面談が重要
事前に提出した創業計画書を元に面談が実施されます。
創業計画書をしっかりと作り込んでおけば、心配はありません。
自信をもって挑んでください。
ただし、面談の受け答えのコツや注意点があります。
詳しくは、下記の記事を参考に、面談の対策をしてみてください。
2. その他女性・若者・シニアが受けられる起業支援制度
女性や若者、シニアが優遇される融資制度は日本政策金融公庫以外にも存在します。
自治体によって、実施している制度の内容が異なりますので、下記の方法でご自身の地域の支援制度を検索してみてください。
ステップ①検索エンジンで検索
インターネットの検索エンジンで「○○県 制度融資」「○○市 制度融資」と検索をかけてみましょう。
ステップ②各都道府県・市区町村のHPにアクセス
多くの場合、都道府県のHPや市区町村のHPが上位にヒットします。アクセスしてみましょう。
ステップ③「令和〇年制度融資のご案内」などのパンフレットをチェック
該当のHP上に「令和〇年制度融資のご案内」などパンフレットがアップされていますのでご確認ください。
パンフレットの内容はわかりやすいものが多いです。
パンフレットの中から、「女性・若者・シニア」などのキーワードを探してみてください。
本項では、参考までに実際に実施している自治体による優遇制度を3つ紹介いたします。
① 東京都 「女性・若者・シニア創業サポート事業」
女性や若者、シニアの創業を創業バックアップする制度です。
融資制度は2024年3月末までですが、創業支援セミナー等は継続される予定です。
融資限度額:1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内)
融資期間 :10年以内
利率 :原則1%以内
② 茨城県 「女性・若者・障害者創業支援融資」
女性、若者、障害者向けの低金利の融資制度です。
融資限度額:3,500万円
融資期間 :設備資金10年以内・運転資金7年以内・併用の場合7年以内
利率 :1.2〜1.5%
信用保証料:原則0.9%
③ 大阪府「開業サポート資金」
女性、若者、シニア、UIJターン向けに金利が0.2%優遇される制度です。
融資限度額:3,500万円
融資期間 :10年以内
利率 :1.0%または1.2%
信用保証料:0.5〜1.2%
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」は女性やシニア、若者の企業を支援する魅力的な融資制度です。
申込の条件をクリアしているならば是非活用したい制度です。
ただし融資には審査があります。創業計画書をはじめとした各書類はしっかり作り込みましょう。
融資金額や創業計画書の作成等に不安がある人は専門家に相談することも視野に入れてみてください。
融資を確実に成功させて、起業して成功する夢に一歩近づいていきましょう。
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